
はじめに
「時間とコストをかけて研修を実施したのに、現場の行動が何も変わらない…」
研修企画に携わるあなたなら、一度はこんな無力感を覚えたことがあるのではないでしょうか。鳴り物入りで導入したオンライン研修は、受講率こそ高いものの「本当に身になっているのか」効果が見えず、かといって従来通りの対面研修に戻せば、今度は経費の増大が経営の槍玉にあがる。オンラインと対面、どちらにも一長一短があることは分かっている。しかし、自社にとって、そして育てるべき社員にとって、本当に最適な選択肢は何なのか。その「正解」が見えず、毎年手探りで計画を立てている…そんな悪循環に陥っていませんか?
この記事は、そんなあなたのための羅針盤です。データに基づいた客観的な比較から、コストと効果を最大化する具体的な計画立案のヒントまで、あなたの悩みを解決し、自信をもって次の一手を打つための全てをここに記します。
- はじめに
- オンライン研修と対面研修の基本理解
- オンライン研修のメリットとデメリット
- 対面研修のメリットとデメリット
- 研修様式の選択における企業の課題
- 効果的な研修計画の構築方法
- オンライン研修の導入にWisdomBase
オンライン研修と対面研修の基本理解

変化の激しい現代において、人材育成は企業の持続的成長を支える生命線です。その中核をなす研修のあり方も、テクノロジーの進化と社会情勢の変化によって大きな変革期を迎えています。
長らく研修の主流であった「対面研修」と、コロナ禍を機に一気に普及した「オンライン研修」。それぞれの本質的な特徴を深く理解し、自社の目的に合わせて使い分ける視点こそが、これからの研修担当者に求められる最も重要なスキルと言えるでしょう。
ここでは、両者の基本的な違いから、新たな可能性を秘めたハイブリッドモデルまで、研修形式を選択する上での基礎知識を整理します。
オンライン研修の特徴とその広がり
オンライン研修は、インターネットを介してPCやスマートフォン、タブレットなどのデバイスから学習する形態を指します。本格的に企業研修の主役へと躍り出たのは、やはり2020年以降のパンデミックが大きなきっかけでした。
オンライン研修は大きく分けて、録画された動画コンテンツを視聴する「オンデマンド型」と、Web会議システムなどを利用してリアルタイムで講義やディスカッションを行う「ライブ配信型」の2種類があります。近年では、VR(仮想現実)技術を用いてより没入感の高いトレーニングを行うなど、その手法は多様化の一途をたどっています。場所や時間を選ばない柔軟性と拡張性の高さが、オンライン研修の最大の特徴です。
対面研修の歴史と文化
一方、対面研修は、講師と受講者が同じ空間に集まって行われる、最も伝統的な研修スタイルです。日本企業においては、新入社員研修に代表されるように、単なる知識やスキルの伝達だけでなく、「同期の絆」を育み、企業文化や価値観を共有する重要な儀式として機能してきました。
対面研修の最大の価値は、言葉だけでは伝わらない「非言語的コミュニケーション」が生まれる点にあります。講師の熱意、受講者の真剣な眼差し、グループワークで交わされる些細な会話、休憩時間の雑談。これら全てが学習効果を高め、一体感や組織へのエンゲージメントを醸成する上で、オンラインにはない独特の力を発揮します。テクノロジーが進化してもなお対面研修が根強く支持される背景には、こうした「場の共有」がもたらす無形の価値が存在するのです。
どちらを選ぶべきかの判断基準
では、オンラインと対面のどちらを選ぶべきか。その判断に迷った時、立ち返るべきは「研修の目的」です。研修で達成したいゴールから逆算して、最適な手段を選択するという視点が不可欠です。
一つのシンプルな判断基準として、「知識習得」か「スキル体得」かという切り口があります。
- 知識習得型(インプット中心)の研修 → オンライン向き
- 例:コンプライアンス、情報セキュリティ、製品知識、各種法令の理解など
- 普遍的で正解が明確な知識を、効率的に多くの社員にインプットさせたい場合に適しています。オンデマンド型であれば、各自のペースで繰り返し学習できる点もメリットです。
- スキル体得型(アウトプット・実践中心)の研修 → 対面・ハイブリッド向き
- 例:リーダーシップ、交渉術、プレゼンテーション、新人向けビジネスマナー、OJTなど
- ロールプレイングやグループディスカッションを通じて、他者からのフィードバックを受けながら実践的なスキルを磨く必要がある場合や、受講者同士の相互作用による「気づき」を促したい場合に強みを発揮します。
もちろん、これはあくまで基本的な考え方です。研修内容の複雑性や対象者のITリテラシー、企業文化などを総合的に考慮し、判断することが重要です。
ハイブリッドモデルの可能性
オンラインと対面を二者択一で考えるのではなく、両者の長所を組み合わせた「ハイブリッド研修」は、これからの研修のスタンダードとなり得るモデルです。ブレンディッドラーニング(Blended Learning)とも呼ばれ、学習効果の最大化と効率化を両立できる手法として注目されています。
最も代表的なモデルは、以下のような形式です。
- 事前学習(オンライン)
- 研修前に、関連する知識や理論をオンデマンド動画でインプットしておく。
- 集合研修(対面)
- 事前学習で得た知識を前提に、ディスカッション、グループワーク、ロールプレイングといった実践的な演習に集中する。
- 事後フォロー(オンライン)
- 研修で学んだことを現場で実践し、その結果や課題をオンライン上で報告・共有する。あるいは、フォローアップのウェビナーを開催する。
このモデルでは、対面研修の限られた時間を知識伝達ではなく、より付加価値の高い実践演習に充てることができます。また、研修を一過性のイベントで終わらせず、学習プロセスを継続させる「ジャーニー」として設計できる点も大きなメリットです。
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オンライン研修のメリットとデメリット

手軽さと効率性から多くの企業で導入が進むオンライン研修ですが、その光と影を正しく理解することが成功の鍵です。コスト削減という分かりやすいメリットに目を奪われがちですが、学習効果の低下やコミュニケーションの希薄化といった課題も無視できません。
ここでは、オンライン研修がもたらす具体的なメリットを定量的な視点も交えて解説するとともに、直面しがちなデメリットとその実践的な対策を深掘りします。
コスト効率とアクセスの利点
オンライン研修の最大のメリットは、何と言っても圧倒的なコストパフォーマンスです。対面研修で発生していた物理的なコストが大幅に削減できます。
具体的には、以下の費用が不要または削減可能です。
- 会場費
- 貸し会議室やホテルの利用料
- 交通費・宿泊費
- 遠方からの参加者の移動・宿泊にかかる費用
- 印刷費
- テキストや資料の印刷・製本費用
- 講師関連費
- 講師の交通費や宿泊費
例えば、全国の支社から100名の社員を東京本社に集めて2日間の研修を行う場合を想定してみましょう。仮に1人あたりの交通費・宿泊費が平均3万円とすれば、それだけで300万円の経費が発生します。会場費や資料印刷費、運営スタッフの人件費を含めると、その額はさらに膨らみます。
オンラインであれば、これらのコストをほぼゼロに抑えることが可能です。LMS(学習管理システム)やウェビナーツールの利用料はかかりますが、対面研修の経費と比較すれば、多くの場合で大幅なコスト削減が実現できます。
また、地理的な制約を受けないため、地方や海外の拠点にいる社員にも、本社と同じ質の高い研修機会を公平に提供できる点も大きな利点です。
集中力と習得効率の課題
一方で、オンライン研修が抱える根深い課題が、受講者の集中力維持と、それに伴う学習効果の低下です。自宅などリラックスした環境で受講できる反面、「ながら受講」を誘発しやすいという側面があります。メールをチェックしながら、別の作業をしながら…といった状況では、研修内容が頭に入らないのは当然です。
【対策】 この課題を克服するには、単に講義を配信するだけではない、能動的な参加を促す工夫が不可欠です。
- マイクロラーニングの導入
- 1つのコンテンツを5分〜10分程度の短い単位に分割し、集中力が途切れないように設計する。
- 双方向性の確保
- チャット機能やアンケート機能、投票機能をこまめに活用し、受講者に問いかけ、意見を求める。
- ブレイクアウトセッション
- 少人数のグループに分かれてディスカッションを行う時間を設け、受講者同士の対話を促進する。
技術的トラブルへの対策
「音声が聞こえない」「画面が固まってしまった」といった技術的なトラブルは、オンライン研修の流れを止め、受講者の学習意欲を削いでしまう大きな要因です。特にITリテラシーにばらつきがある場合、一部の受講者がついていけなくなる可能性があります。
【対策】 スムーズな運営のためには、事前の準備と当日のサポート体制が鍵となります。
- 事前の接続テスト
- 研修本番の数日前に、参加者全員に接続テストへの参加を義務付け、使用するツールやデバイス、ネットワーク環境に問題がないか確認する。
- テクニカルサポート専門スタッフの配置
- 研修中は、講師とは別に技術的な問い合わせに対応するスタッフを配置し、トラブル発生時に迅速に対応できる体制を整える。
- バックアッププランの用意
- ライブ配信と並行して研修内容を録画しておき、トラブルで参加できなかった受講者向けに後日共有できるようにしておく。
- また、ツールの障害に備え、代替のWeb会議システムの準備も検討すると万全です。
参加者間のインタラクションの制限
対面研修であれば、休憩時間や研修後の懇親会などで自然に生まれる参加者同士のネットワーキング。こうした偶発的なコミュニケーションから生まれる情報交換や一体感は、オンライン研修では得難い価値の一つです。決められたプログラムに沿って進行するオンライン研修では、雑談や横のつながりが生まれにくく、人間関係の構築が難しいというデメリットがあります。
【対策】 この課題に対しては、意図的にコミュニケーションの機会を設計する必要があります。
- バーチャル交流会の設定
- 研修の冒頭や最後に、オンラインの雑談ルームやバーチャル空間ツール(oVice、Gatherなど)を利用した任意参加の交流会を設定する。
- 自己紹介や近況報告の時間を確保
- 研修の冒頭で、ブレイクアウトルーム機能を使い、少人数で自己紹介やアイスブレイクを行う時間を設ける。
- 研修後のコミュニティ運営
- SlackやMicrosoft Teamsなどのチャットツール上に研修参加者専用のチャンネルを作成し、研修後も継続的に情報交換ができる場を提供する。
対面研修のメリットとデメリット

デジタルトランスフォーメーションが叫ばれる時代にあっても、対面研修が持つ独特の価値は色褪せることがありません。むしろ、オンラインでのコミュニケーションが日常化したからこそ、直接顔を合わせることの重要性が見直されています。
しかし、その価値を享受するためには、相応のコストと制約が伴うことも事実です。ここでは、対面研修が持つ不変の強みと、避けては通れない現実的な課題について、深く考察していきます。
直接的コミュニケーションの強み
対面研修の最大の強みは、五感を通じたリッチなコミュニケーションが可能になる点です。講師の熱量や受講者の細かな表情の変化、場の空気感といった非言語的な要素が、学習内容への理解を深め、記憶への定着を助けます。
また、グループワークにおける一体感や、困難な課題を共に乗り越えた際の達成感は、組織への帰属意識やエンゲージゲージメントを高める上で、オンラインでは再現しがたい強力な効果を発揮します。
特に、企業の理念浸透や、チームビルディングを目的とした研修においては、この直接的コミュニケーションの価値は計り知れません。
移動や施設のコスト
対面研修の明確なデメリットは、その開催に伴う物理的なコストです。オンライン研修の項で触れた通り、参加者や講師の交通費・宿泊費、研修会場のレンタル費用は、研修予算の大きな部分を占めます。
例えば、東京都内の100名規模の貸し会議室を1日借りる場合、その料金相場は20万円〜40万円程度になることも珍しくありません。これにプロジェクターや音響設備などの備品レンタル料が加わります。
さらに、研修資料を紙で配布する場合は、大量の印刷・製本コストと、それらを準備する担当者の手間もかかります。これらのコストは、研修の規模や開催地、期間が大きくなるほど増大し、経営的な観点から開催のハードルを上げる要因となります。
特に、参加者が全国、あるいは海外から集まる場合には、移動時間そのものも無視できないコスト(機会損失)となります。
状況に応じた即時対応の可能性
熟練した講師は、受講者の表情や頷きの頻度、視線の動きから、その理解度を瞬時に読み取ることができます。対面研修では、こうしたリアルタイムの反応を捉え、「少し難しかったようなので、別の例え話をしてみましょう」「この点は皆さん興味深そうなので、もう少し掘り下げてみますね」といったように、柔軟に進行を調整することが可能です。
また、グループワーク中に各テーブルを巡回し、議論が停滞しているチームにヒントを与えたり、個別の質問にその場で丁寧に対応したりできるのも対面ならではの強みです。受講者一人ひとりの状況に合わせた、きめ細やかなファシリテーションは、学習効果を最大化する上で非常に重要です。この「その場の空気」を読み取り、即座に対応できるアドリブ力こそが、対面研修の質の高さを支えています。
制限された参加者数の管理
対面研修は、会場の物理的なキャパシティによって参加できる人数に上限が生まれます。一度に多くの従業員を教育したい場合には、複数回に分けて開催する必要があり、結果的にコストと時間がかさんでしまうというデメリットがあります。
しかし、この「制限」は、見方を変えればメリットにもなり得ます。参加者数を意図的に絞ることで、講師の目が一人ひとりに行き届きやすくなり、より双方向で密度の濃い学びの場を創出できます。
例えば、次世代リーダー育成のような選抜型の研修では、あえて少人数制の対面研修とし、参加者同士や経営層との深い対話の機会を設けることが、高い効果を生む場合があります。重要なのは、研修の目的に合わせて、この「制限」をデメリットとして捉えるか、あるいは質の高い学びを実現するための「メリット」として活用するかを戦略的に判断することです。
研修様式の選択における企業の課題

オンラインと対面、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、次に考えるべきは「自社にとっての最適解は何か?」という、より戦略的な問いです。研修様式の選択は、単なる手法の選択にとどまらず、企業文化や従業員のニーズ、事業戦略そのものと深く関わっています。ここでは、多くの企業が研修様式の選択において直面する、より本質的な課題について掘り下げ、その解決の糸口を探ります。
企業文化と研修様式の適合性
研修は、企業文化を映し出す鏡であり、また、文化を醸成する強力なツールでもあります。例えば、協調性やチームワークを重んじ、社員同士のウェットな関係性を大切にする文化の企業であれば、対面での集合研修が持つ一体感を醸成する機能は非常に重要です。一方、個人の自律性を尊重し、成果主義を徹底する文化の企業であれば、時間や場所に縛られず、個人のペースで学べるオンライン研修の方が、従業員に受け入れられやすいかもしれません。
無理に文化と合わない研修様式を導入すると、従業員から「うちの会社らしくない」「やらされ感がある」といった反発を招き、せっかくの研修が形骸化してしまう恐れがあります。自社の企業文化(あるいは、これから目指すべき文化)と、選択する研修様式がフィットしているか、という視点を持つことが、研修を成功させるための第一歩です。研修を通じて、どのような組織文化を築きたいのかを明確にすることが、最適な様式選択の羅針盤となります。
従業員のニーズと期待に応える方法
研修の主役は、言うまでもなく従業員です。彼らが何を学びたいのか、どのような学習スタイルを好むのかを無視して、効果的な研修は成り立ちません。特に、デジタルネイティブであるZ世代やミレニアル世代は、従来の画一的な集合研修よりも、動画コンテンツやモバイル学習など、自分のスタイルに合わせて学べるオンラインの手法を好む傾向があります。
これらの多様なニーズに応えるためには、定期的なアンケート調査やヒアリングを通じて、従業員の声に耳を傾けることが不可欠です。「会社が提供したい研修」と「従業員が受けたい研修」のギャップを埋める努力が、学習意欲と研修効果を高める上で極めて重要になります。
規模や分野に応じた最適化戦略
「全ての研修をオンライン化する」「やはり基本は対面だ」といった画一的な方針は、多くの場合、最適解とは言えません。企業規模や事業内容、職種によって、求められる知識やスキルは大きく異なります。効果的な研修ポートフォリオを組むためには、研修の目的や内容に応じて、オンライン、対面、そしてハイブリッドを戦略的に使い分ける「最適化」の視点が求められます。
例えば、以下のような切り分けが考えられます。
- 全社共通の基礎知識(コンプライアンス、理念など)
- 全員が受講必須のため、効率性を重視しオンライン(オンデマンド型)で実施。
- 新人研修
- 社会人としての基礎や企業文化への適応を促すため、対面での集合研修を軸に、事前学習としてオンラインコンテンツを組み合わせる(ハイブリッド)。
- 専門スキル研修(技術職、マーケティングなど)
- 最新知識のインプットはオンラインで効率的に行い、実践演習や事例共有は少人数の対面ワークショップで深める(ハイブリッド)。
- 管理職向けリーダーシップ研修
- 多様な部下との向き合い方など、ケーススタディやロールプレイングが中心となるため、対面での実施を優先する。
このように、研修テーマごとに最適な提供形態をマッピングし、戦略的に配置することが重要です。
リソース配分の計画
研修担当者が常に頭を悩ませるのが、予算、人員、時間といった「有限なリソース」の配分です。対面研修には多額のコストがかかりますが、その分高い効果が期待できるかもしれません。オンライン研修はコストを抑えられますが、効果測定が難しく、投資対効果(ROI)が見えにくいという側面があります。
重要なのは、限られたリソースを、最もインパクトの大きい領域に集中投下するという考え方です。全社的な課題解決に直結する研修や、将来の事業を担うコア人材の育成には、コストをかけてでも質の高い対面研修やハイブリッド研修を実施する。一方で、定型的な知識習得については、オンライン化によって徹底的にコストと工数を削減する。こうしたメリハリのあるリソース配分計画を立て、経営層に対してその戦略的な意図を明確に説明することが、予算を獲得し、研修施策を成功に導くための鍵となります。
効果的な研修計画の構築方法

最適な研修様式を選択するだけでは、研修の成功は保証されません。その効果を最大化するためには、戦略に基づいた緻密な計画と、実行後の丁寧なフォローアップが不可欠です。ここでは、研修を「やりっぱなし」のイベントで終わらせず、個人の成長と組織の成果に結びつけるための、具体的で実践的な計画構築のステップを解説します。
事前調査とニーズ分析
効果的な研修計画の出発点は、現状を正確に把握することから始まります。これは、研修開発モデルの国際標準である「ADDIEモデル」における最初のステップ「分析(Analysis)」に相当します。なぜ研修が必要なのか、研修を通じて解決したい経営課題や現場の課題は何かを明確にするプロセスです。
具体的な分析手法としては、以下のようなものが挙げられます。
- アンケート調査
- 全従業員や特定の部門を対象に、現在のスキルレベルや学習ニーズに関するアンケートを実施する。
- インタビュー
- 経営層、管理職、現場のハイパフォーマーや若手社員など、様々な階層の従業員に直接ヒアリングを行い、課題意識や期待を深掘りする。
- 業績データの分析
- 部門ごとの業績や、顧客満足度、従業員エンゲージメントサーベイの結果など、客観的なデータから課題の仮説を立てる。
この分析を通じて、「誰に」「何を」「なぜ」学んでもらう必要があるのか、研修のターゲットとゴールを明確に定義することが、計画全体の土台となります。
目標設定と評価基準の確立
ニーズ分析で明らかになった課題に基づき、研修の具体的な目標を設定します。この際、曖昧な目標ではなく、測定可能で具体的な目標を立てることが重要です。研修効果測定のフレームワークとして世界的に広く用いられているのが、「ドナルド・カークパトリックの4段階評価モデル」です。
- レベル1:反応(Reaction)
- 受講者が研修にどれだけ満足したか。
- 評価方法:研修直後の満足度アンケート(内容の分かりやすさ、講師の質など)。
- 受講者が研修にどれだけ満足したか。
- レベル2:学習(Learning)
- 受講者が知識やスキルをどれだけ習得したか。
- 評価方法:理解度テスト、レポート提出、ロールプレイングでのスキルチェック。
- 受講者が知識やスキルをどれだけ習得したか。
- レベル3:行動(Behavior)
- 受講者の行動が研修後にどう変化したか。
- 評価方法:研修から数ヶ月後の本人および上司へのアンケート・インタビュー、行動観察。
- 受講者の行動が研修後にどう変化したか。
- レベル4:結果(Results)
- 受講者の行動変容が、組織の成果にどう貢献したか。
- 評価方法:生産性の向上、売上向上、解約率の低下、顧客満足度の改善など、業績指標との相関分析。
- 受講者の行動変容が、組織の成果にどう貢献したか。
計画段階で、この4つのレベルそれぞれで「何を」「どのように」測定するのかを具体的に設計しておくことが、研修の投資対効果(ROI)を可視化し、次回の改善につなげるために不可欠です。
参加者のモチベーション向上方法
どんなに素晴らしい研修プログラムを用意しても、参加者本人に「学びたい」という意欲がなければ効果は半減してしまいます。参加者の内発的なモチベーションを引き出すための仕掛けを、計画に組み込むことが重要です。
- WIIFM(What's In It For Me?)の明確化
- 研修の募集や案内の段階で、「この研修を受けると、あなたにこんないいことがあります(例:業務の効率が上がる、キャリアアップにつながる)」というメリットを具体的に伝える。
- 上司からの働きかけ(マネジメント・バイイン)
- 研修前に、参加者の上司から「君のこの部分の成長を期待して、この研修に参加してもらう。頑張ってきてほしい」といった期待を伝えてもらう。研修後の実践をフォローする上でも、上司の協力は不可欠です。
- ゲーミフィケーションの活用
- 学習の進捗に応じてバッジを付与したり、チームでスコアを競ったりと、ゲームの要素を取り入れることで、楽しみながら学習に取り組む意欲を促進する(特にオンライン研修で有効)。
- 学習コミュニティの形成
- 参加者同士が学びや悩みを共有できる場(オンラインフォーラムなど)を用意し、孤独に学習させない環境を作る。
実施後のフォローアップ
研修は、実施して終わりではありません。学んだ知識やスキルが現場で実践され、定着して初めて「成功」と言えます。研修で得た「気づき」の熱量が冷めないうちに、継続的なフォローアップを行う仕組みを計画に盛り込みましょう。
- アクションプランの作成と共有
- 研修の最後に、学んだことを明日からどう活かすか、具体的な行動計画(アクションプラン)を立てさせ、上司や同僚と共有する機会を設ける。
- 定期的なリマインドと実践報告
- 研修後、1ヶ月後、3ヶ月後といったタイミングで、アクションプランの進捗を報告する場(オンラインでの短いミーティングなど)を設定する。
- フォローアップ研修の実施
- 本研修から数ヶ月後に、実践してみての課題や成功事例を共有するフォローアップ研修(オンラインまたは対面)を実施し、学びをさらに深める。
- メンター制度との連携
- 研修で学んだスキルを実践する上で、先輩社員がメンターとしてサポートする体制を整える。
これらの地道なフォローアップこそが、研修という「点」の投資を、組織の持続的な成長という「線」の成果へとつなげるための最も確実な方法なのです。
オンライン研修の導入にWisdomBase
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1. わかりやすいUIと統合型の運用機能
コースの作成、進捗管理、成績の確認までをすべてWeb上で完結。受講者も管理者も迷わない画面設計で、初日からスムーズな運用が可能です。結果として、受講率の向上と管理業務の効率化が同時に叶います。
2. あらゆる教材形式に対応した柔軟性
動画、PDFなど、幅広いコンテンツ形式を簡単にアップロード可能。インタラクティブな教材作成もスムーズに行えるため、最新のトレンドに即した学習体験をスピーディーに提供できます。
3. カスタマイズとサポートで企業研修を強力に支援
導入後も、経験豊富な専任スタッフがオンラインで継続支援。トラブル対応はもちろん、権限の細かな設定もお任せいただけます。事業の成長に応じたスケールアップも柔軟に対応可能です。
4. 学習状況の可視化と継続的な改善
ダッシュボード上で受講データやテスト結果をリアルタイムに分析。得られた学習データをもとに教材の改善が行えるため、研修効果を継続的に向上させることができます。これにより、教育コストの最適化とスキル向上の両立が可能になります。
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WisdomBaseなら、運用のしやすさと学習効果の両立を実現できます。
「社内教育をもっと効率的にしたい」「自社に合ったLMSを探している」とお考えの方は、ぜひ資料請求やお問い合わせフォームからご相談ください。
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