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オンライン研修のやり方と効果的な導入方法

はじめに

「来期の研修、オンラインで企画してくれないか」

「全国の拠点に、コストを抑えつつ質の高い教育を提供したい」――。

ある日突然、こんな業務を与えられ、途方に暮れていませんか?これまで対面研修しか経験がなく、何から手をつければ良いのか、そもそもオンラインで対面と同じ熱量や効果を生み出せるのか…そんなふうに困っている研修担当者の方も少なくないでしょう。

この記事は、まさにそんな貴方のためのものです。オンライン研修の企画から実行、効果測定に至るまでの全ステップを網羅的に解説し、具体的なツールや他社の成功事例、さらには上司を説得するためのデータまで、あなたの知りたい情報をすべて詰め込みました。

オンライン研修の基本とは

オンライン研修が当たり前になった今、その言葉の定義や本質を正しく理解できているでしょうか。単に「対面研修をWeb会議ツールで中継すること」だと考えているなら、それは大きな間違いです。効果的なオンライン研修を実現するためには、まずその基本を体系的に学ぶ必要があります。

ここでは、オンライン研修とは何か、従来の研修と何が違うのか、そして導入から進行、フォローアップに至るまでの基本的な流れを、初心者の方にも分かりやすく解説します。このセクションを読めば、オンライン研修の全体像がクリアになり、具体的な計画を立てるための土台が固まります。

オンライン研修と従来の研修との違い

オンライン研修と従来の対面研修は、単に実施場所が違うだけではありません。学習効果やコスト、参加者の体験など、様々な側面で根本的な違いがあります。その特性を理解することが、適切な研修設計の第一歩です。

項目 オンライン研修 従来の対面研修
場所 インターネット環境があればどこでも可能 指定された研修会場・会議室
時間 ライブ配信(同期型)と録画配信(非同期型)で柔軟に調整可能 指定された日時に集合する必要がある
コスト 会場費、交通費、宿泊費、印刷費などが不要 会場費、交通費、宿泊費、資料印刷費などが発生
参加範囲 全国・海外の拠点の従業員が同時に参加可能 会場に物理的に来られる範囲に限定されがち
コミュニケーション チャット、投票機能、ブレイクアウトセッションなどを活用。非言語情報が伝わりにくい側面も。 表情や身振り手振りを含めたリッチなコミュニケーションが可能。一体感が醸成しやすい。
学習スタイル 個人のペースで繰り返し学習できる(オンデマンド型)。集中力の維持が課題。 講師や他の参加者との相互作用の中で学ぶ。受動的になりにくい。
データ活用 受講履歴、視聴時間、テスト結果などのデータを自動で収集・分析しやすい。 理解度や満足度をデータ化するには、アンケートの集計など手間がかかる。

このように、オンライン研修はコストと場所に縛られない柔軟性を持つ一方で、コミュニケーションの質や参加者のモチベーション維持に工夫が求められます。

オンライン研修で必要なもの

「いざオンライン研修を!」と思っても、何から準備すれば良いか分かりませんよね。ここでは、研修を成功させるために最低限必要なものを「機材」「ツール」「環境」「人材」の4つの観点から具体的にリストアップします。

  • 機材(ハードウェア)
    • パソコン
      • 講師、運営スタッフ、受講者ともに必須です。スペックは高価なものである必要はありませんが、Web会議ツールがスムーズに動作する程度の性能は確保しましょう。
    • Webカメラ
      • 講師の表情をクリアに伝えるために、PC内蔵のものではなく、フルHD画質(1080p)以上の外付けカメラを推奨します。受講者側も、可能な限りカメラONを推奨することで、双方向性を高められます。
    • マイク
      • 講師の音声は研修の品質を左右する最も重要な要素です。PC内蔵マイクは環境音を拾いやすいため、クリアな音声を届けられる単一指向性のUSBマイクやピンマイクの利用を強く推奨します。
    • モニター
      • 講師は、プレゼンテーション資料を映す画面と、参加者の顔やチャットを確認する画面を分けるために、デュアルモニター(2画面)環境があると格段に運営しやすくなります。
  • ツール(ソフトウェア)
    • Web会議システム
      • Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどが代表的です。ブレイクアウトセッション機能、投票機能、ホワイトボード機能など、研修目的に合った機能を備えたツールを選びましょう。有料版の方が、時間制限がなく、参加人数も多いため研修には適しています。
    • LMS(学習管理システム)
      • Learning Management Systemの略で、研修の案内、教材の配布、受講履歴の管理、テスト・アンケートの実施などを一元管理できるシステムです。研修の規模が大きい場合や、継続的に実施する場合は導入を検討しましょう。
    • チャットツール
      • SlackやMicrosoft Teamsなど、研修中の質疑応答や、研修前後のコミュニケーションを円滑にするために活用します。
  • 環境
    • 安定したインターネット回線
      • 映像や音声が途切れると、研修内容が伝わらないだけでなく、参加者の集中力も削いでしまいます。講師側は、可能な限り有線LAN接続を推奨します。受講者にも事前に推奨環境をアナウンスしましょう。
    • 静かで明るい場所
      • 講師は、背景に余計なものが映り込まず、生活音が入らない静かな場所を確保しましょう。顔が明るく見えるように、照明(リングライトなど)を用意するのも効果的です。
  • 人材
    • 講師
      • 分かりやすく話すスキルはもちろん、オンライン特有のツールの操作に慣れ、参加者を飽きさせないファシリテーション能力が求められます。
    • 運営サポート(事務局)
      • 講師が進行に集中できるよう、受講者の入退室管理、機材トラブルへの対応、チャットでの質問対応、ブレイクアウトセッションの割り振りなどを担当するスタッフがいると、研修の質が格段に向上します。

オンライン研修導入のステップ

思いつきで始めても、効果的なオンライン研修は実現できません。成功のためには、計画的かつ段階的に導入を進めることが不可欠です。ここでは、企画から改善までを6つのステップに分けて解説します。

  1. 目的・目標設定(Why)
    • なぜこの研修をオンラインで実施するのか?」「研修を通じて、受講者にどうなってほしいのか?」を明確にします。例えば、「全国の営業担当者の商談化率を10%向上させる」「新入社員が3ヶ月以内に自社の理念を自分の言葉で説明できるようになる」など、具体的で測定可能な目標(KGI/KPI)を設定します。
  2. 企画・設計(What/How)
    • 設定した目標を達成するために、どのような内容(What)を、どのような形式(How)で提供するかを設計します。対象者、研修時間、ライブ配信かオンデマンドか、どのようなインタラクティブ要素を取り入れるかなどを具体的に決定します。
  3. コンテンツ作成(Create)
    • 設計に基づいて、研修で使用する資料(スライド、動画、ワークシートなど)を作成します。オンラインでは、文字ばかりのスライドは飽きられやすいため、図やイラストを多用し、視覚的に分かりやすいデザインを心がけましょう。
  4. 環境準備・リハーサル(Prepare)
    • 使用する機材やツールを準備し、必ず本番と同じ環境でリハーサルを行います。音声や映像のチェック、ツールの操作確認、時間配分の確認など、講師と運営サポートが連携して入念にチェックします。想定されるトラブルと、その対処法も事前に決めておきましょう。
  5. 実施(Do)
    • いよいよ本番です。冒頭でアイスブレイクを取り入れて場を和ませ、研修の目的とゴールを参加者と共有しましょう。講師は一方的に話すだけでなく、チャットや投票機能を使って頻繁に参加者に問いかけ、双方向のコミュニケーションを意識します。
  6. 効果測定・改善(Check/Action)
    • 研修終了後、アンケートや理解度テストを実施し、目標の達成度を測定します。受講者の声やデータを分析し、「何が良かったのか」「どこを改善すべきか」を洗い出します。その結果を次回の研修企画に活かすことで、研修の質を継続的に高めていくことができます(PDCAサイクル)。

オンライン研修の進行方法

オンライン研修の成否は、当日の進行(ファシリテーション)にかかっていると言っても過言ではありません。参加者を飽きさせず、集中力を維持させるための工夫が随所に必要です。ここでは、標準的な90分間の研修を例に、具体的な進行方法を紹介します。

【90分研修のタイムテーブル例】

時間 内容 ポイント
開始前 (5分) BGMを流し、入室待機 早く入室した参加者が手持ち無沙汰にならないように配慮。簡単な操作案内などを画面に表示しておく。
0-5分 アイスブレイク・オリエンテーション 研修の目的、ゴール、タイムテーブル、ルール(質問方法など)を明確に伝える。簡単な自己紹介や投票機能を使ったアンケートで参加者の緊張をほぐす。
5-25分 講義① (20分) 一方的に話すのは15~20分が限界。図やイラストを多用したスライドで視覚に訴える。
25-30分 個人ワーク (5分) 講義内容を踏まえた簡単な問いを投げかけ、チャットやホワイトボードに書き込んでもらう。
30-45分 講義② (15分) 個人ワークの回答をいくつか取り上げながら、次のテーマに進む。
45-50分 休憩 (5分) 必ず休憩を入れる。BGMを流し、再開時間を明確に表示する。
50-70分 グループワーク (20分) ブレイクアウトセッションを活用。明確な指示と役割分担を与え、主体的な議論を促す。講師や運営は各ルームを巡回してサポートする。
70-85分 全体共有・質疑応答 (15分) 各グループの代表者に発表してもらう。残った時間で質疑応答。拾いきれない質問は後日回答することを伝える。
85-90分 まとめ・クロージング 本日の学びを要約し、アンケートの案内をする。ポジティブな言葉で締めくくる。

この例のように、講義、個人ワーク、グループワークを組み合わせ、参加者が受け身になる時間を極力減らすことが重要です。

参加者のフォローアップ方法

「研修をやって終わり」では、学習効果は半減してしまいます。学んだ知識やスキルを現場で実践し、定着させるためのフォローアップが不可欠です。

  • アンケートの実施
    • 研修直後に満足度や内容の理解度に関するアンケートを実施します。Google FormsやMicrosoft Formsなどの無料ツールで簡単に作成できます。自由記述欄を設け、具体的な意見を収集しましょう。
  • 理解度テスト
    • 研修内容が正しく理解できているかを確認するためのテストを実施します。LMSに搭載されているテスト機能や、クイズ作成ツールを活用すると良いでしょう。
  • アーカイブ動画の共有
    • 研修を録画し、参加者が後からでも見返せるようにします(オンデマンド学習)。欠席者のフォローにもなり、繰り返し学習することで知識の定着が期待できます。
  • フォローアップセッションの開催
    • 研修から1ヶ月後など、期間を空けてフォローアップの場を設けます。実践してみての疑問点や成功体験を共有する会を開くことで、学びをさらに深めることができます。
  • 個別面談
    • 特に重要な研修や、成果に課題が見られる受講者に対しては、上長や研修担当者が1on1で面談し、個別の課題解決をサポートします。

これらのフォローアップ施策を計画的に行うことで、研修投資の効果を最大化することができます。

オンライン研修のメリット

多くの企業がオンライン研修へ移行しているのには、明確な理由があります。コスト削減という直接的なメリットはもちろん、働き方が多様化する現代において、企業と従業員の双方にとって大きな価値をもたらします。

ここでは、オンライン研修がもたらす5つの主要なメリットを、具体的なデータや視点を交えて詳しく解説します。これらのメリットを理解し、上層部や関連部署に説明できるようになることで、導入の説得力は格段に増すでしょう。

コスト削減効果

オンライン研修最大のメリットは、なんといっても劇的なコスト削減効果です。

具体的には、以下の費用が削減できます。

  • 会場費
    • 研修会場や貸し会議室をレンタルする費用が一切かかりません。
  • 交通費・宿泊費
    • 遠方の拠点から参加する従業員の移動費や宿泊費が不要になります。全国に拠点を持つ企業ほど、この効果は絶大です。
  • 資料印刷費
    • 研修資料をデジタルデータで配布するため、大量の紙代や印刷代、配布の手間がなくなります。
  • 講師の移動コスト
    • 外部から講師を招聘する場合でも、講師の交通費や宿泊費が不要になります。これにより、これまで地理的な制約で依頼できなかった優秀な講師にも、依頼しやすくなります。

柔軟なスケジューリング

オンライン研修は、時間と場所の制約から従業員を解放します。対面研修のように、特定の日に特定の場所へ全員が集まる必要がありません。これにより、業務との両立が格段にしやすくなります。例えば、顧客とのアポイントが急に入った営業担当者も、移動中の隙間時間にスマートフォンでオンデマンド型の研修を受講できます。

また、育児や介護などで長時間家を空けられない従業員も、在宅で気兼ねなく研修に参加できるようになります。これは、多様な働き方を支援し、全従業員に公平な学習機会を提供するというダイバーシティ&インクルージョンの観点からも非常に重要です。ライブ配信(同期型)であっても、移動時間がないだけで、従業員の負担は大幅に軽減されます。

広範な受講者アクセス

物理的な制約がないオンライン研修は、より多くの従業員に学習の機会を提供することを可能にします。これまで、コストや距離の問題で研修への参加が難しかった地方や海外の拠点の従業員も、本社と同じ質の高い研修を同時に受けることができます。これにより、企業理念の浸透や全社的なスキルの標準化を促進できます。

実際に、あるグローバル企業では、時差を考慮して複数の時間帯で同じオンライン研修を実施し、全世界の従業員が参加できる体制を構築しました。受講者数の上限を気にする必要がないため(ツールのプランによる)、全社一斉のコンプライアンス研修や情報セキュリティ研修などにも最適です。

環境への配慮

サステナビリティやSDGsへの貢献が企業に求められる現代において、オンライン研修の導入は環境負荷の低減にも繋がります。まず、資料をデジタル化することによるペーパーレス化は、森林資源の保護に貢献します。また、従業員や講師の移動がなくなることで、飛行機や新幹線、自動車の利用に伴うCO2排出量を大幅に削減できます。

新たな技術スキルの習得

オンライン研修に参加する過程そのものが、従業員のデジタルリテラシー向上に繋がるという副次的なメリットも見逃せません。Web会議ツール、チャットツール、LMS、オンラインホワイトボードなど、研修で利用される様々なITツールに触れることで、従業員は自然とそれらの操作に習熟していきます。これらのスキルは、研修の場だけでなく、日常の業務におけるリモートワークや他拠点とのコミュニケーションにも直接活かされます。

研修担当者が意図的に新しいツールや機能を研修に取り入れることで、全社的なDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のきっかけとすることも可能です。研修を通じて、学びと同時にデジタルスキルの向上も促せるのは、オンラインならではの大きな利点です。

オンライン研修のデメリット

オンライン研修には多くのメリットがある一方で、対面にはない特有の課題やデメリットも存在します。これらの課題を事前に認識し、対策を講じなければ、「コストは下がったが、効果はそれ以上に下がってしまった」という本末転倒な結果になりかねません。

ここでは、オンライン研修で直面しがちな5つのデメリットを率直に解説します。成功のためには、光の部分だけでなく、影の部分にもしっかりと目を向けることが重要です。

コミュニケーションの課題

オンライン環境では、対面と比べてコミュニケーションの質と量が低下しがちです。その最大の要因は、表情や声のトーン、身振り手振りといった「非言語情報」が伝わりにくい点にあります。

また、休憩時間や研修前後の雑談から生まれる偶発的なコミュニケーションが皆無になるため、参加者同士の一体感や連帯感が醸成されにくいという課題もあります。

技術的トラブルのリスク

オンライン研修は、テクノロジーへの依存度が高い分、技術的なトラブルのリスクと常に隣り合わせです。「講師の声が聞こえない」「映像が固まってしまう」「共有された資料が見られない」「ツールにログインできない」といったトラブルは日常茶飯事です。これらの問題は、研修の進行を妨げるだけでなく、参加者の集中力や学習意欲を著しく削いでしまいます。

特に、講師や運営側のトラブルは研修全体を中断させてしまう可能性があります。また、参加者それぞれのITリテラシーや利用環境が異なるため、一部の参加者だけがトラブルに見舞われ、学習から取り残されてしまうケースも少なくありません。事前の準備やサポート体制が不十分だと、研修時間の多くをトラブル対応に費やすことになりかねません。

参加者の集中力の維持

自宅など、リラックスできる環境で受講できるのがオンライン研修のメリットである一方、それは集中力を阻害する要因にもなり得ます。周囲にはテレビやスマートフォン、家族など、誘惑が多く存在します。また、他の参加者の視線がないため、「ながら受講」(メールをチェックしながら、他の作業をしながらなど)に陥りやすい傾向があります。

実際に、ある調査では、オンライン研修中に他の作業をしてしまった経験がある人が約6割にのぼるという結果も出ています。講師が一方的に話し続けるだけの単調な研修では、参加者は早々に興味を失い、画面を見ているだけの「幽霊部員」になってしまうリスクが高いのです。

インターネット環境の影響

オンライン研修の品質は、参加者一人ひとりのインターネット環境に大きく左右されます。講師側の回線が不安定なのは論外ですが、受講者側の通信環境が悪い場合も深刻な問題です。映像や音声が途切れ途切れになり、重要な内容を聞き逃してしまったり、グループワークにスムーズに参加できなかったりと、学習機会に格差が生まれてしまいます。

特に、全社一斉にライブ配信を行う場合、企業のネットワーク帯域が逼迫し、全体のパフォーマンスが低下する可能性も考慮しなければなりません。全ての参加者に快適な受講環境を保証することは、オンライン研修における永遠の課題の一つと言えるでしょう。

フィードバックの不足

対面研修であれば、講師は参加者の頷きや表情、視線の動きから、内容が伝わっているか、退屈していないかといった空気感をリアルタイムで感じ取ることができます。しかし、オンラインではその「肌感覚」を得ることが非常に困難です。参加者がカメラをオフにしていれば、その反応は全く分かりません。これにより、講師から参加者へのフィードバック(例:「〇〇さん、良い表情ですね。理解できていますか?」)も、参加者から講師へのフィードバック(例:疑問に思った瞬間に少し首をかしげる)も、双方向で行われにくくなります。

結果として、講師は手応えのないまま話し続けることになり、参加者は疑問を解消できないまま研修を終えてしまうという、不幸なすれ違いが起こりやすくなります。

効果的なオンライン研修のコツ

オンライン研修のデメリットを克服し、その効果を最大限に引き出すためには、いくつかの重要な「コツ」があります。単にコンテンツをオンラインに乗せ換えるだけではなく、オンラインという環境の特性を理解した上で、意図的に「仕掛け」を組み込むことが成功の鍵となります。

ここでは、明日からすぐに実践できる5つの具体的なテクニックを紹介します。これらのコツを組み合わせることで、参加者の満足度と学習効果を飛躍的に高めることができるでしょう。

インタラクティブなコンテンツの活用

参加者を「視聴者」から「当事者」へと変える最も効果的な方法が、インタラクティブ(双方向)なコンテンツの活用です。講師が一方的に話す時間を減らし、参加者が能動的に関わる場面を意図的に作り出しましょう。

  • ポーリング(投票機能)
    • 「このテーマについて、Aだと思う人?Bだと思う人?」といった簡単な質問を投げかけ、リアルタイムで回答を集計・共有します。参加者の意見分布が可視化され、議論のきっかけになります。
  • チャットの活用
    • 「今の説明で分かった方は『OK』と入力してください」「〇〇についてのあなたの経験をチャットで共有してください」など、チャットへの書き込みを促します。これにより、発言が苦手な人も気軽に参加できます。
  • クイズ
    • 講義の合間に、理解度を確認するための簡単なクイズを出題します。ゲーミフィケーションの要素が加わり、楽しみながら知識の定着を図れます。
  • オンラインホワイトボード
    • 複数人が同時に付箋を貼ったり、図を書いたりできます。ブレインストーミングやアイデアソンに最適です。

これらの機能を5~10分に1回程度の頻度で挟むことで、参加者の集中力を維持し、研修へのエンゲージメントを高めます。

定期フィードバックの実施

オンライン研修では、意識的にフィードバックの機会を設けることが不可欠です。講師と参加者、あるいは参加者同士の双方向コミュニケーションを活性化させましょう。

  • 研修中の理解度確認
    • 前述のポーリングやチャットに加え、「ここまでで質問はありますか?」とこまめに問いかけ、質疑応答の時間を確保します。挙手機能やQ&A機能を活用するのも有効です。
  • 研修後のアンケート
    • 研修直後に必ずアンケートを実施し、内容の満足度だけでなく、「最も役に立ったこと」「分かりにくかったこと」などを具体的に記述してもらいます。このフィードバックが、次回の改善に繋がる貴重な財産となります。
  • ピア・フィードバック
    • グループワークの最後に、メンバー同士で良かった点や改善点を伝え合う時間を設けます。他者からの客観的なフィードバックは、新たな気づきを促します。

フィードバックは、研修の質を高めるだけでなく、参加者に「自分の意見が尊重されている」という安心感を与え、主体的な参加を促す効果もあります。

問題解決のためのセッション

知識をインプットするだけの研修では、学習効果は限定的です。学んだ知識を使って、実際に課題を解決する体験をさせることが重要です。

  • ブレイクアウトセッションの活用
    • オンライン研修で最も強力な機能の一つです。少人数のグループに分かれてディスカッションを行うことで、全員が発言する機会を得られます。「ある課題に対する解決策を3つ挙げてください」といった具体的なお題と、明確な時間制限を設けることが成功のポイントです。
  • ケーススタディ
    • 実際の業務で起こりうる具体的な事例(ケース)を提示し、グループでその最適な対応策を議論させます。これにより、学習内容が「自分ごと」になり、実践的な思考力が養われます。
  • ロールプレイング
    • 営業研修やクレーム対応研修などでは、ブレイクアウトセッションを使って役割を演じさせる(ロールプレイング)のも非常に効果的です。他の参加者からの客観的なフィードバックが、スキルの向上に直結します。

参加者同士の交流促進

オンライン研修では希薄になりがちな「横のつながり」を意図的に作ることも、研修担当者の重要な役割です。参加者同士の交流は、学習効果を高めるだけでなく、組織の一体感醸成にも繋がります。

  • 工夫を凝らした自己紹介
    • 冒頭の自己紹介で、単に名前と部署を言うだけでなく、「最近ハマっていること」「この研修で期待すること」といったテーマを加えるだけで、お互いの人となりが分かり、場の空気が和みます。
  • グループワークの活用
    • 前述のブレイクアウトセッションは、まさに交流を促進するための最適なツールです。定期的にメンバーをシャッフルすることで、より多くの人と話す機会を作れます。
  • 研修前後の非公式な場
    • 研修の数日前に、参加者限定のチャットグループを作成し、自己紹介や研修への意気込みを投稿してもらうのも良いでしょう。また、研修後に希望者参加の「オンライン懇親会」を企画するのも一案です。

適切なチームビルディング活動の導入

研修の冒頭や、少し雰囲気が硬くなってきたタイミングで、オンラインでできる簡単なチームビルディング活動(アイスブレイク)を取り入れると、参加者の緊張がほぐれ、発言しやすい雰囲気が生まれます。

  • 共通点探しゲーム
    • ブレイクアウトセッションで4~5人のグループに分かれ、制限時間内にメンバーの共通点をできるだけ多く見つけてもらいます。お互いを深く知るきっかけになります。
  • チェックイン・チェックアウト
    • 研修の開始時(チェックイン)に「今の気分は?」、終了時(チェックアウト)に「今日の学びを一言で」といった問いを投げかけ、全員に一言ずつ話してもらいます。
  • バーチャル背景の活用
    • 「あなたの地元の名物」や「好きな映画」など、テーマを決めてバーチャル背景を設定してもらい、それについて話すのも盛り上がります。

これらの活動は、楽しみながら相互理解を深め、心理的安全性の高い学習環境を作り出す上で非常に効果的です。

オンラインでの研修にWisdomBase

wisdombase https://wisdombase.share-wis.com/

WisdomBase(ウィズダムベース)は、クラウド型のeラーニングシステムとして、教材の管理から学習状況の可視化までを一括で行える次世代型LMS(学習管理システム)です。
直感的なユーザーインターフェースと多彩な機能で、企業研修の効率化と成果向上を同時に実現。導入直後から社内教育をスムーズに運用できるよう設計されており、業務負担の軽減と学習効果の最大化を支援します。

1. わかりやすいUIと統合型の運用機能

コースの作成、進捗管理、成績の確認までをすべてWeb上で完結。受講者も管理者も迷わない画面設計で、初日からスムーズな運用が可能です。結果として、受講率の向上と管理業務の効率化が同時に叶います。

2. あらゆる教材形式に対応した柔軟性

動画、PDFなど、幅広いコンテンツ形式を簡単にアップロード可能。インタラクティブな教材作成もスムーズに行えるため、最新のトレンドに即した学習体験をスピーディーに提供できます。

3. カスタマイズとサポートで企業研修を強力に支援

導入後も、経験豊富な専任スタッフがオンラインで継続支援。トラブル対応はもちろん、権限の細かな設定もお任せいただけます。事業の成長に応じたスケールアップも柔軟に対応可能です。

4. 学習状況の可視化と継続的な改善

ダッシュボード上で受講データやテスト結果をリアルタイムに分析。得られた学習データをもとに教材の改善が行えるため、研修効果を継続的に向上させることができます。これにより、教育コストの最適化とスキル向上の両立が可能になります。

eラーニングシステムの導入をご検討中の方へ。
WisdomBaseなら、運用のしやすさと学習効果の両立を実現できます。
「社内教育をもっと効率的にしたい」「自社に合ったLMSを探している」とお考えの方は、ぜひ資料請求やお問い合わせフォームからご相談ください。 wisdombase.share-wis.com wisdombase.share-wis.com