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オンライン研修活用のメリットと解決策|稟議にも使える徹底解説

はじめに

「また研修の予算策定か…」

「全国の拠点にいる社員に、どうやって質の高い学びを届けよう…」

「導入したeラーニング、全然使われていないな…」

従来の対面研修の限界を感じつつも、オンライン化への一歩をためらっている研修担当者様は少なくありません。この記事では、オンライン研修がもたらす具体的なメリットを徹底解説します。

オンライン研修の主なメリットとは?

オンライン研修がもたらす最も分かりやすく、そして経営層に響くメリットは、何と言っても圧倒的なコスト削減効果です。対面研修で発生していた会場費、講師や受講者の交通費・宿泊費、そして膨大な量の研修資料の印刷費といった直接的な経費が、オンライン化によって劇的に圧縮されます。

コスト削減の大きな効果

削減できるのは、目に見える費用だけではありません。受講者が研修会場へ移動する時間、研修担当者が会場を手配し、資料を準備するといった「見えないコスト」である人件費も大幅に削減できます。これらの時間を、より生産性の高いコア業務に充てられるようになることも、企業にとっては計り知れないメリットと言えるでしょう。オンライン研修は、単なる経費削減策ではなく、企業全体の生産性を向上させるための戦略的な一手となり得るのです。

時間と場所の制約からの解放

「新入社員研修は本社に全員集合」

「地方の営業担当者は、わざわざ東京の研修に参加」

これまでは当たり前だった光景が、オンライン研修の登場によって過去のものとなりつつあります。インターネット環境さえあれば、世界中のどこからでも、同じ質の研修を同時に受講できる。これは、オンライン研修がもたらす革命的なメリットの一つです。

この「時間と場所の制約からの解放」は、特に多拠点展開する企業や、リモートワークが浸透した現代の働き方において、絶大な効果を発揮します。全国、あるいは海外の拠点にいる従業員が、移動の負担なく、等しく最新の知識やスキルを学ぶ機会を得られるのです。これにより、拠点間で起こりがちだった情報格差やスキルのばらつきを是正し、組織全体としてのパフォーマンスを底上げすることが可能になります。

さらに、受講者にとってもメリットは大きいと言えます。録画型のオンライン研修(eラーニング)であれば、自分の都合の良い時間に学習を進めることができます。

例えば、業務の合間の隙間時間や、集中できる早朝、あるいは育児や介護と両立しながら自宅で学ぶことも可能です。これにより、これまで時間的な制約で研修参加が難しかった従業員にも、公平な学習機会を提供できるようになります。学習の機会均等を実現することは、従業員のエンゲージメントや満足度を高め、ひいては優秀な人材の定着にも繋がる重要な要素なのです。

学習効果の均質化と進捗管理の容易さ

対面研修において、研修担当者が密かに頭を悩ませる問題の一つに「講師による質のばらつき」があります。同じ研修プログラムであっても、講師のスキルや経験、あるいはその日のコンディションによって、伝え方や熱量に差が生まれ、結果として受講者の理解度や満足度に影響を与えてしまうケースは少なくありません。これでは、全社的に均質なレベルの知識・スキルを担保することが難しくなります。

オンライン研修、特にeラーニングのような録画コンテンツを活用することで、この問題を根本から解決できます。最も質の高い講義を一度収録してしまえば、それを全従業員に展開できるため、教える内容のレベルを完全に標準化することが可能です。

これにより、どの拠点の、どのタイミングで受講した従業員であっても、等しく高品質な学習体験を得られるようになります。これは、コンプライアンス研修や情報セキュリティ研修など、全社員が正確に同じ内容を理解する必要があるテーマにおいて、特に大きなメリットを発揮します。

加えて、学習管理システム(LMS:Learning Management System)と連携させることで、誰が・いつ・どの研修を・どこまで進めているのか、といった学習状況をリアルタイムで、かつ正確に把握できるようになります。対面研修のように、出欠確認や理解度テストの集計といった煩雑な事務作業はもはや不要です。LMSが自動でデータを集計し、可視化してくれるため、研修担当者は個々の進捗フォローや、全体の傾向分析、そして経営層への効果報告といった、より戦略的な業務に集中できるのです。

オンライン研修のデメリットとその克服方法

オンライン研修は多くのメリットを持つ一方で、導入をためらわせるようなデメリットや課題が存在することも事実です。しかし、それらの課題は、工夫やツールの活用によって十分に克服可能です。ここでは、代表的なデメリットと、それを乗り越えるための具体的な解決策を掘り下げていきます。

課題を正しく認識し、事前に対策を講じることが、オンライン研修を成功に導くための鍵となります。「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、光と影の両面をしっかりと見据えておきましょう。

インタラクションの不足をどう解決するか

オンライン研修で最も懸念されるのが、「受講者同士や講師とのコミュニケーションが希薄になる」というインタラクション不足の問題です。対面研修であれば、隣の席の人と自然に言葉を交わしたり、休憩時間に講師に気軽に質問したりできましたが、オンラインでは一方通行の講義になりがちです。これにより、受講者の集中力が途切れやすくなったり、孤独感からモチベーションが低下したりするリスクがあります。

この課題を解決するためには、オンラインならではの機能を最大限に活用し、意図的にコミュニケーションの機会を設計することが不可欠です。

1. ブレイクアウトセッションの活用

Web会議システムに搭載されている「ブレイクアウトセッション(ブレイクアウトルーム)」機能は、この問題を解決する強力なツールです。受講者を少人数のグループに分け、特定のテーマについてディスカッションや共同作業を行わせることで、対面研修に近い双方向の学びを実現できます。孤独感を和らげ、多様な意見に触れることで、学習内容の定着を深める効果が期待できます。

2. チャット・投票・Q&A機能の積極利用

講義の最中に、チャット機能を使ってリアルタイムで質問や意見を投稿できるようにしましょう。口頭での質問にハードルを感じる受講者も、テキストなら気軽に発言しやすくなります。また、講師はアンケートや投票機能を活用し、「ここまでの内容で理解できた方は『はい』を押してください」といった形で、こまめに受講者の反応を確認することが重要です。これにより、講義に一体感が生まれ、受講者の「参加意識」を高めることができます。

3. オンラインホワイトボードや共同編集ツールの導入

オンラインホワイトボードツールを使えば、グループワークの成果を視覚的に共有し、全員でアイデアを出し合うことが可能です。まるで同じ会議室にいるかのように、付箋を貼ったり、図を書いたりしながら、ダイナミックな協働作業が実現します。こうしたツールは、単なるインタラクションの促進に留まらず、創造性の高いアウトプットを生み出す土壌ともなります。

これらの工夫は、単に「寂しさを紛らわす」ためだけのものではありません。他者との対話や協働を通じて、知識はより深く、強固に定着します。インタラクションの設計こそが、オンライン研修の成否を分ける生命線なのです。

モチベーション維持の難しさとその対策

自宅や自席など、周囲の目がない環境で一人研修を受けるオンライン形式は、対面研修に比べて集中力を維持しにくいという側面があります。他の業務の通知が気になったり、つい別の作業をしてしまったりと、受講者の自己管理能力に学習効果が大きく左右されてしまうのです。

この「中だるみ」や「受けっぱなし」を防ぎ、最後まで高いモチベーションを維持させるためには、研修の設計段階からの緻密な工夫が求められます。

1. マイクロラーニングの導入

1つのコンテンツを1時間、2時間と長く設定するのではなく、5分から15分程度の短い単元に区切る「マイクロラーニング」の手法が非常に有効です。短い時間で一つのテーマを学びきることで、達成感が得やすくなり、集中力も持続します。スマートフォンからも手軽に視聴できるため、隙間時間を活用した学習を促進し、学習の習慣化を後押しします。

2. ゲーミフィケーション要素の取り入れ

学習プロセスに、レベルアップ、ポイント、バッジ、ランキングといったゲームの要素を取り入れる「ゲーミフィケーション」も、モチベーション維持に効果的です。例えば、一つのコースを完了したら「〇〇マスター」のバッジがもらえる、部署内で学習時間を競い合うといった仕掛けが考えられます。こうした遊び心のある演出は、学習の単調さを和らげ、受講者の「もっと学びたい」という内発的な動機付けを引き出します。

3. 事前課題と事後課題の設定

研修を「ただ視聴して終わり」にさせないために、事前・事後の課題設定が重要です。研修前には、関連する記事を読んで感想を提出させたり、自身の課題意識を言語化させたりすることで、研修への当事者意識を高めます。研修後には、学んだ内容を実際の業務でどう活かすかというアクションプランの作成や、実践報告を義務付けることで、知識の定着と行動変容を促します。LMSを活用すれば、これらの課題提出やフィードバックも効率的に管理できます。

受講者のモチベーションは、放置すれば低下していくものです。しかし、これらの能動的な仕掛けを研修設計に組み込むことで、オンラインでありながらも、緊張感とエンゲージメントの高い学習環境を創り出すことが可能なのです。

企業目線で見るオンライン研修の重要性

オンライン研修を単なる「コスト削減ツール」や「対面研修の代替品」として捉えているとしたら、その可能性を大きく見誤っているかもしれません。現代の企業経営において、オンライン研修は、変化の激しい時代を生き抜き、持続的な成長を遂げるための戦略的な投資です。

ここでは、一歩引いたマクロな視点から、なぜ今、オンライン研修が企業にとって不可欠な経営インフラとなりつつあるのか、その重要性を解説します。この視点は、稟議書や提案書に深みと説得力をもたらすはずです。

競争力強化に繋がる理由

現代は、あらゆるものが複雑に絡み合い、将来の予測が困難な「VUCA(ブーカ)」の時代と呼ばれています。このような環境下で企業が競争力を維持・強化していくためには、従業員一人ひとりが変化に素早く適応し、常に新しいスキルや知識を学び続ける「学習する組織」へと変革していく必要があります。オンライン研修は、この「学習する組織」文化を醸成するための、最も効果的なエンジンとなり得ます。

1. スピード感のある人材育成(リスキリング・アップスキリング)

DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、求められるスキルは急速に変化しています。経済産業省も、デジタル時代の人材育成の重要性を繰り返し指摘しており、企業の持続的な成長には従業員の「リスキリング(新しい職業や業務で必要とされるスキルを学ぶこと)」と「アップスキリング(現在の職務でより高度なスキルを学ぶこと)」が不可欠です。

オンライン研修であれば、最新の技術動向や市場の変化に対応した研修コンテンツを、スピーディーに全社展開できます。対面研修のように、講師や会場を確保し、日程を調整するといった時間的なロスがありません。このスピード感こそが、変化の速い時代において、他社に対する競争優位性を築く源泉となるのです。

2. 属人化の解消とナレッジマネジメントの推進

多くの企業が抱える課題の一つに、ベテラン社員の持つ知識やノウハウが特定の個人に留まってしまう「属人化」があります。オンライン研修を活用すれば、これらの暗黙知を動画コンテンツなどの形式知に変換し、組織全体の資産として蓄積・共有することが可能です。

これにより、ベテラン社員の退職による技術継承のリスクを低減できるだけでなく、組織全体の業務効率や品質を標準化し、底上げすることができます。これは、効果的なナレッジマネジメントの実践そのものです。

3. データに基づいた戦略的人材育成

LMSに蓄積された学習データは、企業の「人材という資産」を可視化する宝の山です。誰がどのようなスキルに関心を持ち、どの分野の学習が進んでいるのかを分析することで、個人のキャリア開発支援に役立てることはもちろん、組織としてどのスキルが不足しているのか、次世代リーダー候補は誰か、といった戦略的な人材配置や育成計画の立案が可能になります。勘や経験に頼るのではなく、データに基づいた客観的な意思決定を行う「タレントマネジメント」の実現は、企業の競争力を飛躍的に高めるでしょう。

つまり、オンライン研修への投資は、未来の事業を担う人材を育成し、組織としての知識レベルを高め、データに基づいた強い組織を作るための、極めて合理的な経営判断なのです。

オンライン研修で得られるスキル・知識

オンライン研修の価値は、プログラムで教えられる専門知識やビジネススキルだけに留まりません。実は、「オンラインで学ぶ」という行為そのものが、現代のビジネスパーソンにとって必須とも言える、重要なポータブルスキルを育む機会となります。研修担当者としては、こうした副次的な効果にも目を向け、その価値を社内にアピールすることが重要です。

研修を通じて、従業員がどのように成長できるのか、その可能性を具体的に示していきましょう。

適応力とデジタルスキルの向上

これからの時代を生き抜く上で、最も重要視される能力の一つが「適応力」です。新しいツールやシステムが次々と登場し、働き方やビジネスモデルが常に変化し続ける中で、その変化に柔軟に対応し、自らをアップデートし続ける能力が求められます。オンライン研修は、まさにこの適応力を養うための絶好のトレーニングの場となります。

1. 自律的学習能力の向上

対面研修のように、決められた時間に決められた場所へ行けば受け身でも学べる環境とは異なり、オンライン研修、特にeラーニングでは、自ら学習計画を立て、時間を確保し、集中して取り組むという「自律性」が求められます。最初は戸惑うかもしれませんが、このプロセスを繰り返すうちに、「自分で目標を設定し、達成に向けて自己を管理する能力」、すなわち「自律的学習能力」が自然と身についていきます。

このスキルは、研修の場だけでなく、日常業務において新しい課題に取り組む際や、自らのキャリアを主体的に形成していく上でも、極めて強力な武器となります。

2. デジタルリテラシーの向上

オンライン研修を受講する過程で、従業員は必然的に様々なデジタルツールに触れることになります。Web会議システム(Zoom, Teamsなど)、チャットツール、LMS、オンラインホワイトボード、共同編集ドキュメントなど、これらのツールを使いこなす経験は、そのままデジタルリテラシーの向上に直結します。

企業のDX推進には、全従業員のデジタルリテラシーの底上げが不可欠です。オンライン研修は、特定のITスキルを学ぶ研修であると同時に、日々の業務でデジタルツールを当たり前に活用するための実践的な訓練にもなっているのです。オンラインでのコミュニケーションやコラボレーションに慣れることは、リモートワークや多拠点での協業を円滑に進める上でも、欠かせないスキルと言えるでしょう。

研修を通じて、従業員は単に知識を得るだけではありません。学び方そのものを学び、変化に対応するための基礎体力を身につけるのです。

オンライン研修の導入は、従業員一人ひとりを、そして組織全体を、未来の変化に対応できるしなやかで強い存在へと成長させる、価値ある投資なのです。この記事が、あなたの会社でオンライン研修という新たな扉を開く、力強い後押しとなることを心から願っています。

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4. 学習状況の可視化と継続的な改善

ダッシュボード上で受講データやテスト結果をリアルタイムに分析。得られた学習データをもとに教材の改善が行えるため、研修効果を継続的に向上させることができます。これにより、教育コストの最適化とスキル向上の両立が可能になります。

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