はじめに
「Webテストって、場所を選ばず実施できて便利だけど、正直カンニングし放題なんじゃないか…?」採用活動や社内研修、資格試験などでWebテストの導入を検討、あるいはすでに運用されている担当者の多くが、一度はこんな疑問や不安を抱いたことがあるのではないでしょうか。性善説に立ちたい気持ちは山々ですが、残念ながら不正行為のリスクはゼロではありません。
この記事では、最新の調査データに基づき、webテストの不正の割合の実態を明らかにするとともに、具体的な不正の手口、そして企業が取るべき効果的な対策について、詳しく解説していきます。この記事を読めば、Webテストに対する漠然とした不安が解消され、自信を持って導入・運用を進めるためのヒントが得られるはずです。
- はじめに
- Webテストにおける不正行為の現状
- よくあるWebテストの不正手口とその実例
- Webテストの不正を防ぐための基本対策
- 不正対策ができるオンライン試験システムをお探しならWisdomBase
- まとめ
Webテストにおける不正行為の現状
Webテストは場所を選ばず受験できる便利な仕組みですが、一方で「自宅受験による監視の甘さ」や「インターネット環境を使ったカンニングのしやすさ」が懸念材料として挙げられます。ここでは、最近の調査データから見える不正の実態と、受験者の心理的背景に注目しながら、オンライン環境ならではのリスクを整理していきましょう。
Webテストにおける不正の割合
オンライン就職活動の実態調査を行った株式会社サーティファイの報告※によれば、就職活動時のWebテスト受験者のうち45%が「何らかのカンニングを行った」と回答し、その中には生成AIの活用が「替え玉受験」を上回る頻度で含まれていたことが明らかになりました。さらに、カンニングを行った受験者の62.5%が実際に内定を得ており、全体で見ると28.4%にあたる人々が不正を通して企業から内定を獲得した計算になります。
特に2024年卒では不正実行者の8割以上が内定を得ている実態が示されており、オンライン試験の利点が拡大する一方で、企業側が不正を見抜き切れていない深刻な現状が浮き彫りになっています。こうした動向は、オンライン試験の信頼性や採用活動の公平性に大きな影を落とすばかりでなく、企業が本来見出すべき優秀な人材を逃すリスクにも直結するといえるでしょう。
※出典:PR TIMES|株式会社イー・コミュニケーションズ|【オンラインテストの不正に関する実態調査】オンラインテスト受験者の約5人に1人が不正行為の経験あり!「どうせバレないと思った」の声も
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000071304.html
なぜ不正が起きるのか?受験者心理と環境要因から読み解く
就職活動でのWebテストにおける不正は、強い合格へのプレッシャーや罪悪感の薄さといった心理的要因に加え、監視体制の不十分さや「みんなやっている」という集団心理などの環境的要因が重なったときに起こりやすくなります。具体的には、「この企業だけは受かりたい」という焦りや、他者から期待されるプレッシャーで自己効力感が低下し、不正に頼りがちになるケースが多く見られます。
また、オンライン環境で監視が行き届かないことや、不正の手段が手軽に入手できる環境が後押しとなり、不正行為へのハードルをさらに下げているのも事実です。
こうした背景から、学生本人が学問的誠実性(アカデミック・インテグリティ)の重要性を十分に理解しないまま不正に走り、企業側もそのリスクを見抜けずに採用ミスマッチを招く恐れがあります。実際、短期的には「内定につながる」「バレにくい」と感じられるかもしれませんが、長期的には本人のキャリアや企業の信頼性に大きな悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。
よくあるWebテストの不正手口とその実例
ここからは、実際にオンラインテストで行われやすい不正の代表例を紹介します。「スマホ検索」や「替え玉受験」といった単純なものから、最新技術を駆使したケースまで多種多様です。どのような手口が使われるのかを知ることで、より有効な対策が見えてくるでしょう。
スマホや別デバイスによる情報検索
パソコンでカメラをオンにしていても、手元のスマホやタブレットまでは監視されにくいという状況を利用して、問題を検索する受験者が後を絶ちません。監督者側からは受験姿勢を把握しにくいため、一見すると「しっかり受験しているように見える」というのが厄介な点です。
生成AIの活用
大規模言語モデルをはじめとする生成AIを使った不正も増加傾向にあります。問題文をコピペして回答を生成すれば、高い精度の答えを瞬時に得られるからです。回答が不自然かどうかを人間が判定するのは難しく、AIの性能が上がるほど発覚しにくくなる恐れがあります。
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他人によるなりすまし受験(替え玉受験)
オンラインテストならではの大きなリスクとして、「本人確認の甘さ」を突いた替え玉受験が挙げられます。写真付きの身分証明や顔認証がない場合、専門知識を持つ第三者が代行して受験し、高得点を取得してしまうケースがあり、大切な選考や評価が形骸化する原因にもなります。
【関連記事】替え玉受験摘発の事例と試験システムの不正防止機能を紹介 wisdombase.share-wis.com
グループチャットや画面共有による協力解答
複数の受験者が同時にチャットで連絡を取り合い、問題を解き進める手口も報告されています。さらに画面共有ツールを使って、回答をリアルタイムで相談する例もあるほどです。受験者全員で協力すれば、容易に高得点が狙えてしまう点がオンラインテストならではの脅威といえるでしょう。
Webテストの不正を防ぐための基本対策
不正行為を完全にゼロにするのは難しいものの、あらかじめ複数の対策を講じておけば、そのリスクを大幅に抑えることができます。ここでは、監視やシステム面、さらには受験者に対するアプローチなど、効果的とされる基本的な方法を紹介します。
カメラ監視・画面録画・顔認証の導入
オンラインテスト実施時には、受験者のPCカメラを通じた監視を行うことで、不自然な動きを早期に察知することが可能です。さらに顔認証システムと組み合わせれば、本人確認も担保できるため、替え玉受験の防止にも役立ちます。録画データを後からチェックできる仕組みがあれば、当日見落とした不正の証拠を発見しやすくなるでしょう。
テスト問題のランダム出題や制限時間の設定
同じ問題を一律に出題すると、グループチャットで回答を共有しやすくなるうえ、外部検索に時間をかけられる余裕も生まれがちです。そこで、問題をランダムに出題する仕組みや、1問あたりの制限時間を短めに設定することで、不正に割ける時間と手間を削減できます。
受験者へのガイドラインと「事前告知」の効果
「テスト中は録画されている」「不正が発覚した場合は無効となる」など、ルールを明文化して事前に告知しておくことは大きな効果があります。受験者のモラルに訴えかけ、不正を思いとどまらせる心理的圧力となるだけでなく、少しでも疑わしい行動をしにくい空気感を作るのにも有効です。
Web試験と対面試験の併用
オンラインのみで完結させず、最終的な重要試験や要所では対面試験を組み合わせる運用も検討しましょう。オンラインで一次選考を行い、対面で最終チェックを行う方式であれば、不正対策と利便性の両立が期待できます。大人数を集めにくい試験の場合にも、段階的な進行によってコストを抑えることが可能です。
【関連記事】オンライン試験の不正行為の3分類と各不正への対策方法
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不正対策ができるオンライン試験システムをお探しならWisdomBase
https://wisdombase.share-wis.com/
「不正をできる限り防ぎたいが、実施側の負担は軽減したい」という方におすすめなのが、不正対策機能が標準装備されたオンライン試験システムです。ここでは、先ほどの調査を実施したWisdomBaseを例に、その利点と実際の導入事例を見てみましょう。
WisdomBaseの特長
WisdomBaseでは、カメラ監視や本人確認機能などが充実しており、オンライン受験ならではの不正に対して高い抑止力を発揮できます。また、問題のランダム出題や解答時間の細分化など、多彩な出題オプションを備えているため、運営者の意図に合わせた柔軟なテスト設計が可能です。
大手コンサルティング企業や大手メーカーの導入実績もございます。Webテストの実施システムをお探しでしたらお気軽にお問い合わせください。 wisdombase.share-wis.com wisdombase.share-wis.com
まとめ
Webテストは、従来のペーパーテストにはない利便性があり、企業や教育機関が積極的に導入を進めている分野です。しかしその一方で、受験環境の自由度が高いからこそ、不正行為が発生しやすい側面をもつのも事実です。
こうした状況を踏まえ、カメラ監視や顔認証、問題のランダム出題、事前告知の徹底など、複数の施策を組み合わせて不正行為を抑えることが効果的です。
また、WisdomBaseのような不正対策機能が充実したシステムを選定することで、運営担当者の負担を軽減しながら、公平性の高いテスト運営を実現することができます。今後さらに普及していくであろうWebテストにおいて、いかに不正を最小限に抑え、受験者と運営者の双方が納得できる評価を行うかが鍵になります。
ぜひ本記事を参考に、自社や教育機関が求める最適なオンライン試験のかたちを探ってみてください。