はじめに
「いつも同じ形式の問題ばかりで、受験者の本当の実力が測れているか不安…」「問題作成に時間がかかりすぎて、本来の業務に支障が出ている…」そんな悩みを抱えているのではないでしょうか。
この記事では、採用担当者や研修担当者の皆さまが、明日からすぐに実践できる、効果的な選択問題の作成方法を、具体的なステップ、豊富な事例、そして見落としがちな注意点とともに、余すところなく解説します。
選択問題作成の基本ステップ
選択問題を作るときは、いきなり問題文と選択肢を作り始めるのではなく、目的設定から構成の見直しまでの流れをしっかり押さえることが大切です。採用試験や研修テストにおいて、受験者の理解度を正しく把握し、かつ公正な評価が行えるように、ここでは基本的なステップを順番に解説していきます。
試験の目的を明確にする
まずは「何を測定したいのか」をはっきりさせることが重要です。たとえば、新卒採用ならば基礎知識や適正、研修ならば学習内容の理解度など、試験を通じて把握したい指標があるはずです。その目的が曖昧だと、問題を作る際に軸がブレてしまい、何を問うべきかがわからなくなる可能性があります。試験のゴールを明確に設定することで、問題全体の方向性が定まり、適切な難易度や範囲を設定しやすくなります。
問題の内容を決める
目的が固まったら、次は出題分野や内容を具体的に絞り込みます。採用試験であれば企業理念や業界知識、研修テストなら研修内容のキーポイントなど、優先的に問うべきテーマを選定しましょう。あれもこれもと手広く出題してしまうと、焦点が定まらず受験者にも負担がかかります。適切な範囲を決めることは、問題制作を効率化するだけでなく、評価の妥当性を高めるうえでも欠かせません。
問題文を作成する
問題文は受験者への問いを正確に伝える役割があります。漠然とした言い回しや複数の解釈が可能な文面だと、公平なテストを行うことが難しくなります。例えば「次のうち、正しいものをすべて選びなさい」のように、明確に指示を示す文を使うことで、受験者が迷うことなく回答できるようにしてください。問題文は簡潔かつ要点がしっかり伝わる内容になるよう、十分に推敲しましょう。
選択肢を作成する
問題文に合わせて選択肢を用意する際は、正答だけでなく誤答の作り方が質を左右します。誤答を単なるデタラメではなく、正解と近い内容や、受験者がよく勘違いしがちな選択肢にすることで、正しい知識や思考力をしっかり測定できます。また、選択肢の数が多すぎると受験者が疲弊し、少なすぎると正解率が上がりすぎる可能性があるため、バランスを考慮しながら作りましょう。
問題の見直しと修正
最後に、作成した問題と選択肢を客観的に見直す作業が欠かせません。文言の重複やわかりにくい表現、意図せず正解がわかりやすくなっているケースなどをチェックし、必要があれば修正します。また、可能であれば複数の担当者や他部門の協力者にもテストしてもらうと、思わぬ欠点を見つけることができます。こうした確認作業を怠ると、テストの信頼性が低下しかねないため、時間をかけて入念に行いましょう。
▼詳しい作り方の流れはこちら wisdombase.share-wis.com
選択問題作成時の注意点
選択問題は、作り方を誤ると本来の評価目的を果たせないばかりか、受験者に混乱やストレスを与えてしまいます。選択問題作成時の注意点を知っておくことが大切です。
明確で簡潔な表現をつかう
問題文に曖昧な表現が含まれると、受験者は「何を回答すればよいのか」がわからず戸惑ってしまいます。例えば、抽象的な言葉ばかりを使ったり、長文に情報が詰め込まれていたりすると混乱を招きます。はっきりとした言い回しを選び、重要なポイントを短い文章でまとめることで、読み手が内容を正しく理解しやすくなるように心がけましょう。
否定形はできるだけ避ける
「次のうち、正しくないものはどれか」というように、否定形で出題すると、受験者が何を求められているのか一瞬考え込みがちです。慣れない人はミスリードしやすく、実力と関係のない部分で正答率に差が生まれることもあります。できる限り肯定形で尋ねるようにし、問題解答のストレスを軽減させる工夫を行いましょう。
正答に近い誤答選択肢を作成
選択問題を作成する際、誤答を雑に作ってしまうと、正解がひときわ目立ってしまいテストになりません。受験者の理解を厳密に測るためには、正解とよく似た内容の選択肢や、受験者が誤解しやすい文言をうまく配置することが鍵となります。ただし、あまりにも紛らわしすぎる選択肢を作ると、受験者を無駄に混乱させるだけになりかねないので、あくまでも適度な難易度を意識して追加しましょう。
「正解/誤答」を暗示する表現は使わない
誤って「○○に注意しましょう(※正解)」のように、問題文や選択肢の中に安易なヒントを入れてしまうと、受験者が論理的に考えずに答えを推測できてしまう可能性があります。特に「○○すべき」「~するべきである」は正論として受け取られがちで、正解を暗示する危険があります。問題を作るときは、意図せずヒントを与えていないか常にチェックしておきましょう。
設問や選択肢の表記ルールをきめる
半角・全角の混在、表記ゆれ、文末の「です・ます」「だ・である」などがバラバラだと、思わぬところで正解が推測されてしまうことがあります。最初に表記の統一ルールを決めておくことで、出題の不公平感をなくし、受験者にも見やすい問題を提供できます。ルールブックを作り、一貫性を維持しながら問題を量産できる体制を整えると、品質の向上にもつながります。
選択問題の品質を向上させる方法
せっかく時間をかけて作った選択問題も、実際に運用してみると「思った以上に正解率が高い」「問題の意図がうまく伝わっていない」といった問題点が浮上することがあります。ここでは、そうした課題を解決するための施策と、テクノロジーを使った効率的な方法を紹介します。
試験実施後に問題の評価と改善をする
試験結果を分析し、問題ごとの正解率や誤答の傾向を確認するのは、選択問題の品質を高めるうえで非常に有効なプロセスです。例えば、ある問題に極端に正解が集中するようであれば、その問題が簡単すぎるか、選択肢の作り方に癖がある可能性があります。また、誰も正解できていない問題があれば、難易度が高すぎるか、問題文の表現に問題があるかもしれません。こうしたデータを参考に、継続的に問題を修正することで、試験全体の品質を少しずつ高めることができます。
AIやツールを活用して効率的に作成
選択問題を大規模に作成・管理したい場合、手作業では時間や人手がかかりすぎることがあります。そこで、最近は自動で問題文の複製や選択肢の候補提案を行うツールが普及しており、大量の問題を短期間で用意しやすくなっています。また、問題の難易度分析や重複チェックを行うシステムを活用すれば、客観的な評価指標をもとに改善を進めることが可能です。これらのツールを上手に取り入れることで、担当者の負担を減らしながらも、質の高い問題を効率よく作成・運用できるようになります。
▼選択問題の品質向上に役立つ方法はこちら wisdombase.share-wis.com
選択問題をオンラインで出題するならWisdomBase
オンラインで試験や研修を実施する企業が増え、それに合わせて選択問題もWeb上で出題されるケースが多くなりました。紙ベースのテストに比べ、回答の集計や結果分析がスピーディに行えるのが大きなメリットです。さらにシステムによっては、ランダム出題や自動採点などを簡単に設定できるため、運用管理の手間を大幅に削減できます。
【社内試験】明治ホールディングス株式会社の事例
実際にオンライン試験を導入している企業として、明治ホールディングス株式会社が挙げられます。明治ホールディングス株式会社では、従業員のサステナビリティ理解を深める取り組みとして「meijiサステナカレッジ」を展開しています。2023年度からはベーシック認定テストにWisdomBaseを導入し、全グループ共通のオンライン試験を実現しました。
▼導入事例の詳細はこちら wisdombase.share-wis.com
まとめ
選択問題は、一見単純な形式に見えますが、作り方を誤ると正しい評価ができないばかりか、企業や受験者両方にとって大きなストレスになります。採用や研修の場面では、明確な目的と適切な設問設計が欠かせません。本記事で紹介した基本ステップや品質向上のヒント、よくある間違いの回避法を参考に、ぜひ質の高い選択問題を作成してみてください。オンラインでの出題システムを活用すれば、運用管理の負担を軽減しながら、評価の精度を高めることも可能です。今後の試験作成や研修設計に、ぜひお役立ていただければ幸いです。
オンライン試験の導入にご関心がありましたら、お気軽に資料請求、もしくはお問い合わせください。 wisdombase.share-wis.com wisdombase.share-wis.com