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eラーニングが助成金対象!人材開発支援助成金の活用方法を解説

はじめに

「社員のスキルアップを図りたいが、研修コストが気になる…」「eラーニングを導入したいけれど、費用対効果が見えにくい…」こうした悩みを抱える人事担当者や経営者の方も多いのではないでしょうか?

特に、変化の激しい現代においては、従業員の継続的な学習とスキル向上が企業の成長に不可欠です。しかし、そのための投資には限りがあり、頭を悩ませることも少なくありません。もし、その研修費用の一部が国から助成されるとしたら?

この記事では、そんな「あったらいいな」を実現する「人材開発支援助成金」をeラーニングで活用するための具体的な方法や、知っておくべき重要なポイントを、分かりやすく解説します。あなたの会社の研修制度が、もっと効果的で、もっと導入しやすくなるヒントがここにあります。

人材開発支援助成金とは?eラーニング活用の基本を押さえる

人材開発支援助成金は、企業が従業員の職業能力開発のために計画的な研修(Off-JT)を実施する際に、その経費や研修期間中の賃金の一部を国が助成する制度です。

この制度を利用する上で最も重要な基本原則は、申請する事業主が訓練経費の全額を一旦負担するということです。教育訓練機関などから経費の返金があったり、実質的な負担額が減額されるような場合は助成金の対象外となるため、注意が必要です。

また、助成金活用のためには、「職業能力開発推進者」を選任し、「事業内職業能力開発計画」を策定・周知することが求められます。これは、企業の人材育成に関する基本的な方針を定め、従業員と共有することで、より効果的な能力開発を目指すための取り組みです。

なお、人材開発支援助成金を活用した研修サービスの提供を検討されている方は、下記の記事もご参考ください。

【研修提供企業向け】リスキリング研修ビジネスを成功に導く学習管理システムの選び方
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【新規事業】リスキリング研修立ち上げのポイントと成功事例
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eラーニングが対象となる主な助成金コース

eラーニングを導入する際に活用できる主な人材開発支援助成金のコースには、以下のようなものがあります。

人材育成支援コース

もっともベーシックで多用途な助成コースです。企業が実施する職務関連のOff-JT研修が対象となり、eラーニングも対象に含まれます。研修の受講料、教材費、外部講師謝金などが助成対象で、中小企業では最大45%、大企業は30%の経費助成が受けられます。対象者が研修後に昇給や正社員化した場合は、助成率や賃金助成額が加算される優遇措置があります。

人への投資促進コース

社員の自律的・戦略的なスキルアップを支援する新設コースです。特に定額制のeラーニングサービスの導入(受け放題型)に対して助成があります。経費助成率は中小企業で60%、大企業で45%です。研修実施には事前の計画届と、LMS等で進捗・修了管理が可能な環境が必要です。

事業展開等リスキリング支援コース

企業が新規事業に進出したり、既存事業を転換する際に必要なスキル習得を支援する目的で設けられたコースです。DX推進や新規サービスの立ち上げに必要なIoT、AI、データ分析などの研修をeラーニングで実施する場合に利用されます。経費助成率は中小企業で75%、大企業で60%です。

eラーニングシステムの導入を検討されているなら、IT導入補助金を活用することもできます。自社オリジナルの研修コンテンツを管理するためのLMSをお探しでしたら、こちらの記事をご参考ください。

【2025年版】IT導入補助金対象のeラーニングシステム3選
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eラーニング研修で人材開発支援助成金を活用する際の重要ポイントと申請の流れ

eラーニングで人材開発支援助成金を活用するためには、いくつかの重要な要件を満たし、適切な手順で申請を行う必要があります。

押さえておくべき主な要件

  • 研修時間の条件:
    • eラーニング研修が助成対象となるには、1コースあたりの標準学習時間が10時間以上であること、または1コースあたりの標準学習期間が1か月以上であることが必要です。
  • 学習管理システム(LMS)の活用:
    • 誰がどの研修をどれだけ受講したかを客観的に記録・管理できるLMSの利用が実質的に必須となります。修了証明の発行や保存も重要です。
  • 研修計画の遵守:
    • 事前に提出した研修計画通りに研修を実施し、計画期間内に修了させることが求められます。
  • 賃金助成の取扱い:
    • eラーニング研修は、原則として賃金助成の対象外となります。
  • 就業時間内での受講
    • 所定労働時間外や休日にeラーニングを受講した場合は、時間外手当や休日手当などの割増賃金を含む賃金を適正に支払う必要があります。

申請手続きのステップ

助成金の申請は、大きく分けて以下のステップで進められます。

  1. 社内責任者(職業能力開発推進者)の選任
  2. 研修計画の作成・提出: 研修開始日の1ヶ月前までに管轄の労働局へ提出します。
  3. 研修の実施: 計画に基づきeラーニング研修を実施し、LMSで受講状況を記録し、修了証明を取得します。
  4. 支給申請の準備: 研修修了後、修了証明書、経費の支出証拠(領収書など)、LMSの受講記録など、必要な書類を準備します。
  5. 支給申請の提出: 研修修了日の翌日から起算して2ヶ月以内に管轄の労働局へ提出します。
  6. 支給決定・受給: 審査を経て、問題がなければ助成金が支給されます。

書類の不備や申請期限の遅れは不支給に繋がるため、計画段階から慎重に進めることが重要です。

【要注意】不正受給とならないために

人材開発支援助成金を巡っては、「実質無料で研修が受けられる」といった不適切な勧誘を行う業者も存在しますが、これは助成金の仕組み上あり得ません。事業主が訓練経費を全額負担していることが大前提であり、実質的な負担額が減額される場合は助成対象外となります。

以下のようなケースは不正受給と見なされる可能性があるため、絶対に避けましょう。

  • 教育訓練機関からのキャッシュバックや、広告宣伝協力費などの名目で金銭を受け取る。
  • 助成金申請を前提として、不当に高額な受講料が設定されている。

不正受給が発覚した場合、企業名が公表されるだけでなく、助成金の返還や刑事告訴に至る可能性もあります。また、助成金の申請代行業務は社会保険労務士の独占業務であり、無資格のコンサルタントなどによる代行は法律で禁止されています。

不審な勧誘を受けた場合は、安易に応じず、管轄の労働局に相談することが賢明です。

【関連記事】人材開発支援助成金で約1億円が不正受給!不正の実態や罰則を解説 wisdombase.share-wis.com

ユースケースをご紹介

人材開発支援助成金は、様々な業種や職種、キャリアに応じたeラーニング研修に活用できます。自社の人材育成ニーズに合わせて最適なコースを選び、eラーニングと助成金を組み合わせることで、コストを抑えながら効果的な社員教育を実現しましょう。

ユースケース1:生成AI研修の実施で業務負担を大幅削減!食品の安全性と品質を追求

食品関連のコンサルティングを行うある企業では、AIへの苦手意識から導入が進まず、翻訳・要約といったドキュメント作成に時間がかかり、コア業務への注力不足や営業ロープレのマンネリ化が課題でした。

eラーニングによる生成AI研修を実施した結果、社員のAIリテラシーが向上。「まずはAIに聞く」文化が浸透し、翻訳・要約作業時間は約70%削減されました。担当者への問い合わせも減り、より専門的な業務に集中できるように。さらに、AIを活用した多様な営業ロープレも可能になり、組織全体の提案力向上にも繋がっています。

この事例のような生成AI研修の導入には、人材開発支援助成金が活用できる可能性があります。

  1. 事業展開等リスキリング支援コース
  2. 人への投資促進コース

ユースケース2:データ分析未経験のアパレルECチームが研修で変革!広告内製化と売上増を実現

複数のアパレルブランドを展開する企業では、EC部門がランディングページ(LP)の定量的な評価方法やデータ分析の知識不足に課題を抱えていました。また、Instagram広告などを迅速に自社運用したいというニーズもありました。

専門的なデジタルマーケティング研修を受講した結果、チーム全体のWeb解析ツール(GA4など)の活用スキルが向上。メンバーが主体的にデータを分析し施策を報告するようになり、特定担当者の負担が軽減されました。Instagramと連動した広告も戦略的に内製化でき、売上130%向上や集客数増加といった具体的な成果に繋がっています。

この事例のような、専門的なデジタルマーケティング研修を通じて従業員のスキルアップを図り、事業成果に繋げる取り組みには、人材開発支援助成金が活用できる可能性があります。

  1. 事業展開等リスキリング支援コース
  2. 人への投資促進コース
  3. 人材育成支援コース

助成金の詳細な要件や申請手続き、対象となる経費の範囲などは年度や企業の規模によって異なる場合があるため、導入を検討する際は、厚生労働省のウェブサイトを確認するか、管轄の労働局や社労士にご相談ください。

【研修提供企業向け】人材開発支援助成金に対応した研修を提供するならWisdomBase

wisdombase wisdombase.share-wis.com 最後に現在、人材開発支援助成金を利用したeラーニング研修サービスの提供を考えられていませんか?
もし人材開発支援助成金の申請要件に対応したeラーニングシステムをお探しでしたら、WisdomBaseがおすすめです。

おすすめ理由1:助成金申請に必要な機能を搭載したLMS

リスキリング研修の助成金申請には、厳格な条件を満たす必要があります。WisdomBaseは、助成金要件をクリアするための機能を標準搭載 しており、スムーズな申請をサポートします。

機能 説明
受講証明書発行機能 助成金申請の際、受講の証明が必須。WisdomBaseでは、オリジナルデザインの受講証明書を自動発行できるため、申請業務を大幅に効率化。
受講履歴エクスポート機能 受講者の学習状況をCSVやExcelでエクスポート可能。助成金申請に必要なデータを簡単に管理・提出できる。
動画の早送り・スキップ制限機能 助成金対象の研修では受講時間が厳密に管理されるため、動画のスキップ・早送りを制限する機能を搭載。適正な受講管理が可能。
受講時間の制限 受講者がサイトを利用できる時間を制限する機能です。勤務時間のみにアクセスを制限し、助成金の受給対象外にならないようにします。
離席時動画停止機能 受講中に離席した場合、自動で動画が停止し、学習状況を正確に記録。
顔認証機能 & インカメラ監視機能 受講者が本人であることを確認するための顔認証機能を搭載。さらに、インカメラによる監視機能も備えており、なりすまし受講を防ぐ。

おすすめ理由2:リスキリングコンテンツのご提供が可能

WisdomBaseでは、助成金に対応したリスキリング研修コンテンツも提供可能 です。研修動画を一から制作する必要がなく、すぐに研修事業を開始できます。

おすすめ理由3:申請実績のある社労士をご紹介

助成金の申請には専門的な知識が求められるため、社労士との連携が不可欠 です。当社は助成金申請の実績が豊富な社労士をご紹介いたします。申請の成功率を高めることができます。

ご関心がございましたらぜひ一度お問い合わせください。 wisdombase.share-wis.com wisdombase.share-wis.com

まとめ

「人材開発支援助成金」と「eラーニング」は、現代の企業にとって、従業員のスキルアップと組織力強化を実現するための強力な組み合わせです。制度を正しく理解し、適切な手続きを踏むことで、研修コストの負担を軽減しながら、質の高い教育機会を提供することが可能になります。

重要なのは、不正受給のリスクを避け、LMSを活用した確実な受講管理を行い、計画的に研修を進めることです。不明な点があれば、管轄の労働局や専門家である社会保険労務士に相談し、最新情報を確認しながら進めましょう。

この機会に、人材開発支援助成金を活用したeラーニング導入を検討し、企業の持続的な成長と従業員のキャリア形成を支援してみてはいかがでしょうか。