一橋大学は、明治8年に商法講習所として創立以来、時代の変化に合わせた様々な学びを提供する教育機関です。数多くの優秀な人材を輩出し、2019年には指定国立大学法人となりました。また、教育のグローバル化を推進し、留学生の受け入れを積極的に行っています。
今回、留学生の日本語レベルを測るためのオンラインテスト実施において、WisdomBaseをご活用いただきました。システム選定の決め手となった要因や、実際に使ってみた感想について、お話を伺いました。
本学の留学生に対して実施する、日本語能力を判定するための試験でWisdomBaseを利用しています。テスト自体は1990年から継続して紙媒体で行ってきましたが、新型コロナウイルスの流行によってオンライン化を進めました。
テストには漢字・語彙・文法・聴解の4部門があり、約140問の選択式です。聴解は音声を聞き取って回答する必要がありますので、WisdomBaseではテスト時の音声の巻き戻しや早回しができない機能を実装していただきました。留学生の日本語レベルを判定し、どのレベルに入れるかを決めるのがテストの目的です。
留学生は中国・韓国が多いですが、ヨーロッパやアメリカ、東南アジアなどからも受け入れています。テストを受けるのは、交換留学生と大学院正規生、それから大学院研究生という大学院に入る前の学生です。学部正規生と呼ばれる、一橋大学に1年生から入ってくる学生たちについては、通常の入試がある関係でWisdomBaseの日本語テストは対象外となっています。
2020年4月のコロナ禍をきっかけに、留学生が入国できなくなり従来の紙ベースのテストが実施できないということで、オンライン化を検討し始めました。もともとテストのオンライン化は案としてあり、コロナ禍と重なって2020年度から開発をお願いしました。運用を始めたのは2021年の春からです。2021年までは交換留学生が日本に入ってこられずテストの受験者も減っていましたが、2022年はだいぶ入国できるようになり、多いときでは140名ほどが受験して以前の水準に戻りつつあります。
一番の理由は価格ですね。予算を多くかけられない事情があったので、開発費用も抑えてくださったのは大変ありがたかったです。月々の使用料も受験者数に応じてお支払いする従量課金制で、その料金体系も本学の方針に合っていました。
それから、他社のシステムと比較したときに、こちらの要望を柔軟に取り入れてくださる姿勢が良いなと思いました。テスト中に他の画面が見られないようにするとか、音声の再生時に巻き戻せないようにするなどの対策は、他社ではできないところが多かったです。WisdomBaseには本学の欲しい機能が揃っていたのが大きな決め手になりました。
留学生向けのテストなので、問題に出てくる漢字にはすべてふりがなを振る必要があります。ただ、WisdomBaseはまだふりがな設定に対応していないとのことで、画像で問題を作成するのは少し大変でした。でも、それ以外の機能については随時バージョンアップしていて、どんどん使いやすくなっていると感じます。日本語を聞き取って答える問題の音声も、アップロードすれば自動的に保存されるように改良されて、作業が楽になったと思います。
いつもこちらの要望を汲んでくださって、ご連絡にも迅速に対応していただけるので大変助かっています。トラブルのときもそうですし、わからないことがあった場合もレスポンスが非常に早いのはありがたいですね。今後も引き続きサポートをお願いします。
先ほどのふりがなの件や、受験者の登録作業など一部改善を希望する箇所はあるものの、全般的に大変便利に使わせていただいています。テスト結果を分析したい場合も、問題やユーザーごとにデータが確認できるのは助かります。今後も受験生にとって便利なテスト環境を整えられるように、色々とご相談させてもらうと思いますのでよろしくお願いします。