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法定研修をオンライン化する方法|要件・注意点とLMS選びを解説

はじめに

法定研修は、労働安全衛生法や介護保険法など、法律や行政の指針によって実施が義務付けられている研修です。従来は対面の集合研修が主流でしたが、近年はDX推進やデジタル化の流れを背景に、国がeラーニングやオンライン研修の活用を認め、推進する動きが強まっています。

これにより、場所や時間に制約されずに受講できる「オンライン化」が現実的な選択肢となり、多くの企業・団体で導入が進んでいます。

本記事では、法定研修をオンライン化する際の注意点や必要となるLMSの機能、導入事例、さらに実際の進め方についてわかりやすく解説します。

法定研修とは?なぜオンライン化が注目されているのか

法定研修には多くの種類があり、業種や職種ごとに受講が義務付けられています。ここでは代表的な研修の例を挙げたうえで、従来の集合研修が抱えていた課題、そしてオンライン化によって得られる効果について整理します。

代表的な法定研修の例

法定研修と一口に言っても、その内容は業種や職種によって大きく異なります。安全衛生に関わるものから、介護や看護、食品衛生、運輸業界の研修まで多岐にわたります。

具体的には、職長教育や安全衛生特別教育、介護施設の認知症、認知症ケアに関する研修等、訪問看護の高齢者虐待防止、ハラスメント対策、BCP(業務継続計画)などに関する研修等、貨物軽自動車安全管理者講習など、幅広い分野で必須とされています。

集合研修の課題

従来の集合研修は、会場や日程の調整、交通費や移動時間の負担が大きく、管理者にとっては受講台帳や修了証の発行業務が煩雑になりがちでした。

特に多拠点展開やシフト制を持つ企業では、全員の受講を公平に担保するのが難しいという課題があります。

オンライン化で期待できる効果

こうした課題を背景に、国がeラーニングの活用を認める方針を示したことで、オンライン化は大きな注目を集めています。

オンライン化により、従業員は都合の良い時間に学習でき、管理者は進捗や修了状況をシステムで一元管理できます。結果として、効率化と法令遵守の両立が可能になります。

法定研修をオンライン化する際の注意点

法定研修をオンラインで行う場合、単に動画を配信するだけでは不十分です。受講者本人が確実に学習したと説明できる仕組みや、修了証・受講台帳などの証跡を整備する必要があります。

ここでは、実務で特に注意すべきポイントを整理します。

オンライン化が法令で認められる範囲

オンライン化の可否は研修の内容によって異なります。学科部分はeラーニングで認められることが多い一方、実技や討議は対面で実施しなければならないケースもあります。例えば、建設業の安全衛生特別教育では学科はオンライン可ですが、実技は現場で実施する必要があります。

自社で対象となる研修ごとに、厚労省や所管官庁の通知やガイドラインを確認し、適切に組み合わせることが求められます。

本人確認の必要性

オンライン化における必須要件は、受講者本人が確実に学習したことを確認できる本人確認機能です。

アカウントごとにログの記録や、二要素認証などを組み合わせる方法があります。さらに運転免許証と顔認証を組み合わせたeKYCサービスと連携し、本人確認をより強固にする事例もあります。

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受講時間・在席確認

本人受講が必須の法定研修では、受講時間や在席の確認も欠かせません。動画を再生するだけで完了扱いにするのは不十分で、実際に受講者が画面の前にいることを確認できる仕組みが必要です。

動画のスキップや倍速再生の制限、タブ離脱検知、離席による動画の自動停止などがあります。監査や実地指導の際に「きちんと学習が行われた証拠」として活用できます。

修了証や受講台帳の整備

法定研修は修了証や受講履歴の提示を求められるケースが一般的です。LMSを利用すれば、受講完了時に自動で修了証を発行し、受講者ごとの台帳を一元管理できます。

オンライン化に必要なLMSの機能

法定研修をオンラインで行う場合、動画配信機能に加えて、本人確認や受講時間の管理、修了証の発行といった「法令遵守と監査対応」に直結する機能を備えたLMSが必要です。

ここでは特に重要な機能を整理します。

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本人確認機能

受講者が本人であることを担保する仕組みは必須です。アカウントの一意性を確保したうえで、ログイン時のログ保存、二要素認証(MFA)、運転免許証と顔認証を組み合わせるeKYCサービスとの連携も有効です。

受講時間のログ・進捗管理

受講開始・終了の時刻や、途中で離席していないかを確認する仕組みが必要です。スキップ禁止や倍速再生の制限やタブ離脱検知、在席確認ポップアップを組み合わせ、実際の学習時間を正確に記録できるLMSが望まれます。

また、受講者単位で受講履歴を管理できるため、受講台帳の保管義務にも対応できます。

テストやレポート提出

学習内容の理解度を測る仕組みも欠かせません。選択式のテストはもちろん、記述式のレポート提出や課題の提出機能を備えることで、知識定着の確認や修了条件を明確にできます。

これにより、研修の質を高め、形式的な受講に終わらせない効果があります。

修了証の自動発行

受講完了後に自動で修了証を発行し、誰が・いつ・どの研修を修了したのかを証明できます。PDF出力が可能で、監査や実地指導時にそのまま提示できる仕組みが整っていることが望まれます。

リマインド通知・期限管理

法定研修は定期的な受講が義務付けられているケースが多いため、受講期限の管理とリマインド通知機能が重要です。メールやチャットツールと連携し、未受講者に自動で通知を送ることで「受講漏れゼロ」を実現できます。

バージョン管理・教材更新履歴

法令やガイドラインが改正されると、教材の更新が必要になります。LMS上で教材のバージョンを管理し、「どの受講者がどの版の教材を受講したのか」を追えるようにしておくことで、後からの監査や内部検証にも対応できます。

実際に導入されているオンライン法定研修の事例

法定研修は従来集合形式で行われることが多かったものの、行政の方針や業界団体のガイドラインにより、オンラインやeラーニングを活用できる範囲が広がっています。ここでは代表的な分野ごとに、オンライン化が進んでいる研修の事例を紹介します。

介護・看護分野

介護事業所では認知症、認知症ケアに関する研修等が義務付けられており、eラーニングによる実施が広がっています。訪問看護ステーション向けには、従業員が勤務時間外や空き時間に学べる形でのオンライン提供が増えており、管理者の進捗確認や修了証発行もシステム上で可能になっています。

当社が提供するWisdomBaseは、訪問看護の法定研修サービスでの導入実績がございます。記事の後半で解説しますが、事例インタビューもよろしければご覧ください。

URL: 事例記事はこちら

建設・製造分野

建設業の安全衛生特別教育や職長教育では、学科部分をeラーニングで行い、実技は現場で実施するハイブリッド方式が認められています。これにより受講者は場所や時間を選ばず学習でき、企業は全員受講の徹底と効率化を両立できるようになっています。

運輸分野

運行管理者講習や貨物軽自動車安全管理者講習は、eラーニングによる受講が可能です。全国に拠点を持つ運送会社でも、ドライバーが勤務の合間にオンラインで研修を受けられるようになり、業務を止めずに法定要件を満たせるようになりました。

法定研修オンライン化の導入ステップ

法定研修をオンライン化する際は、これまで集合形式で実施してきた研修を基盤に、どの部分をオンライン化できるかを見極め、運用体制を整えることが重要です。以下では、導入までの主なステップを順を追って解説します。

研修内容の見直しとオンライン化の判断

現在集合研修で実施している内容を整理し、オンライン化できる部分と集合形式が必要な部分を切り分けます。建設業の安全衛生教育では「学科はオンライン可・実技は対面必須」とされるように、分野ごとに基準は異なります。国や業界団体のガイドラインを参照し、自社に適した運用方法を検討しましょう。

LMSの要件整理

本人確認機能、受講時間のログ管理、修了証の自動発行、教材のバージョン管理など、法定研修に求められる要件を明確化します。

特に「監査対応に必須の機能」と「業務効率化に役立つ機能」を区別して整理しておくと、システム選定がスムーズに進みます。

導入コストと補助金の検討

LMS導入や研修コンテンツのオンライン化には一定のコストがかかります。運用規模に応じて費用対効果を検討するとともに、IT導入補助金 の活用可否を確認しましょう。

IT導入補助金は中小企業や小規模事業者のシステム導入費用を支援する制度で、対象ベンダー経由で申請可能です。最新情報を確認し、導入負担を軽減できるか検討すると安心です。

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試験運用から本運用へ

いきなり全社導入するのではなく、一部の拠点や職種で試験運用を行い、現場からのフィードバックを収集します。その結果をもとに改善を重ねたうえで全社展開することで、混乱を最小限に抑えながら円滑な定着を図ることができます。

法定研修のオンライン化に強いLMS「WisdomBase」

wisdombase https://wisdombase.share-wis.com/online-training-lp

法定研修をオンライン化する際には、本人確認機能や受講ログの管理、修了証の自動発行といった「証跡を残す仕組み」が欠かせません。WisdomBaseは、これらの要件に対応したLMSとして事業者に利用されています。

法定研修オンライン化の事例

例えば、訪問看護ステーション向けに研修サービスを提供する 株式会社eWeLLさま では、WisdomBaseを活用した「iBow e-Campus 訪問看護 法定研修編」を運用しています。

その結果、従来手作業で行っていた受講証明書発行業務がほぼゼロとなり、管理負担が大幅に軽減されました。

URL: 事例記事はこちら

法定研修のオンライン化を検討されている方は相談を受け付けています。詳細な機能要件についてしっかりヒアリングし、最適なご提案いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

法定研修のオンライン化は、業務効率化と法令遵守を両立できる有効な手段です。ポイントは、ガイドラインに沿った範囲を正しくオンライン化し、本人確認・受講ログ管理・修了証発行といった証跡を残せる仕組みを整えることにあります。

そのためには、一般的な動画配信システムではなく、法定研修の要件に対応したLMSを導入することが不可欠です。実際にWisdomBaseを活用して業務効率化とガバナンス強化を実現している事例もあり、オンライン化はすでに現実的な選択肢となっています。

自社の状況に合わせた最適な仕組みを導入するために、まずは 資料ダウンロード で詳細情報をご確認ください。導入の可否や具体的な運用方法について不安がある場合は、お気軽にご相談ください。