オンライン試験マガジン

オンライン試験マガジンは、IBTや試験の運用法などオンラインテストに関するノウハウや最新情報を発信するWebメディアです。試験に強いLMSであるWisdomBaseを提供している株式会社シェアウィズが運営しています。

オンライン試験のやり方を解説!メリット・費用・成功事例をご紹介

「オンライン会議」「オンライン授業」「オンライン展示会」など、オンラインを利用する機会が増えた方は多いのではないでしょうか?

試験や検定についても同様。自宅や職場などインターネット環境のある場所で受験する「オンライン試験」が普及しています。

そろそろ試験のオンライン化を視野に入れてみようかと考えている方に、オンライン試験のメリットやデメリット、オンライン試験のやり方、システムの価格、成功事例などを紹介します。

オンライン試験とは

「オンライン試験」とは、受験者が自宅や職場などインターネット環境のある場所から、パソコンやスマートフォンなどの端末を使い、受験できる試験のことです。

オンライン試験は2つの方式に分けられます。

1つ目は、会場に受験者が集まり、用意されたパソコンから受験するCBT (Computer Based Test) 。2つ目は、自宅などインターネット環境のある場所から、個人が所有するパソコンやスマートフォンなどの端末を使い受験するIBT (Internet Based Test) です。

今回は後者のIBT方式に焦点を当てたオンライン試験について解説します。

CBTとIBTについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

オンライン試験のメリット

オンライン試験を実施するメリットは何でしょうか?

以下の4つが挙げられます。

  • 全国どこからでも受験できる
  • 試験実施に伴う作業が軽減できる
  • 人件費や資材費、会場設営費などのコストを削減できる
  • オンラインならではの出題形式が利用できる

それぞれ詳しく解説します。

メリット [1] 全国どこからでも受験できる

会場から遠方に住んでいる受験者にとっては、会場までの移動が受験のネックとなる場合があります。会場までのアクセスの悪さ、移動時間や交通費、宿泊費を考えると、試験の申し込みへのハードルは上がるでしょう。

オンライン試験であれば、インターネット環境のある場所と試験を受けるためのデバイスがあれば、受験が可能です。

場所を問わず受験できる環境により、受験者数の増加を見込めます。また台風など天候によるキャンセルを減らしたり、感染症対策としても有効です。

メリット [2] 試験実施に伴う作業が軽減できる

試験の運用にはたくさんの工程があります。問題の作成や印刷、問題用紙の仕分けや採点、会場の予約や設営、監督者の手配など、たった1回の試験だけでも、多くの時間と労力が必要です。

オンライン試験であれば、印刷や採点作業、会場設営、監督者の手配などの作業は削減され、運営側の負担が軽減できます。

メリット [3] 人件費や資材費、会場設営費などのコストを削減できる

問題の印刷費用や会場費用、監督者を雇うための人件費など、試験の実施にはたくさんのコストが発生します。

また感染症対策により、広い会場を手配する必要があるとすれば、以前より費用が増加するかもしれません。

オンライン試験であれば、印刷費や試験に使用する備品、会場費や監督者の人件費などのコストが抑えられます。

メリット [4] オンラインならではの出題形式が利用できる

オンラインだからこそ実現できる出題形式があります。

問題プール

複数の問題をあらかじめ作成しておき、それらの問題からランダムに数問を出題する形式です。出題される問題が受験者によって異なるため、問題の流出による被害を最小限に留めることができます。また問題を蓄積することができるため、問題を毎回初めから作り直す手間を省くこともできるでしょう。

1問ずつ制限時間を設定する

1問ずつ制限時間を設定するような出題形式が実現できます。解答時間の速さを重視する問題に有効です。前に戻る動作を制限するため、カンニングや問題流出のリスクにも対応しています。

順次解答型連問

順次解答型連問は医学系のCBTで見られる出題形式です。
1問目の問題文では、病名を特定するための手がかりが少ない文章が提示されます。2問目では1問目より詳しい内容が開示され、3問目では2問目よりさらに詳しい内容が開示される出題形式です。どの段階で正しい判断ができたかを評価することができます。

オンライン試験であれば、紙試験では実現できないような出題形式や詳細な設定が可能です。現在検討しているオンライン試験システム会社に、対応している出題形式やそのシステム会社が強みとしている試験設定について、聞いてみると良いでしょう。

オンラインならではの出題形式について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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オンライン試験のデメリットと対策

オンライン試験にもデメリットがあります。具体的な対策と合わせて解説します。

デメリット[1] カンニングや替え玉受験などの不正行為 

申し込みをした受験者と実際に試験を受けている受験者が違ったり、協力者から解答を教えてもらったり、他のデバイスで解答を検索したりなど、さまざまな不正行為があります。そのような不正行為を防ぐための機能をオンライン試験システムでは兼ね備えています。

例えば、インカメラを使い本人確認を行う機能や、受験中の様子を録画する機能、ブラウザのタブ移動を制限する機能などがあります。

オンライン試験の不正対策について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

デメリット [2] 試験問題の流出

試験問題が流出してしまうリスクがあります。

試験問題の流出対策としては、試験受験ページのコピー&ペーストや印刷操作を禁止する機能があります。またオンライン試験のメリットでご紹介した「問題プール」も不正対策に有効です。受験生それぞれに違った問題が出題されるため、問題が流出したとしても被害を最小限に留めることができます。

デメリット [3] 試験実施中のトラブル

大規模な試験であれば、何千人もの受験者が一斉に受験をすることでしょう。同時にたくさんの受験者がシステムに接続することで、サーバーがダウンする場合があります。またログインがうまくできないなど、不足の事態が発生することも考えられます。
試験の規模が大きければ、サーバーが同時接続に耐えられるかのテストをシステム会社に依頼すると良いでしょう。

また試験本番時のサポートについても確認しておきましょう。試験本番中に、受験者からの問い合わせや、試験の設定を変更するなどの対応で、システム会社のサポートがあれば安心です。

オンライン試験にもデメリットはありますが、さまざまなオンライン試験システムが、このような不正やトラブル対策の機能を備えています。

不正やトラブルを完全に0にすることは難しいですが、発生を抑止したり被害を最小限に抑えるために、機能のアップデートを行っていますので、過度に心配しすぎる必要はないでしょう。

オンライン試験のやり方

オンライン試験を導入するには、いくつかのステップがあります。ここでは、実際の運用までに必要な基本的な流れをご紹介します。

1. 試験の目的と内容を整理する

まずは、オンライン化したい試験の目的・対象者・出題形式・受験環境などを明確にしましょう。 例えば、以下のような点を整理しておくと、システム選定や運用設計がスムーズに進みます。

  • 出題形式(選択式・記述式・ファイル提出など)
  • 試験時間やスケジュール
  • 試験の実施規模(受験者数・同時接続数)
  • 不正対策の必要性(本人確認・画面監視など)

2. オンライン試験システムを選定する

次に、要件に合ったオンライン試験システムを選びます。システムによって得意とする出題形式や不正対策の機能、UI/UX、サポート体制などが異なります。無料トライアルやデモを活用して、複数社を比較検討するのが良いでしょう。

オンライン試験システムの選び方は下記の記事で詳しく解説しています。

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3. 試験の設計と準備

オンライン試験システムが決まったら、試験の詳細を設計します。

  • 問題の登録や出題ルールの設定
  • 試験実施日のスケジューリング
  • 受験者への案内(メール・マニュアル配布など)
  • サポート体制の整備(トラブル対応窓口など)

試験の内容に応じて、カンニング防止の設定や試験時間・ログ保存の設定などを行います。

試験問題を初めて作成される方はこちらの記事もご参照ください。

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4. テスト実施(パイロット試験)

本番前に、少人数で試験を行い、問題なく動作するかを確認します。この段階で、受験者側の操作性やトラブル発生時の対応手順などをチェックし、必要があれば修正を行います。

5. 本番実施

本番では、試験監督を配置する場合や、AI監視機能を有効にする場合もあります。受験者が安心して受けられるよう、事前案内やサポート対応をしっかり整えておくことが重要です。

6. 結果確認・分析

試験終了後は、自動採点やレポート機能を活用して、結果を集計・分析します。不正の疑いがある場合はログや録画データを確認することも可能です。

このように、オンライン試験は単に「紙をデジタルに置き換える」のではなく、運用設計とシステム選定が成功のカギになります。初めて導入する方は、小規模から試験的に実施してみるのがおすすめです。

オンライン試験システムの選び方と価格

オンライン試験システムには、主に自社で運営管理するタイプと、外部の専門会社に運営を委託するタイプがあります。どちらが適しているのかは、試験の目的や社内リソース、コストなどによって選択してください。

本記事では、「自社で運営管理するタイプ」のシステム選定方法と価格について解説します。

オンライン試験システムの3つの選定ポイント

オンライン試験システムは、導入してから運用を開始するまで、試験の設定や社内作業の整備などたくさんの業務があります。トラブルなくスムーズな運用を実現するために、システムを選定する際は、以下の3つのポイントを確認しましょう。

  • サポート体制を確認
  • 試験機能の柔軟性を確認
  • 不正防止策について確認

オンライン試験システムの選定方法は下記の記事で詳しく解説しています。

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オンライン試験システムの価格

一番気になる点は「価格」ではないでしょうか。会社によりさまざまな料金体系がありますが、オンライン試験システムの価格は以下の3つの費用に注目すると良いでしょう。

  • 初期費用
  • 試験実施費用
  • 保守運用費

試験実施費用は「試験1回ごと」「100ユーザー単位/年」など、各システムに応じてさまざまな料金体系です。

また各社の価格構成は、「一式で見積もられる構成」「初期費用と保守運用費の構成」「初期費用と試験実施費用の構成」「試験実施費用のみの構成」など、各社バラバラです。

一律に比較することは難しいですが、概ね以下の価格帯を想定するといいでしょう。

  • 初期費用: 200,000円 ~ 1,500,000円
  • 試験実施費用(1回): 200円 ~ 3,000円
  • 保守運用費: 10,000円 ~ 125,000円

オンライン試験システムの価格について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

オンライン試験の成功事例

実際にオンライン試験を導入した企業の成功事例をご紹介します。

検定試験の事例

株式会社壺中天は、「人事力検定『人材マネジメント入門』」という検定を提供しています。
人事制度設計や研修サービスを展開するなかで、「もっと多くの人に人材マネジメントの基礎を学んでもらいたい」という思いから、検定事業に挑戦することになりました。この検定をオンラインで実施するにあたり、最適な試験システムを探す中で選ばれたのがWisdomBaseです。シンプルで分かりやすい受験環境を提供し、スムーズな運用が実現できる点が採用の決め手となりました。

▼導入事例の詳細はこちら

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社内試験の事例

社内試験のオンライン化の事例として、明治ホールディングス株式会社が挙げられます。同社では、従業員のサステナビリティに対する理解を深める取り組みとして、「meijiサステナカレッジ」を展開しています。
2023年度からは、ベーシック認定テストにWisdomBaseを導入し、全グループ共通のオンライン試験を実現しました。

▼導入事例の詳細はこちら

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まとめ

試験や検定のオンライン化を検討されている方に、オンライン検定とは何か、メリット・デメリットについて、オンライン試験システムの費用などを紹介しました。WisdomBase(ウィズダムベース)は、試験や検定のオンライン化を実現できるオンライン試験システムです。

試験のオンライン化をご検討中の企業様はぜひお気軽にご相談ください。

また「初めてのオンラインテストの導入がスムーズにできるのか不安」「オンライン試験システム導入後の成功事例を知りたい‼」といった方のために、以下のようなお役立ち資料もご用意しています。

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