オンライン試験を検討している担当者の多くが最初につまずくのは、「結局 CBT方式とは何なのか?」という点です。本記事では、「CBT方式とは」という疑問について解消し、IBT方式との違い・CBT導入メリットと課題・システム選定のポイントまで網羅的に解説します。
CBT方式とは?
CBT(Computer Based Testing)方式は、テストセンターに設置されたPC上で受験から採点・合否判定まで完結させる試験方式です。紙の答案用紙やマークシートは一切使用せず、受験者は所定の会場に出向き、ログインして解答を進めます。運営側は問題の配信・回収・自動採点をシステム上で行えるため、印刷費・紙資材・集計作業などのコストを大幅に削減できます。
CBT方式についてもっと簡単に知りたい方は、90秒のアニメーション動画で解説しています。よろしければご覧ください。
CBT方式とIBT方式の違い
オンライン試験とひと口に言っても、試験会場に集まってPCを操作するCBT方式と、自宅や職場の端末で受験するIBT方式では、求められる環境・コスト・不正対策など運営の勘所がまったく異なります。
本章では、両方式を五つの軸で並べて比較し、それぞれの長所と注意点を把握できるよう整理しました。導入を検討する際には、単に会場の有無だけでなく、受験者数の規模や試験の厳格性、将来の拡張性までも視野に入れることが重要です。
項目 |
CBT方式 |
IBT方式 |
受験場所 |
テストセンター(固定会場) |
自宅・職場など自由 |
受験端末 |
会場PC |
受験者所有PC/スマートフォン |
不正対策 |
監督官・本人確認・持込制限 |
ウェブ監視・AIプロクタリング |
コスト構造 |
会場手配・監督官費用が発生 |
物理会場コストほぼゼロ |
受験者利便性 |
受験日・場所が限定 |
いつでもどこでも受験可能 |
運営コストや現場スタッフの手配といった負担を最小限に抑えたい場合には、物理会場を必要としない IBT方式が適しています。
一方で、本人確認や試験監督を対面で行い、カンニングを限りなく排除するなど試験の厳格性を最優先に据える場合は、テストセンターで実施する CBT方式が有力な選択肢となります。
IBT方式について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
CBT方式のメリット
CBT方式は紙試験からの移行で得られる業務効率化だけでなく、全国共通のテストセンター基盤を活用して問題の漏えい防止や機材差による不公平をなくすなど、公正性と信頼性を同時に高められる点が魅力です。本章では運営者・受験者双方にもたらされる主要メリットを解説します。
厳格な監督体制で不正行為を抑止
会場では監督官が常駐し、入室前に身分証で本人確認を行います。荷物制限や監視カメラも組み合わせることで、替え玉受験やカンニングのリスクを最小化できます。
オンライン試験の不正行為や対策方法について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
受験環境トラブルの低減
会場が用意する均一スペックのPCと有線ネットワークを利用するため、端末性能や通信品質による不公平が起きにくい点も大きな利点です。
採点・合否通知の高速化
CBTシステムは回答データを即時に収集し、自動採点ルールを適用できます。試験終了直後にスコアを返却する設計も容易です。
CBT方式のデメリット
一方でCBTには会場運営や受験者の移動といった物理的制約が伴い、導入コストや利便性の面でIBTほど柔軟ではありません。また予約枠の集中やバリアフリー対応など現場ならではの課題も無視できません。ここでは実施前に把握しておくべき代表的なデメリットと、その影響を抑えるための検討ポイントを紹介します。
会場コストと監督官の手配
テストセンターの利用料や人件費が発生し、受験回数を増やすほどコスト負担は大きくなります。
受験者の移動負担
会場が遠い場合、交通費や移動時間がネックになり申込率が下がるケースも。地方在住者や多忙な社会人に配慮する必要があります。
CBT導入時に押さえるチェックリスト
CBT導入では、会場網の充実度、監督オペレーション、システム連携、セキュリティ、料金モデルを多面的に検証し、受験規模と厳格性を両立する運用設計が欠かせません。加えて、トラブル対応と将来の科目追加を見据えた拡張性もチェックしましょう。
さらに、受験者サポート窓口の整備やデータバックアップ体制も事前に確認しておくと安心です。
チェック項目 |
確認ポイント |
会場網 |
主要都市だけでなく地方にも拠点があるか |
監督オペレーション |
身分証確認フローや持込規定は明確か |
システム連携 |
受験者管理・決済・LMSとのAPI連携可否 |
セキュリティ |
データ暗号化・アクセス権限管理の仕組み |
料金モデル |
受験者課金/会場時間貸しなどプランの柔軟性 |
まとめ
- CBT方式とは、テストセンター設置PCを用いて紙なしで完結する試験方式
- IBT方式との大きな違いは、会場受験による厳格性と受験者利便性のトレードオフ
- メリット:不正抑止・環境トラブル低減・採点高速化
- デメリット:会場コスト・受験者移動負担
- 試験の目的や求める厳格性によってCBT方式/IBTの併用も選択肢です。
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