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Webテストを作成する方法|無料ツールから本格システムまで比較

はじめに

「採用試験を紙で実施して集計に追われている」「Googleフォームで作ったテストでは不正防止や分析が不十分」そんな悩みを抱えていませんか。

近年、企業の人事・研修部門や教育機関、資格試験団体の間で、効率化と信頼性向上のためにWebテストの導入が進んでいます。とはいえ、Googleフォームのような無料ツールで十分なのか、それとも専用システムを導入すべきか迷う担当者も多いでしょう。

本記事では、Webテスト作成の背景や活用シーン、必要な機能やサービス比較、導入手順と成功のポイントを体系的に解説します。

企業や教育現場でWebテストを導入する背景と活用シーン

なぜ今、多くの組織がWebテストに切り替えているのでしょうか。

背景には、紙やExcelでは対応しきれなくなった運営の負担や、受験者の多様化といった現実的な課題があります。採用・研修・教育・資格試験など、それぞれの現場で必要とされる理由は少しずつ異なりますが、共通しているのは「効率化」と「公平性」を両立したいというニーズです。ここからは、Webテスト導入が進む背景と実際の活用シーンを見ていきましょう。

Webテスト導入が進む背景

Webテストの導入が広がる背景には、大きく三つの理由があります。

まず一つ目は、働き方改革やDX推進に伴うオンライン化です。リモートワークやオンライン授業が普及し、試験も「いつでも・どこでも受けられる仕組み」が求められるようになりました。これまで会場に集めて一斉に行っていたやり方では対応しきれない状況が増えています。

次に、採点や成績管理を効率化したいというニーズがあります。紙やExcelによる試験運営では、採点や集計に多くの人手と時間がかかります。Webテストなら自動採点や結果の一元管理が可能になり、担当者の負担を大幅に削減できます。

最後に、受験者の多様化に合わせた柔軟な対応です。全国に拠点を持つ企業や、多忙な社会人を対象とする資格試験では、会場型の試験だけでは不便です。Webテストであれば、自宅や職場からでも受験でき、受験機会を平等に提供できます。

Webテストが活用される主なシーン

こうした背景から、Webテストはさまざまな現場で導入が進んでいます。代表的な活用シーンを見てみましょう。

  • 採用試験(新卒・中途):応募者が自宅から受験できるため利便性が高まり、採点や結果分析も自動化できます。企業にとっては選考スピードを上げられるメリットがあります。
  • 社内研修・昇格試験:研修の理解度確認や昇格判定にWebテストを活用することで、教育効果を数値化でき、人事評価の客観性を高められます。
  • 教育機関での学習評価:小テストや定期試験をWeb化することで、学習履歴をデータとして蓄積できます。これにより、生徒一人ひとりの学習状況を把握しやすくなり、指導の改善につなげられます。
  • 認定試験・検定試験の運営:全国規模で実施する試験でも、オンライン化により効率的かつ公平に運営可能です。監視機能や不正防止対策を組み合わせることで、信頼性も確保できます。

GoogleフォームでWebテストはできるのか?

Webテストを検討するとき、まず思いつくのがGoogleフォームです。無料で使える手軽さから試しやすい選択肢ですが、本格的な試験に使うには制約もあります。ここではGoogleフォームでできることと、そのメリット・限界を整理してみましょう。

Googleフォームでできること(「テストにする」機能)

Googleフォームには設定で「テストにする」という項目があり、択一式や記述式の問題を出題できます。正解を設定しておけば自動採点が可能で、点数もリアルタイムに集計されます。

さらに、回答データはGoogleスプレッドシートと連携できるため、集計や分析も比較的容易です。設問や選択肢をランダムに表示する機能も備わっており、回答者ごとに出題順を変えることもできます。

Googleフォームのメリット

最大のメリットは「無料で使えること」と「操作がシンプル」な点です。Googleアカウントさえあれば誰でも利用でき、専門知識がなくてもテストを作成できます。

また、URLを共有するだけで受験者がアクセスできるため、小規模な確認テストやアンケート的な利用に適しています。

Googleフォームの限界

一方で、Googleフォームには限界もあります。標準機能には高度な不正防止機能がなく、ブラウザを閉じたり別のタブを開いたりしても検知できません。

本人確認の仕組みも備わっていません。問題バンクからランダムに出題するような高度な機能はなく、複数セクションや分岐設定で疑似的に実現するしかありません。また、大規模な試験運営や厳密な監督を求められるケースには不向きです。

なお、Chromebook限定で「ロックモード」を利用すれば、タブ切り替えやスクリーンショットを制限できますが、利用環境は限られます。
参照URL:クイズでロックモードを使用する

Googleフォームが向いているケース

以上を踏まえると、Googleフォームはあくまで「小規模で簡易的なWebテスト」に向いています。例えば、授業後の理解度チェックや社内研修の確認テスト、クイズ形式のアンケートなどです。

一方で、採用試験や認定試験など、公正性や不正防止が強く求められるケースでは、専用のWebテストシステムを検討する必要があります。

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Webテスト作成で必要な基本機能

Webテストを本格的に運営するには、ただ問題を出して答えてもらうだけでは不十分です。公平性や利便性を確保し、効率的に運営できる仕組みが欠かせません。

ここでは、導入を検討する際に最低限押さえておきたい基本機能を紹介します。

問題形式(択一式・記述式・動画/画像付き)

Webテストの基本となるのが問題形式の多様さです。単純な択一式だけでなく、複数選択、記述式、穴埋め問題などに対応しているかを確認しましょう。

さらに、画像や動画を設問に組み込めると、実技に近い問題やケーススタディ形式の問題を出題でき、幅広い用途に活用できます。

自動採点と成績分析

採点や集計を自動化できるのはWebテストの大きな利点です。特に択一式や記述式の短答問題では自動採点に対応していると、運営の手間を大幅に削減できます。

また、得点データを自動でグラフ化したり、受験者ごと・設問ごとに分析できる機能があると、理解度や傾向を把握しやすくなります。

制限時間や受験回数の設定

試験を公平に実施するうえで、制限時間や受験回数を設定できるかどうかは欠かせない要素です。Webテストでも同じように、試験全体や各設問ごとに制限時間を設定できる機能が求められます。

時間設定が柔軟に行えることで、簡易的な確認テストから本格的な資格試験まで幅広く対応可能になります。

またお試し受験のように何度でも受験可能な試験と1回毎に受験料が発生する試験があると思います。受験回数が設定できる点も重要です。

用途に合わせて「一回限り」「再受験は○回まで」といった制御ができるシステムが理想的です。

不正受験防止(ブラウザ制限・本人確認・監視機能)

試験の公平性を保つには、不正防止の仕組みが重要です。代表的なのは「ブラウザロック」や「コピー・スクリーンショットの制限」などの機能です。

また、試験開始時に本人確認を行ったり、カメラを利用して受験中の様子を監視できる仕組みを備えたシステムもあります。採用試験や認定試験では特に欠かせない機能です。

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問題ランダム化・問題バンク運用

同じ問題を全員に出すと、不正共有のリスクが高まります。そのため、多くのWebテストシステムには「問題ランダム化」や「問題バンク運用」の機能があります。大量の問題を登録しておき、その中からランダムに出題することで、受験者ごとに異なるテストを生成できます。これにより、不正防止だけでなく、出題の公平性を高めることも可能です。

Webテスト作成ツール・サービスの種類

Webテストを実施する方法は大きく「無料ツール」「有料の専用システム」「外部サービスによる試験運営」の3つに分けられます。それぞれの代表的なサービスを紹介します。

無料で使えるサービス

簡易的にWebテストを実施するなら、まずは無料ツールを利用すると良いでしょう。運用するにあたって足りない機能があれば有料版を検討します。

Googleフォーム

Googleが提供する無料ツール。設問の作成や自動採点、スプレッドシートでの集計が可能。設問や選択肢のランダム化にも対応しており、小規模な確認テストやアンケート形式の利用に向いています。

URL: https://workspace.google.com/intl/ja/products/forms/

QuizGenerator

オンラインで利用できる無料のクイズ作成サービス。問題のシャッフルや制限時間の設定など、Googleフォームよりもテストに特化した機能を備えています。教育機関や研修現場でも活用されることがあります。

URL: https://quizgenerator.net/

本格的な試験を実施できる有料システム

受験者はPCやスマートフォンから受験が可能です。無料のツールとは違い、細かい試験の設定ができたり、不正防止機能がついていたりと、有料ならではの柔軟な対応が可能です。

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WisdomBase

昇進試験や認定試験など無料ツールでは対応が難しい試験に柔軟に対応できるオンライン試験システム。問題バンク、受験者管理、合格書発行、不正防止を含む試験運営機能を網羅しています。LMS連携や動画問題にも対応し、研修や検定制度の運営に広く利用されています。

URL: https://wisdombase.share-wis.com/

スマート入試

2つのカメラと7種類のAIによる高度な不正監視を備え、本人認証や替え玉防止、視線検知などを実現するオンライン試験システムです。ソフトウェアのインストール不要で、PCやスマートフォンから受験できる点が特徴です。

URL: https://smarte.jp/

試験運営まで依頼できる外部サービス

システム提供から運用代行までまるっと試験の業務を委託することが可能です。

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CBTソリューションズ

全国のテストセンターを活用し、受験申込から合否通知までを一括でサポート。会場でのCBT(コンピュータ試験)だけでなく、オンラインIBTや紙試験(PBT)にも対応。試験事務局やコールセンター業務のアウトソース、データ分析など、包括的な試験運営支援を提供しています。

URL: https://cbt-s.com/

プロメトリック

世界規模で展開する試験運営サービス。IT・医療・金融など幅広い試験を実施し、日本国内にも多数のテストセンターを保有しています。会場受験型のCBTに加え、遠隔監視付きIBT「ProProctor」を提供し、自宅やオフィスから安全に受験可能です。試験予約、受験料決済、試験実施、採点、結果通知、データ分析までをワンストップで支援し、大規模試験の安定運営を実現します。

URL: https://www.prometric-jp.com/

サービス比較一覧

カテゴリー サービス名 特長
無料ツール Googleフォーム 無料・手軽、小規模テストやアンケートに最適
無料ツール QuizGenerator シャッフルや制限時間などテスト向け機能を備えたWebサービス
有料システム WisdomBase 問題バンク・受験者管理・不正防止機能を備えた多機能システム
有料システム スマート入試 AI×カメラで高度な不正監視、入試・認定試験向け
外部サービス CBTソリューションズ 全国会場・IBT・PBTに対応、試験事務局業務まで包括的に支援
外部サービス プロメトリック 世界規模の試験センター網と遠隔監視付きIBTを併せ持つ総合試験運営

Webテスト導入の流れ

実際にWebテストを導入するとなると、「システムを契約すればすぐに運用できるのか?」と考えてしまいがちですが、実際にはいくつかの準備段階を踏む必要があります。

目的に応じたシステム選定から、テスト設計、運用テスト、本番実施、そして結果の活用まで、計画的に進めることでトラブルを減らし、導入効果を最大化できます。ここでは導入の一般的な流れを4つのステップに分けて解説します。

1.要件定義と目的の整理

まずは「何のためにWebテストを導入するのか」をはっきりさせましょう。採用試験、研修の理解度確認、昇格試験、資格試験など、用途によって必要となる機能やセキュリティレベルは大きく異なります。

例えば、研修の小テストであれば自動採点と基本的な集計機能があれば十分ですが、採用試験や認定試験では本人確認や不正防止機能が必須です。

受験者数(数十人規模か数千人規模か)、試験の実施頻度(単発か継続か)、運営にかけられる人的リソースなどを整理しておくことで、システム選定の指針が明確になります。

2.テスト設計(問題作成・合格基準設定)

次に、試験自体の設計に入ります。問題をどのような形式で出題するのか(択一式・記述式・事例問題など)、どの程度の難易度に設定するのか、合格基準をどう設けるのかをあらかじめ決めておきましょう。

特に重要なのが、問題の質を保つためのレビュー体制です。問題数をむやみに増やすことよりも、設問の内容が誤解を招かないか、最新情報に基づいているかを定期的に確認することが大切です。

誤字脱字や表現の曖昧さが残っていると、受験者からの不満や信頼性の低下につながるため、複数人でのチェック体制を整えておくと安心です。

3.パイロット運用と改善

本格運用に入る前に、小規模なパイロット試験を実施するのがおすすめです。対象者を絞って受験してもらい、システムの操作性や問題文の分かりやすさ、不具合の有無を確認しましょう。

実際に運用してみると、「制限時間がわかりにくい」「スマートフォンでの表示が見づらい」「通知メールが迷惑メールに入ってしまう」など、予想外の課題が見つかることがあります。

こうしたフィードバックを早い段階で拾い、改善につなげることで、本番でのトラブルを最小限に抑えることができます。

4.本番運用と結果活用

準備が整ったら本番運用に進みます。実施当日は、操作マニュアルをあらかじめ配布したり、問い合わせ窓口を設けておくと安心です。

特に大規模試験の場合は、アクセス集中によるサーバー負荷を見越し、提供ベンダーに対応策を確認しておくことも重要です。

試験後は、結果をただ合否判定に使うだけではもったいありません。得点分布を分析すれば試験の難易度や設問の妥当性を検証できますし、研修テストであれば受講者ごとの理解度を可視化することで教育内容の改善に直結します。資格試験では、正答率の傾向をデータとして蓄積することで、将来の出題方針や難易度調整にも役立ちます。

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Webテスト作成を成功させるポイント

Webテストを導入したものの、「思ったより運営が大変だった」「受験者から不満が出てしまった」という声も少なくありません。システムの機能だけでなく、受験者の体験や運営フローを意識することが成功のカギになります。ここでは導入時に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

【お役立ち資料】 wisdombase.share-wis.com

受験者にとって分かりやすいUI設計

どれだけ機能が豊富でも、受験者が迷ってしまう画面設計ではテストの信頼性が下がります。

ボタンの配置や操作方法が直感的であること、制限時間や残り時間が明確に表示されることなど、受験者目線での使いやすさを確認しましょう。スマートフォンやタブレットでの受験も想定し、レスポンシブ対応がされているかどうかも重要です。

運営側の工数削減を意識した機能選び

Webテストは「自動採点できるから便利」と思われがちですが、実際には試験準備や結果管理など運営側の工数が多く発生します。

問題の一括登録機能や自動レポート出力、受験者への通知メール配信など、運営者の手間を減らせる仕組みが整っているかを確認しましょう。運営リソースが限られる場合ほど、効率化につながる機能の有無が成否を分けます。

セキュリティと個人情報保護の確認

試験は受験者の成績や個人情報を扱うため、セキュリティ対策が十分かどうかは欠かせないチェックポイントです。

通信の暗号化、データの保存場所、アクセス制御の仕組みなどを事前に確認しましょう。また、不正防止機能の強化だけでなく、個人情報の取り扱いルールやプライバシーポリシーが明確に整備されているかも重要です。

本格的なWebテストを実施するならWisdomBase

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ここまで解説してきたとおり、採用試験や資格試験などでは「不正防止」「公平性」「効率的な運営」が欠かせません。無料ツールではどうしても限界があり、専用の試験システムが必要になります。

私たちシェアウィズが提供する WisdomBase は、そうしたニーズに応えるために開発されたオンライン試験システムです。問題作成・受験者管理・自動採点・結果分析に加え、カメラ監視やコピー防止、画面切り替え制御といった不正対策まで幅広く対応しています。

さらに、LMSとの連携や動画を活用した問題作成も可能で、研修とテストを一体的に運用したい企業や団体にも活用いただけます。クラウド型のため導入もスムーズで、小規模な研修から数千人規模の資格試験まで柔軟に対応できます。

「もっと詳しく知りたい」「自社のケースに合うか確認したい」という方は、ぜひ下記から資料をダウンロードいただければ幸いです。運用イメージを具体的に掴んでいただけるはずです。

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まとめ

Webテストは、採用試験や研修、教育機関での学習評価、資格試験など、幅広い場面で活用できる仕組みです。Googleフォームのような無料ツールでも簡易的に実施できますが、本格的な試験運営では不正防止や結果分析などの機能が欠かせません。

導入の流れとしては、まず目的や要件を整理し、試験設計を行い、パイロット運用を経て本番実施へと進めるのが理想です。結果を合否判定だけで終わらせず、教育改善や採用基準の見直しなどに活かすことで、Webテストの価値を最大限に引き出せます。

もし「公平で信頼性の高いWebテストを運営したい」とお考えでしたら、当社が提供する WisdomBase をぜひご検討ください。小規模な研修から大規模な資格試験まで、幅広いニーズに対応できる柔軟なシステムです。