オンライン試験マガジン

オンライン試験マガジンは、IBTや試験の運用法などオンラインテストに関するノウハウや最新情報を発信するWebメディアです。試験に強いLMSであるWisdomBaseを提供している株式会社シェアウィズが運営しています。

【新規事業】リスキリング研修立ち上げのポイントと成功事例

本記事では、「新規事業としてリスキリング研修を提供したい」と考えている企業の代表者さまに向けて、リスキリング研修の立ち上げのポイントを解説します。

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAIの進展により、企業は従業員のスキルアップを求められる場面が増えています。
特に、業務の自動化やデジタルツールの活用が進む中、従来のスキルでは対応が難しくなっているため、リスキリング研修のニーズが高まっています。

市場の背景を分析し、助成金を活用した研修の展開方法や、成功事例を通じて具体的な運営ポイントを明確にすることで、新規事業としての可能性を広げる方法を紹介します。

リスキリングが求められている背景と市場規模

リスキリングとは?

リスキリングとは、既存社員がこれまでの経験や業務領域を活かしつつ、新しいスキルや知識を習得して業務能力を高める取り組みを指します。
企業にとっては既存人材の再教育という形であり、DX時代の変化に迅速に対応しながら、社内のリソースを効率的に活かす手段として注目を集めています。

リスキリングのメリット

企業がリスキリングに力を入れる背景には、新たなビジネスチャンスを逃さないためのスピード感と、人材不足解消の両面があります。
採用活動を行うよりも、今いる社員を教育し直すほうがコスト効率が高く、かつ企業文化を理解している人材が新規事業やプロジェクトを担当することで、意思決定がスムーズになることが期待できます。

DX、AI、Webマーケティングなどのスキルが特に注目

リスキリング対象のスキルとして特に注目を集めているのが、DX推進に関わるデータ分析や人工知能(AI)、機械学習、Webマーケティング、プログラミングなどのデジタル関連分野です。
企業が新規事業を興すうえでも、データを活用したマーケティングや、オンラインサービスを展開するためのIT技術は欠かせません。
短期間でこれらのスキルを習得できる研修プログラムが整備されつつあり、事業として展開するポテンシャルも高まっています。

なぜリスキリングが重要なのか?企業DX推進の課題

なぜリスキリング研修が重要なのでしょうか?それには企業のDX推進の課題が挙げられます。
DXの推進は多くの企業にとって重要な課題ですが、社内には乗り越えなければならないハードルが多く存在します。

デジタル人材が不足している

DX推進を担う人材はもともと市場に少なく、高度なITスキルを持つ人材を外部から採用しようとしても、採用コストや競合企業との人材争奪戦が激しいために困難を極めます。
結果として、社内にいる既存人材を再教育し、デジタル分野のスキルを身につけてもらう「リスキリング」が現実的な解となっています。

従業員の意識改革が必要である

多くの企業で、従業員の意識改革が進んでいないことがDX推進の課題となっています。
デジタル技術の導入が必要だと理解しつつも、新しいツールやシステムの活用に抵抗を示す従業員が多く、組織全体のDX推進が停滞することがあります。
特に、アナログな業務フローが根付いた企業では、業務の効率化や自動化に対する認識を変えるためのリスキリング研修が不可欠となります。

研修プログラムの整備不足

DX時代に必要なスキルは多岐にわたるため、どの領域をどのような順番で学ぶべきかを整理し、実践的な研修プログラムを構築する必要があります。
実際には、プログラムの設計に知見がない企業も少なくありません。
こうした背景から、外部の研修サービスを活用するニーズが高まっています。

リスキリング研修市場の規模と成長性

リスキリング市場は年々拡大しており、企業研修市場全体の中でも特に成長が期待されています。

経済産業省の「未来人材ビジョン」によると、2030年までにデジタルスキルを持つ人材の不足が深刻化すると予測されており、これを補うために企業がリスキリング研修を強化する動きが加速しています。
また、総務省の「情報通信白書2024」でも、企業のDX推進に伴い、リスキリングの需要が急増していることが示されています。

特に、デジタル技術の進展による業務の変革が進む中、多くの企業が既存の従業員に対して新たなスキルの習得を求めるようになっています。

そのため、企業研修市場においてリスキリングの需要が急増しており、従来の研修プログラムとは異なる、より実践的かつ即戦力となる研修が求められています。

出典:経済産業省「未来人材ビジョン」
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531001/20220531001-1.pdf

出典:総務省「情報通信白書2024」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/index.html

なぜ新規事業としての魅力が高いのか?

高い市場成長率

リスキリング研修市場は急成長しており、新規参入のチャンスが多くあります。特に、政府のリスキリング支援政策の推進や企業のDX推進の加速により、市場規模は拡大し続けています。

例えば、政府はリスキリング支援として5年間で1兆円を投じる計画を発表しており、これにより企業の研修投資が活発化しています。

2023年にはリスキリング関連の助成金申請件数が前年比30%増加しており、多くの企業が研修事業への投資を進めています。

また、デジタル技術の進化によるオンライン学習プラットフォームの普及も市場拡大を後押ししています。企業の47.5%がeラーニングやオンライン研修をリスキリングの主要手段として活用しており、これが市場成長の大きな要因となっています。

市場分析によると、今後数年間でリスキリング研修市場の成長率は年間15%以上と予測されており、新規参入企業にとって大きなビジネスチャンスとなっています。

出典:東京商工リサーチ「リスキリング支援政策と市場動向」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20241120-reskilling2024/

出典:PR TIMES「リスキリング助成金の申請件数が前年比30%増」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001747.000005089.html

出典:東京商工リサーチ「企業のリスキリング取り組み状況」https://www.tdb.co.jp/report/economic/20241120-reskilling2024/

助成金を活用した研修ニーズの増加

助成金を活用することで、企業の負担を減らしながら研修を実施することが可能となり、多くの企業が導入を進めています。
特に、中小企業においては、研修予算の確保が難しいケースも多いため、助成金を活用して社員教育を強化する動きが加速しています。
また、大企業でもリスキリングの重要性が高まり、社内研修制度の充実を図るために助成金を積極的に活用するケースが増えています。

助成金を活用すれば参入障壁が低い

助成金制度を活用することで、研修費用を大幅に抑えることが可能になります。
これにより、研修サービスを提供する側もクライアント企業へ導入提案がしやすく、立ち上げ初期から案件を獲得しやすいというメリットがあります。

人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)とは?

人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)は、厚生労働省が企業の労働者に対して実施する職業訓練や研修に関する費用を助成する制度の一つです。
近年のDX推進や産業構造の変化に合わせ、企業が事業を拡大・転換しようとする際のリスキリングを支援する目的で設けられています。

特徴としては、企業が自社の従業員に対して計画的に研修を行う場合、その研修にかかった費用や研修期間中の賃金の一部を補助する仕組みとなっており、企業の研修コスト軽減に大いに寄与します。
また、このコースを活用することで、リスキリング研修を事業として提供する側にも大きなビジネスチャンスが生まれます。

支給対象訓練

支給対象となる訓練は、企業の事業展開に必要なスキルを習得するための研修であり、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 助成対象とならない時間を除いた訓練時間数が10時間以上であること。
  2. OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること。
  3. 職務に関連した訓練であって、以下のいずれかに該当する訓練であること。
    • 企業において事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練
    • 事業展開は行わないが、事業主において企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション化やグリーン・カーボンニュートラル化を進めるにあたり、これに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練

助成率や助成金額

助成金の支給額は企業の規模や研修内容に応じて異なります。以下の表に主な助成率と助成金額の概要を示します。

企業規模 経費助成率 訓練時間10-100時間未満 訓練時間100-200時間未満 訓練時間200時間以上
中小企業 75% 30万円 40万円 50万円
大企業 60% 20万円 25万円 30万円

また、助成金の適用を受けるためには、対象となる研修が一定の条件を満たしている必要があります。
特に、DX関連スキルや業務効率向上を目的とした研修が優先的に助成される傾向にあります。
企業は申請時に必要な書類や手続きを正確に進めることで、適切な助成を受けることが可能になります。

助成金申請の流れ

助成金の申請には、以下のプロセスを順を追って進める必要があります。

  1. 事前準備・計画作成
  2. 研修の目的・対象者・内容を決定
  3. 助成金要件に適合するカリキュラムを作成
  4. 必要書類を整理し、専門家と計画を精査
  5. 申請手続き(訓練開始1か月前まで)
  6. 訓練実施計画届を作成し、労働局に提出
  7. 訓練計画書・事業計画書・対象者一覧などが必要
  8. 労働局の審査を受け、承認を取得
  9. 研修の実施
  10. 申請通りの研修を実施し、進捗・出席状況を記録
  11. 受講者の修了証や研修記録を適切に管理
  12. 助成金の支給申請(研修終了後2か月以内)
  13. 支給申請書や研修記録、支払証明書などを労働局に提出
  14. 労働局の審査完了後、助成金が支給される

リスキリング研修を新規事業として立ち上げるためのポイント

リスキリング研修事業を成功させるには、計画的な準備や助成金への理解、システムの選定など考慮すべき点があります。ここでは、新規事業としてリスキリング研修を立ち上げる際の重要なポイントを紹介します。

ポイント1:事業開始までのロードマップを知る

助成金を活用した研修事業の事業開始までの大まかなロードマップは、以下のとおりです。

  • 1ヶ月目:事業計画&資金計画の策定
    • 事業の目的やターゲット市場を明確にし、競合分析を行う。
    • 必要な資金の概算を算出し、投資回収のシミュレーションを作成。
  • 2ヶ月目:助成金の理解と社労士の連携
    • 助成金の種類や要件を調査し、自社が対象となるものを特定。
    • 社労士と相談し、申請に必要な書類や手続きを確認。
  • 3ヶ月目:研修カリキュラムの検討&策定
    • 企業ニーズに合った研修プログラムを設計。
    • 必要な講師や教材を選定し、カリキュラムを細かく構築。
  • 4ヶ月目:研修コンテンツの作成
    • 研修用の資料や教材を作成し、オンライン・対面研修のフォーマットを決定。
    • 助成金要件を満たす形で記録管理の仕組みを整備。
  • 7ヶ月目:営業体制の構築
    • ターゲット企業リストを作成し、営業戦略を立案。
    • 必要なマーケティングツール(Webサイト、パンフレット等)を準備。
  • 8ヶ月目:営業開始
    • 企業向けの説明会やセミナーを開催し、研修の導入を提案。
    • 営業活動を本格化し、契約獲得を目指す。

ポイント2:ノウハウのある社労士との連携

人材開発支援助成金は申請手続きが複雑であり、また比較的新しい助成金のため申請実績が少ない制度です。そのため、ノウハウを持っている社労士が少ないのが現状です。
しかし、申請が不採択だったということになればトラブルにもなりかねませんので、ノウハウや申請実績のある社労士との連携が非常に重要です。

ポイント3:営業担当者の助成金に関する理解

営業担当者が助成金について深く理解していることも重要です。
助成金を活用することで企業がどのようなメリットを享受できるのかを具体的に説明できることで、顧客の関心を引き、成約率を向上させることができます。
そのため、営業チーム向けの研修を実施し、助成金の基本要件、申請手順、活用事例などを学ばせることが推奨されます。

また、提案時に顧客からの質問に即座に対応できるよう、FAQリストを作成し、実際の申請プロセスに基づいた説明ができる体制を整えることが大切です。
これにより、顧客が安心して研修導入を決断できる環境を構築できます。

ポイント4:助成金の要件を満たしたカリキュラムの制作

助成金を活用するためには、要件を満たした研修プログラムを用意する必要があります。
具体的には、研修時間が一定以上であること、対象となるスキル分野が助成金の要件に適合していること、実施方法(オンライン・対面など)が明確であることが求められます。
また、研修の記録や受講者の出席状況を正確に管理し、助成金の申請に必要な証明書類を整備することも不可欠です。

ポイント5:助成金の要件を満たしたLMS(学習管理システム)の選定

助成金の適用を受けるには、適切なLMSの導入が不可欠です。
LMSは、研修の進捗状況の管理、受講者の出席記録、学習データの分析などを効率的に行うために欠かせないシステムです。
特に、助成金の申請には、受講履歴の正確な記録や受講証明の発行機能が求められるため、これらの機能を備えたLMSを選定することが重要です。

適切なLMSを導入することで、助成金の要件を満たしながら効率的に研修を運営し、受講者の学習体験の向上と業務の最適化を図ることができます。

成功事例:株式会社ナレッジリスキリングさま|リスキリング研修事業で1年で売上3億円を達成した秘訣とは?

株式会社ナレッジリスキリングさまはリスキリング研修サービスを提供開始し、約1年で売上3億円を突破という驚異的な成長を遂げました。
同社は、人材開発支援助成金を利用できるリスキリング研修を提供しています。特に中小企業向けのDX人材育成支援に焦点を当て、ターゲットを絞ることで急成長を実現しました。
助成金の申請要件に対応できるシステムを導入するなど、戦略的な取り組みが功を奏しています。
WebマーケティングやAIを活用した業務効率化など、時代のニーズに合った多彩な研修をオンラインで提供し、企業のイノベーションを推進する人材育成に貢献しています。

wisdombase.share-wis.com

リスキリング研修の提供におすすめのシステム「WisdomBase」

wisdombase.share-wis.com

成功事例でご紹介したナレッジリスキリングさまも導入いただいている「WisdomBase」についてご紹介します。

wisdombase.share-wis.com

助成金申請に必要な機能を搭載したLMS

リスキリング研修の助成金申請には、厳格な条件を満たす必要があります。WisdomBaseは、助成金要件をクリアするための機能を標準搭載 しており、スムーズな申請をサポートします。

機能 説明
受講証明書発行機能 助成金申請の際、受講の証明が必須。WisdomBaseでは、オリジナルデザインの受講証明書を自動発行できるため、申請業務を大幅に効率化。
受講履歴エクスポート機能 受講者の学習状況をCSVやExcelでエクスポート可能。助成金申請に必要なデータを簡単に管理・提出できる。
動画の早送り・スキップ制限機能 助成金対象の研修では受講時間が厳密に管理されるため、動画のスキップ・早送りを制限する機能を搭載。適正な受講管理が可能。
受講時間の制限 受講者がサイトを利用できる時間を制限する機能です。勤務時間のみにアクセスを制限し、助成金の受給対象外にならないようにします。
離席時動画停止機能 受講中に離席した場合、自動で動画が停止し、学習状況を正確に記録。
顔認証機能 & インカメラ監視機能 受講者が本人であることを確認するための顔認証機能を搭載。さらに、インカメラによる監視機能も備えており、なりすまし受講を防ぐ。

リスキリングコンテンツのご提供が可能

WisdomBaseでは、助成金に対応したリスキリング研修コンテンツも提供可能 です。研修動画を一から制作する必要がなく、すぐに研修事業を開始できます。

申請実績のある社労士をご紹介

助成金の申請には専門的な知識が求められるため、社労士との連携が不可欠 です。当社は助成金申請の実績が豊富な社労士をご紹介いたします。申請の成功率を高めることができます。

まとめ

本記事では、リスキリング研修を新規事業として立ち上げるためのポイントと成功事例について解説しました。
リスキリング研修を新規事業として立ち上げるには、助成金を活用した研修プログラムの整備や、適切なカリキュラムの作成、LMSの導入など、準備をしっかりと行うことが求められます。

リスキリング研修事業は、市場成長性が高く、助成金を活用すれば低コストで始められる魅力的なビジネスです。本記事を参考に、貴社の新規事業としてリスキリング研修を立ち上げてみてはいかがでしょうか?
もし、WisdomBaseに関心がある方は、ぜひお問い合わせや資料請求を検討してみてください。助成金対応の機能やリスキリングコンテンツの提供など、事業立ち上げに役立つサポートを提供しています。

wisdombase.share-wis.com

wisdombase.share-wis.com