オンライン試験マガジン

オンライン試験マガジンは、IBTや試験の運用法などオンラインテストに関するノウハウや最新情報を発信するWebメディアです。試験に強いLMSであるWisdomBaseを提供している株式会社シェアウィズが運営しています。

【企業向け】動画を販売する方法|おすすめプラットフォームも紹介

はじめに

「研修やセミナーを動画化して販売したいけれど、どの方法が最適なのだろうか?」
 「社内教育のコンテンツを収益化したいが、システムやコスト面が不安だ」

こうした課題を抱える法人担当者は少なくありません。

本記事では、法人が動画販売を始めるにあたって必ず押さえておきたい 市場動向・活用シーン・収益モデル・プラットフォームの選び方・成功のポイント を体系的に解説します。これから動画販売を導入する企業にとって、実践的な判断材料となるはずです。

動画販売とは?市場規模と注目される理由

動画販売とは、自社で制作した教育動画や研修コンテンツ、セミナー収録などをオンライン上で有料提供する仕組みを指します。従来はDVDや対面研修が主流でしたが、クラウド環境の普及や視聴習慣の変化によって、法人でも動画販売を事業に組み込むケースが増えています。

一般財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAJ)の「動画配信市場調査レポート2025」によれば、国内の有料動画配信市場は2024年に 5,710億円規模 に達し、2029年には 6,780億円規模 へ拡大すると見込まれています。法人による研修・教育分野の需要もその一部を構成しており、今後も成長が期待されます。

参照元: https://www.dcaj.or.jp/project/sale/index.html#anc01

また、動画販売が注目される背景には以下の要因があります。

  • 働き方の多様化:リモートワークやオンライン教育の普及により、場所に縛られない学習環境が求められている。
  • コスト効率化:集合研修や会場開催に比べ、動画販売は運営コストを大幅に削減できる。
  • 収益源の多角化:既存のナレッジや研修資産を動画化し、有料提供することで新たな収益源を創出できる。

このように、法人にとって動画販売は「教育・研修の効率化」と「収益化」の両方を実現できる有力な手段として注目を集めています。

動画販売のメリットとデメリット

法人が動画販売を導入することで得られるメリットは多くありますが、同時に解決すべき課題も存在します。ここでは、導入を検討する際に押さえておきたいメリットとデメリットを整理します。

メリット1:新たな収益源を確保できる

既存の研修・セミナーや教育資料を動画化して販売することで、新たな収益モデルを構築できます。特に教育や資格対策などの分野では、動画を繰り返し販売できるため、在庫リスクがなく高い利益率を実現できます。

メリット2:ブランド力・認知度を高められる

高品質な動画コンテンツを提供することで、企業の専門性や信頼性を発信できます。顧客に対して「知識やノウハウを提供する企業」というブランディングが可能となり、競合との差別化にもつながります。

メリット3:地理的制約を超えて顧客層を拡大できる

オンライン配信であれば、全国や海外の受講者にも動画を届けられます。これにより、従来の会場開催ではアクセスできなかった顧客層へのアプローチが可能となり、潜在的な市場を広げられます。

デメリット1:初期投資やシステム運用の負担

動画販売を本格的に行う場合、配信システムの導入や制作環境の整備にコストがかかります。また、定期的なメンテナンスやセキュリティ対策も必要となるため、長期的な運用計画が求められます。

デメリット2:不正ダウンロードやコピーのリスク

デジタルコンテンツはコピー・不正利用のリスクを常に抱えています。特に買い切り型の動画販売では拡散されやすいため、DRM(デジタル著作権管理)や視聴期限の設定など、セキュリティ対策を施すことが重要です。

デメリット3:制作・運営リソースの確保が必要

コンテンツの企画・撮影・編集には一定のリソースが必要です。外部パートナーを活用する方法もありますが、運営を継続するためには社内での体制づくりが欠かせません。

動画販売の収益モデルと販売形態

法人が動画販売を導入する際には、どのように収益を得るかをあらかじめ設計することが重要です。収益モデルには複数の種類があり、対象顧客や提供コンテンツの性質によって最適な形態が異なります。

都度課金型

1本ごとに購入する形式で、セミナー収録や資格対策講座など「特定テーマに興味を持つ顧客」向けに適しています。単価を高めに設定できるため、専門性の高いコンテンツ販売に向いています。

サブスクリプション型(月額制)

月額料金を支払えば見放題となる形式です。語学やビジネススキルなど、継続的に学習するジャンルに適しています。安定収益を見込める一方で、契約維持のため常に新規コンテンツを追加する運営努力が求められます。

レンタル型(期間限定視聴)

一定期間のみ動画を視聴できる形式です。スポーツの試合、イベント、ライブ配信の録画など、一時的な需要に対応する際に有効です。価格を抑えることで参加のハードルを下げやすい特徴があります。

買い切り型(ダウンロード販売)

ユーザーが動画ファイルを購入し、無期限で保有できる形式です。オフライン環境での利用を求める顧客に適していますが、拡散リスクがあるため法人利用ではセキュリティ対策を徹底する必要があります。

法人で動画販売を成功させるポイント

動画販売を単なる配信にとどめず、事業として成長させるためにはいくつかの成功要因があります。副業や個人利用と異なり、法人の場合は「継続的な運用基盤」と「顧客体験の質」が重要です。

ブランド訴求を意識する

自社の教育サービスや研修コンテンツを販売する場合、ブランドの信頼性が購買の決め手となります。独自ドメインでの配信やデザインカスタマイズを行うことで、自社らしさを打ち出しやすくなり、顧客からの信頼度も高まります。

セキュリティ対策を徹底する

法人向けコンテンツでは、不正ダウンロードや情報漏洩のリスク管理が欠かせません。DRM(デジタル著作権管理)、アクセス制御、視聴期限設定、IPアドレス制限などを組み合わせることで、安全に販売できます。

学習データを活用する

特に研修・教育分野では、受講者の学習履歴や視聴ログを活用することで、教材改善や追加コンテンツの企画に役立ちます。LMS(学習管理システム)と連携すれば、学習成果を定量的に把握し、企業研修のROIを高めることも可能です。

法人向け動画販売プラットフォームを選ぶ基準

法人が動画販売を導入する際には、プラットフォーム選定が最重要ポイントです。どのシステムを使うかによって、運営の効率性や収益性が大きく変わります。以下の観点をチェックすることが成功の鍵となります。

機能性

研修やスクール型ビジネスを展開する場合には、会員管理・受講履歴・テストやクイズ機能などが必須です。単に動画を配信するだけでなく、学習効果を可視化できる機能があるかどうかを確認しましょう。

セキュリティ

法人が扱う動画は知的財産であると同時に、顧客や社員の情報を含む場合もあります。不正コピーを防ぐDRM、IP制限、視聴期限の設定、アクセスログの取得といったセキュリティ対策が充実していることが不可欠です。

運用サポート

システム導入後、操作に不明点が出たりトラブルが発生したりすることは避けられません。導入支援やヘルプデスク、オンラインマニュアルなどのサポート体制が整っているかを確認しましょう。

拡張性

事業が成長するにつれて、ユーザー数や配信動画本数は増えていきます。将来的に機能追加やカスタマイズが可能かどうか、スモールスタートからスケールアップまで対応できるかも重要な判断基準です。

コスト

料金体系は「定額制」「従量課金制」「販売手数料型」などに分かれます。短期的には安価に見える従量課金制でも、利用規模が拡大するとコストが膨らむ場合があります。売上に対してどれだけ利益を残せるかを考慮して選定することが必要です。

動画販売の方法と代表的なプラットフォーム

法人が動画販売を始める際には、どのような仕組みを使うかが成功を左右します。低コストで始められる方法から、セキュリティや機能性に優れた法人向けシステムまで幅広い選択肢があります。ここでは代表的な4つの方法を整理します。

ECサイト型(BASE/STORES/カラーミーショップ)

自社でECサイトを立ち上げ、ダウンロード形式で動画を販売する方法です。導入コストが低く、スモールスタートに最適です。

ただし、コピー拡散のリスクが高いため、法人利用では情報管理に注意が必要です。

動画配信システム型(ソーシャルキャスト/OneStream)

法人利用に特化した動画販売システムです。会員管理、決済、アクセス制御、学習履歴管理などが標準で搭載されており、研修やスクール型ビジネスに適しています。自社ブランドを前面に出せる点も強みです。

eラーニングシステム型(WisdomBase/etudes)

法人の教育事業や研修ビジネスに最適な仕組みです。動画販売に加えて、受講履歴の管理やテスト機能、修了証の発行など学習管理の機能を備えており、単なる配信にとどまらず「教育サービス」として展開できます。

動画を単品で販売するだけでなく、コース形式や定額制、資格・検定と組み合わせた提供も可能で、継続的に収益を確保しやすい点が大きな特徴です。

グローバル型(Udemy/Vimeo)

既存の動画学習マーケットを活用し、集客力を借りながら販売する方法です。特に教育系コンテンツや専門スキル講座に強みがあります。

ただし、販売手数料が発生し、プラットフォーム上で他社コンテンツと競合する点には注意が必要です。

動画販売開始までの流れ

法人が動画販売を始める際には、いくつかの基本ステップがあります。多くのプラットフォームに共通する流れを理解しておくことで、スムーズに事業を立ち上げることが可能です。

1. 動画コンテンツの制作・編集

まずは販売する動画を制作します。既存のセミナーや研修映像を活用する場合もあれば、新たに撮影・編集を行う場合もあります。音声や字幕の調整、不要部分のカットなど、視聴者が学びやすいように工夫することが大切です。

2. プラットフォームへのアップロード

選定した販売システムに動画をアップロードします。多くのサービスでは、ドラッグ&ドロップで簡単に登録でき、複数形式の動画ファイルに対応しています。

3. タイトル・価格・説明文を設定

購入者に魅力が伝わるよう、動画のタイトル・概要説明・価格を設定します。教育系コンテンツであれば学習効果や習得できるスキルを、セミナーであれば講師やテーマの権威性を強調すると効果的です。

4. 決済方法を整備

クレジットカード、請求書払い、銀行振込など、ターゲット顧客に合わせた決済方法を用意します。法人向けでは請求書払いに対応しているかどうかが重要なチェックポイントです。

5. 販売開始・集客施策の実施

設定が完了すれば、すぐに販売をスタートできます。プラットフォーム内での集客に加え、自社のメールマーケティングやSNS、既存顧客への案内を組み合わせることで、販売初期から成果を出しやすくなります。

補助金・助成金を活用した動画販売事業の立ち上げとは?

法人が動画販売事業を立ち上げる際、ネックになりやすいのが「初期投資の大きさ」や「収益化できるかどうか」です。動画販売システムの導入費用やコンテンツ制作コストを抑えるためには、公的な補助金を活用するのが有効です。また、助成金が対象となるサービスを立ち上げるという方法もあります。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が業務効率化や新規事業立ち上げのためにITツールを導入する際に利用できる制度です。
動画販売システムやLMS(学習管理システム)も対象に含まれる場合があり、最大で数百万円規模の補助を受けられます。これにより、自社専用の動画販売基盤を低コストで整備可能です。

【関連記事】

wisdombase.share-wis.com

wisdombase.share-wis.com

人材開発支援助成金

厚生労働省が管轄する「人材開発支援助成金」は、企業が従業員に教育訓練を実施する際、その費用を補助する制度です。
たとえば、リスキリングを目的とした研修を導入する場合、受講費用の最大75%が助成されるため、企業は低コストで従業員のスキル向上を図ることができます。
近年、本制度を活用できる研修サービス事業を立ち上げる企業が増えています。

【関連記事】

wisdombase.share-wis.com

wisdombase.share-wis.com

 

法人の動画販売活用事例

動画販売は教育事業だけでなく、幅広い業界で導入が進んでいます。ここでは法人が実際にどのように動画販売を活用しているのか、具体的な事例を紹介します。

事例① 法人向けリスキリング研修事業の拡大

株式会社デジライズでは、生成AIの導入支援と並行して、法人向けにAIリスキリング研修サービスを展開しています。

従来利用していたLMSはコストが高く、利用規模が拡大するほど負担が増えることが課題でした。そこで、動画やテキスト、試験、修了証発行までを一元管理できるプラットフォームを導入し、効率的な研修運営を実現。受講履歴や認定証の出力が容易になったことで、人材開発支援助成金の申請もスムーズに進められるようになりました。

その結果、研修事業は前年比200%の成長を遂げ、企業のリスキリング需要に応える基盤として大きな役割を果たしています。

wisdombase.share-wis.com

事例② 医療・介護分野における法定研修のオンライン化

株式会社eWeLLは、訪問看護ステーション向けクラウド型電子カルテ「iBow」を提供するヘルスケアIT企業です。同社は、法令で定められた必須研修や現場で必要とされる実践的教育を動画化し、「iBow e-Campus」としてオンライン配信を開始しました。

従来は受講証明書の発行や研修進捗の管理に大きな手間がかかっていましたが、WisdomBaseを導入したことで、修了証の自動発行や受講履歴管理が可能になりました。

現在、全国580以上(2025年2月時点)の事業所で導入が進み、訪問看護の教育水準の向上と業界全体のDX推進に寄与しています。

wisdombase.share-wis.com

事例③ 広報人材育成に特化したeラーニングサービス

株式会社ハッシン会議は、「一人の声を大きな発信力に」をミッションに、広報人材育成と組織作りを支援している企業です。

同社は、書籍やコンサルティングで培ったノウハウを活かし、広報・情報発信に特化した伴走型eラーニングサービス「Learney(ラーニー)」を立ち上げました。動画講座と講師による課題フィードバックを組み合わせることで、学んだ知識を実践に活かせる仕組みを実現しています。

wisdombase.share-wis.com

動画販売に最適なeラーニングシステム WisdomBase

wisdombase

動画販売を本格的に事業化する場合、自社ブランドを打ち出しながら安全に運用できる専用システムの導入が不可欠です。WisdomBaseは、教育・研修分野で数多くの導入実績がございます。

特長としては、動画の販売機能に加え、受講履歴・テスト機能・修了証発行まで対応し、教育ビジネスに最適化している点です。また、独自ドメイン設定やデザインカスタマイズが可能で、自社ブランドを前面に打ち出した販売サイトを構築できます。

自社ブランドで動画販売を行いたい研修会社・団体、認定試験をオンライン化し、外部向けにも販売したい企業などにおすすめです。

wisdombase.share-wis.com

wisdombase.share-wis.com

まとめ

法人による動画販売は、教育や研修の効率化を実現するだけでなく、新たな収益源を生み出し、企業ブランドの強化にもつながる取り組みです。

市場は拡大を続けており、研修やセミナー、資格講座、業界特化型の教育サービスなど、さまざまな分野で導入が進んでいます。収益モデルや販売形態には複数の選択肢があり、自社の目的や顧客ニーズに応じた設計が不可欠です。一方で、初期投資や運営体制の構築、不正利用のリスクなどの課題もあるため、補助金の活用やセキュリティ対策、学習データの活用が成功のカギとなります。

さらに、プラットフォーム選定では、機能性・セキュリティ・拡張性・コスト・サポート体制といった観点を丁寧に見極めることが重要です。

今後も動画販売は、法人にとって教育・事業成長・顧客体験を同時に高められる戦略的な取り組みとして存在感を増していくでしょう。