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替え玉受験摘発の事例と試験システムの不正防止機能を紹介

全国で初めて新卒採用のオンライン試験で替え玉受験を行った容疑で関西電力の社員が逮捕されました。

採用試験だけでなく、検定試験や企業の昇進試験などもオンライン化が進む中で、このような不正行為は企業側にとって懸念材料になります。

本記事では替え玉受験事件の不正の手口や、人が不正を行う心理、オンライン試験で替え玉受験などの不正行為をさせないための対策などを解説します。

替え玉受験摘発の事例と試験システムの不正防止機能の紹介

替え玉受験逮捕者の手口

警視庁は11月21日、関西電力社員の田中信人容疑者を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕しました。田中容疑者は就職活動中の女子大生から報酬4000円を受け取り、企業の採用試験で実施される適性検査を、彼女になりすまして受験した疑いが持たれています。

女子大生が企業から与えられたオンライン試験のID・パスワードを受け取り、田中容疑者が替え玉として受験していたとのこと。その女子大生からは23社のテストを代行し、合計で10万円以上受け取っていたそうです。

田中容疑者は「2科目4000円でオンライン試験代行します」などとSNSで就活生を募り、4年で4000件ほど代行したとのことです。

取り調べでは「学生から感謝されてやりがいを感じていた」「ネットで調べても摘発例がなかったので、大丈夫だと思った」などと供述しています。

就活生の約18%がオンライン試験で「不正経験あり」と回答

替え玉受験について就活生からは「周りに結構いた」「信号無視のレベルでみんながやっている不正」など、オンライン試験の不正行為についての声が報道で取り上げられています。

株式会社ディスコが2021年に就職活動中の学生に対して行った調査では、オンライン試験の不正経験について、約18%が「不正の経験がある」と回答し、約30%が「周りが不正を行っていた」と回答しました。

https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/202107_gakuseichosa_kakuho.pdf

人が替え玉受験などの不正を行う心理

さて先ほどご紹介した調査データからもわかる通り、不正行為に手を染めている人が一定数います。不正行為については、替え玉受験以外にもカンニングや問題流出などさまざまですが、人はなぜ不正行為をしてしまうのでしょうか?

不正のトライアングル

不正行為は 「機会」「動機」「正当化」 の 3 つの要素がそろった時に発生します。これらを「不正のトライアングル」と呼び、人が不正をする仕組みをモデル化したものです。それぞれの要素について詳しく解説します。

不正のトライアングル

  1. 機会
    不正行為が実行可能な環境を指します。採用のためのオンライン試験で不正行為を行う場合は以下の例が挙げられます。
    • 監視体制がないため、不審な行動を行ってもバレない
    • 本人が受験しているかどうかチェックする体制がない
    • カンニング行為をしても咎められない
  2. 動機
    不正行為をしてしまう動機や圧力を指します。
    • 試験に合格しないと面接に進めないが、合格したことがない
    • 周りが内定をもらっているのに、自分だけ内定が出ていない
    • 家族から就職について強いプレッシャーを与えられている
  3. 正当化
    不正行為を正当化して抵抗感が低い心理状態を指します。
    • 友人や先輩が不正行為をしているから自分がしても問題ない
    • 試験に受からないと面接をしてもらえないから仕方がない
    • テストで採用不採用が決まることに不公平感がある

オンライン試験はカンニングしやすいと思われている

一般財団法人全日本情報学習振興協会が、資格試験や国家試験でカンニングしようと思ったことがある人を対象に行った「カンニングする人の心理」に関する調査によると、「オンライン試験なら容易にカンニングできそうだと思いますか?」という質問に対し、「とてもそう思う」「ある程度そう思う」の回答の合計が約80%という結果でした。

また「どのような試験環境だったらカンニングしやすいと思いますか?」という質問に対して、約60%が「試験監督の監視が甘い」と回答しています。

今回の替え玉受験事件や不正に関するアンケートなどから、直接監視官の目が届かないオンライン試験は不正を行う心理が働きやすいと読み取れます。

prtimes.jp

オンライン試験システムの替え玉受験対策

オンライン試験の需要の高まりや、不正行為をする人が一定数存在するという現状から、システムの提供会社は不正対策機能の充実や機能改善に取り組んでいます。
ここではオンライン試験システムの替え玉受験対策やその他の不正行為対策についてご紹介します。

替え玉受験対策機能について

替え玉受験にはカメラを使った監視機能や顔認証機能が有効です。例えばインカメラ監視機能では、受験中の様子をインカメラで撮影し、不審な行動があれば撮影し証拠として残すことができます。

NHK「ニュースウオッチ9」にて当メディアの運営元であるシェアウィズが提供するオンライン試験システムのインカメラ監視機能について紹介されました。

取材の様子

またAIを使い受験者が不審な動きをした場合に、監視官へ知らせる機能や、監視官がリアルタイムで遠隔監視する機能、受験前に本人かどうかを認証する機能により替え玉受験の対策ができます。

その他不正対策

替え玉受験以外にもカンニングペーパーを準備する、PCやスマホで検索する、問題を流出させるなどの不正行為があります。

デスクトップを監視する機能では、タブを移動させた時に警告を出したり、警告を無視し続けた場合は強制的に試験を失格にすることができます。

問題流出を防ぐために、ブラウザ上の右クリックによるコピーを禁止したり、受験者ごとに違う問題を出題する問題プールを作成できたりする機能により対策ができます。

オンライン試験システムの不正行為や対策について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

wisdombase.share-wis.com

まとめ

本記事では替え玉受験事件の不正の手口や、人が不正を行う心理、ウェブテストで替え玉受験などの不正行為をさせないための対策などを解説しました。

今回の事件や調査データからオンライン試験では不正行為が横行している印象を受けた方もいるかもしれません。不正行為を行っている人は確かに存在しますが、大多数は真面目に受験しています。

そもそも会場型の試験でも不正が行われた例がありますので、会場・オンライン問わず100%完璧に不正を防ぐことは難しいと言われています。
またオンライン試験では、地方や海外からでも受験でき応募機会を増やすメリットや、会場や試験問題のコスト削減などさまざまなメリットがあります。

ですのでオンライン試験の利便性は損なわず、試験の公平性を担保できるようにオンライン試験システムの提供企業は日々サービスのバージョンアップを続けています。

WisdomBaseでできる替え玉受験対策

WisdomBaseでは、これまで述べた替え玉受験やその他不正行為を防ぐ技術的な機能が充実したオンライン試験システムです。

監視機能としてインカメラの監視、デスクトップ監視が可能で、替え玉受験などの不正防止に優れたオンライン試験システムです。さらに、受験回数制限の設定、問題の印刷防止機能や試験中に他のアプリへの移動を禁止する機能など、多彩な不正対策が充実しています。

試験のオンライン化をご検討中の企業様はぜひお気軽にご相談ください。

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