オンライン試験マガジン

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検定試験をオンラインで実施する方法|導入手順・システム選びを解説

はじめに

「検定試験をオンラインで実施したいけれど、何から着手すればいいのか分からない。」

そんな状況に心当たりはありませんか?

多くの団体や企業がオンラインによる検定試験の導入を検討していますが、実際にどのように進めるべきか不安を抱えている方も少なくありません。

本記事では、具体的なメリットやシステム選びの要点、導入スケジュールの組み方などをわかりやすくまとめました。これを読めば、オンラインで検定試験を実施するまでの全体像がしっかりと見えてくるはずです。

なぜ今、検定試験をオンライン化するべきなのか

社会全体でデジタル化が進むなか、検定試験のオンライン化も急速に注目を集めています。受験者の利便性だけでなく、運営者側のコストや手間も大幅に削減できる点が魅力です。さらに技術的ハードルが下がったことで、小規模な団体でも導入が容易になりました。

紙ベースの試験では、問題用紙や解答用紙の準備、採点、結果の集計などに多くの手間がかかります。ところがオンラインであれば、多くの作業を自動化できるうえ、地理的な制約も大幅に緩和されます。こうした背景から、さまざまな業種・団体がオンライン化に踏み切るケースが増えているのです。

業務効率化・コスト削減の観点から注目される背景

オンライン化によって、まずペーパーレスが実現できるため、印刷コストが削減されます。また、会場の手配や人員の配置、当日の運営に伴う経費も大幅に抑えられるでしょう。さらに、自動採点やデジタル管理によって、集計・分析・合否判定のスピードが格段に向上し、結果の即時通知も可能となります。

国家資格講習のデジタル化に関するアンケートでは、約6割が「運用コストの削減」「業務時間の削減」を実感しているという結果も出ています。

出典:【国家資格講習のデジタル化で実現できることが明らかに】約6割が「運用コスト削減」、「業務時間の削減」を実感 デジタル化実施団体が明かす、具体的な導入効果とは
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000026939.html

試験運営のDXが進む理由と市場の動き

近年はデジタル技術を活用した業務改革、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)があらゆる分野で加速しています。検定試験の運営においても、コロナ禍による非対面化の要望や業務効率化のニーズが高まり、オンライン化を後押ししています。

また、IT企業が続々とオンライン試験向けシステムを提供し始めたことで、導入に必要な予算や手間も徐々に下がり、オンライン検定の市場が急速に拡大しているのです。

オンラインで検定試験を実施するメリット

受験者にとっても運営者にとってもメリットが大きいのがオンライン検定試験です。コストの削減や操作性の向上など、従来の紙ベースの試験にはなかった利点が数多く存在します。ここでは、その代表的なポイントを押さえていきましょう。

会場費や印刷費などのコスト削減

オンラインで試験を行う場合、紙の問題用紙や答案用紙を用意する必要がありません。大規模な検定を実施するほど印刷費が嵩むため、オンライン化によって大幅なコストダウンが期待できます。さらに会場のレンタル費やスタッフの人件費も不要となるため、長期的には非常に大きな削減効果が生まれます。

採点や結果通知の自動化

システム上で回答を受け付けることで、自動採点が可能になります。正解パターンをあらかじめ設定しておけば、短時間で結果を確認でき、合否判定もリアルタイムで行えます。複数の受験者のデータを一括で処理できるため、人的ミスのリスクも低減するでしょう。

データ管理の一元化と利活用

オンライン試験で得られる受験者の回答データは、システム内で一元管理されます。これにより、集計・分析作業が簡便化され、次回以降の試験作成や問題の難易度調整などに活かしやすくなります。受験者の傾向を可視化することで、より質の高い検定を提供する土台が整うでしょう。

受験者の制限がなく、全国どこからでも参加可能

オンライン検定を導入すると、受験者は地理的な制約を受けにくくなります。自宅や勤務先など、インターネット環境さえあればどこからでも受験できるため、受験者数を増やしやすく、地方や海外に住む人々にも門戸を広げることが可能です。結果的に、団体としての認知度や収益向上にもつながります。

オンライン検定を成功させるための4つのチェックポイント

オンライン試験には多くのメリットがある一方、適切な運用体制を整えないとトラブルに見舞われる可能性があります。ここでは、導入前に必ず押さえておきたい4つの重要ポイントを解説します。

不正対策はどこまで必要?目的に応じたレベル設計

オンライン検定で最も懸念されるのが不正行為です。カンニングや替え玉受験など、会場での試験とは異なる形での不正リスクが存在します。これを防ぐために、様々な不正対策技術や手法が開発されています。

例えば、Webカメラを通じて受験者の様子をAIや試験官が監視する「リモート監視(プロクタリング)」、受験中は他のブラウザへの移動を制限する、受験者本人であることを確認するための「顔認証」などが挙げられます。

ただし、これらの対策は厳格になるほどコストも上がり、受験者の負担感も増す可能性があります。したがって、実施する検定試験の重要度(資格認定か、単なる理解度チェックかなど)や目的に応じて、どのレベルの不正対策が必要かを慎重に検討し、過不足のないレベル設計を行うことが重要です。

大規模アクセスにも耐えうるシステムを選定する

検定試験は特定の日時に多数の受験者が一斉にアクセスするケースが多く、その際にサーバーがダウンしてしまっては大きな混乱を招きます。

特に、国家資格や人気のある民間資格など、受験者数が非常に多い試験の場合は、大規模な同時アクセスに耐えうる、堅牢なシステム基盤を持つオンライン試験システムを選定することが不可欠です。

想定受験者数に応じて負荷テストを行えるシステムを選び、必要に応じてクラウドサービスを活用することで、安定稼働を確保しましょう。

受験者への事前レクチャーでトラブルを防ぐ

オンライン検定を初めて受験する人にとっては、操作方法や受験環境の準備など、不安な点が多いものです。試験当日に「システムにログインできない」「操作方法が分からない」「カメラがうまく映らない」といったトラブルが発生すると、受験者は動揺し、試験に集中できなくなってしまいます。

こうした事態を防ぐためには、受験者に対する事前の丁寧なレクチャーが非常に重要です。推奨されるパソコン環境(OS、ブラウザなど)、必要な周辺機器(Webカメラ、マイクなど)、具体的なログイン方法や試験中の操作手順、注意事項(禁止事項など)、トラブル発生時の連絡先などをまとめたマニュアルがあると安心です。

試験当日のトラブル対応・サポート体制の重要性

オンライン環境下では、予期せぬ通信トラブルや機材トラブルが発生する可能性があります。試験当日は、問い合わせを受け付ける窓口やシステム管理者をスタンバイさせ、迅速なサポートができる体制を整えておくことが不可欠です。受験者の信頼を損なわないためにも、万全の準備を行いましょう。

【関連記事】オンライン試験のやり方を解説!メリット・費用・成功事例をご紹介
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オンライン検定に対応した試験システムの選び方

オンライン検定を導入する際には、目的や規模に合ったシステムを選定することが欠かせません。ここからは、自社でシステム提供型を導入するパターンと、外部に運営を委託するパターンの特徴をそれぞれ見ていきましょう。

システム提供型 or 運営委託型

システム提供型とは、オンライン試験用のシステムを自社で管理・運用する方式です。一方、運営委託型は外部企業にシステム運用やサポートを任せる方法を指します。自社リソースや予算、セキュリティ要件などを踏まえて、どちらが最適かを検討することが大切です。

システム提供型のサービス

システム提供型では、ライセンス契約やクラウドサービスを利用して試験プラットフォームを導入します。機能のカスタマイズがしやすい反面、システムメンテナンスやバージョンアップに対する自社の知識や労力が求められる場合もあります。自由度は高いものの、それに伴う責任も増加する点に留意しましょう。

運営委託型のサービス

運営委託型の場合、専門企業が構築したオンライン試験プラットフォームを利用するため、導入スピードが速く、技術的なハードルも低い傾向にあります。サーバー運用や問い合わせ対応まで一括で任せられるケースも多いため、運営リソースが限られた団体にとっては非常に有効な選択肢です。

タイプ別のおすすめのオンライン試験システムは下記の記事で紹介しています。

【関連記事】【2025年版】オンライン試験システムの選び方とおすすめ6選 wisdombase.share-wis.com

導入までの流れとスケジュール例

オンライン検定の導入を決定してから、実際に試験を実施するまでには、いくつかのステップを踏む必要があり、計画的な準備が不可欠です。勢いだけで進めてしまうと、後々トラブルが発生したり、期待した効果が得られなかったりする可能性があります。ここでは、オンライン検定導入の一般的な流れと、各ステップにかかる期間の目安を示したスケジュール例をご紹介します。

1. 要件定義(約1~2ヶ月)

  • 目的の明確化: なぜオンライン化するのか?(コスト削減、受験者拡大、効率化など)
  • 対象者の設定: 誰向けの試験か?(社員、一般受験者、学生など)
  • 試験内容・形式の決定: 試験科目、問題形式(選択式、記述式など)、問題数、試験時間、合格基準
  • 実施規模の想定: 年間の実施回数、1回あたりの想定受験者数、最大同時アクセス数
  • 不正対策レベルの決定: どの程度の厳格さで不正対策を行うか?
  • 予算策定: システム導入費用、運用費用(月額/年額、従量課金など)

2. システム選定・契約(約1~2ヶ月)

  • 要件定義に基づき、システム提供型か運営委託型かを判断
  • 複数のシステム/サービスをリストアップし、機能、費用、サポート体制、実績などを比較検討
  • デモやトライアルで操作性や機能を確認
  • 最適なシステム/サービスを選定し、契約

3. 試験問題作成・システム登録(約1~3ヶ月 ※問題数による)

  • 試験内容に基づき、問題を作成(内製または外部委託)
  • 作成した問題をシステムに登録(CSVでの一括登録などが可能な場合も)
  • 正答、配点、カテゴリなどを設定
  • 必要に応じて問題バンクを構築

4. 受験環境準備・マニュアル作成(約1ヶ月)

  • 受験に必要なPC環境やネットワーク環境の要件を確定
  • 受験者向けのマニュアル(ログイン方法、操作手順、注意事項、トラブルシューティングなど)を作成
  • サポート体制(ヘルプデスクの設置、連絡先、対応時間など)を整備

5. リハーサル・動作確認(約2週間~1ヶ月)

  • 関係者や一部の対象者で、本番に近い環境でのリハーサルを実施
  • システムの動作確認、マニュアルの分かりやすさ、サポート体制の機能などをチェック
  • リハーサル結果に基づき、問題点や改善点を洗い出し、修正

6. 本番試験実施

  • 受験者への最終案内(受験URL、ID/パスワード、注意事項など)
  • 試験当日、システム監視とサポートデスク運営
  • トラブル発生時の迅速な対応

7. 結果通知・データ分析・評価(試験後~)

  • 採点(自動/手動)と結果集計
  • 受験者への合否通知、成績フィードバック
  • 試験結果データの分析(問題別正答率、属性別成績など)
  • 今回の試験運営全体の評価と、次回に向けた改善点の洗い出し

上記はあくまで一例ですが、全体で最低でも3~6ヶ月程度の準備期間を見ておくと安心です。特にシステム選定や問題作成には時間がかかる場合があるため、早めに着手することをおすすめします。

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検定試験をオンラインで実施するならWisdomBase

wisdombase https://wisdombase.share-wis.com/

検定試験のオンライン化を検討している方にとって、信頼性の高いシステム選びは最重要課題ではないでしょうか。ここでは、多くの企業や教育機関で導入実績を持つWisdomBaseの概要と活用事例をご紹介します。

WisdomBaseの特長

WisdomBaseは学習コンテンツの配信から、試験実施、決済、受講者管理、認定証発行まで、オンラインでの教育・研修・試験運営に必要な機能を幅広く備えた統合プラットフォーム(LMS)です。検定試験に特に関連する機能としては、以下のような点が挙げられます。

1. 多様な問題形式と柔軟な設定

選択式(単一/複数)、記述式、穴埋め、並び替えなど、様々な問題形式に対応。試験時間制限、合格点設定、問題/選択肢のランダム表示、受験回数制限など、細かな試験設定が可能です。

2. 不正防止機能

顔認証機能、受験中の様子を監視、コピー&ペースト禁止、他のウィンドウへの切り替え検知、など不正抑止機能を搭載。

3. 自動採点と結果管理

選択式問題などは自動で採点され、結果はシステム上で一元管理。合否判定も自動で行えます。

4. 決済機能連携

有料の検定試験の場合、クレジットカード決済などの機能を連携させ、申し込みから決済までをオンラインで完結できます。

5. 認定証発行機能

合格者に対して、システム上でオリジナルのデジタル認定証を発行できます。

6. 安心のサポート体制

導入前のコンサルティングから、導入後の運用サポートまで、専任の担当者が伴走します。

検定試験での活用事例

ここでは、株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド検定」をご紹介します。
株式会社マネーフォワードは中小企業から上場企業まで幅広く導入されているバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」を提供しています。「マネーフォワード クラウド検定」は、パートナーである公認メンバーの士業事務所を対象とした検定です。「マネーフォワード クラウド」の活用・操作への理解を深め、士業事務所の社員教育に活用しています。

事例インタビューの詳細はこちらよりお読みください。
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まとめ

オンライン検定の導入は、コスト削減や受験者数の増加など、多方面で大きなメリットをもたらします。ただし、不正対策やサポート体制をしっかり構築しないと、トラブルによって信頼を損なうリスクも否定できません。本記事で紹介したポイントやシステム選びの基準を踏まえ、目的に合ったオンライン試験運営を実現してください。検定試験の新規立ち上げを検討中の方が、本記事を通じてオンライン化の第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。 wisdombase.share-wis.com wisdombase.share-wis.com