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初心者にも分かるeラーニング動画作成のポイント

はじめに

「研修資料の山、Zoom録画の垂れ流し、本当に社員の心に届いていますか?」――。

コストと時間をかけて準備した研修が、結局「やっただけ」で終わり、現場の行動変容に繋がらない。そんなもどかしさを感じている研修担当者の方は、決して少なくないはずです。

効果測定ができ、学習効果が高く、しかも効率的に量産できる「eラーニング動画」の作成ノウハウを、企画の基本から、具体的な制作手順、品質向上のテクニック、さらにはコンプライアンス上の注意点まで、網羅的に解説します。この記事を読み終える頃には、eラーニング動画作成の内製化に向けた確かな一歩を踏み出せる知識が身についているはずです。

eラーニング動画作成の基本とは

eラーニング動画がなぜ今、これほどまでに企業研修のスタンダードとなりつつあるのでしょうか。その背景には、働き方の多様化やテクノロジーの進化といった大きな変化があります。

ここでは、動画作成の具体的なステップに入る前に、eラーニング動画の重要性や市場の動向、基本的な動画形式、そして学習効果を最大化するための特長など、すべての担当者が押さえておくべき「基本のき」を解説します。

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eラーニング動画のニーズと重要性

近年、企業研修におけるeラーニングの市場規模は拡大の一途をたどっています。働き方の多様化により、全社員を一箇所に集める集合研修が困難になる一方で、時間や場所を選ばずに学べる動画教材のニーズは高まるばかりです。特に、変化の激しいビジネス環境において、新製品情報や法改正、コンプライアンス知識などを迅速かつ正確に全社展開する必要があり、その最適な手段としてeラーニング動画が不可欠なツールとなっています。

企業がeラーニング動画を選ぶ理由

企業が集合研修や静的な資料からeラーニング動画へとシフトするのには、明確な理由があります。

第一に、コスト削減効果です。一度制作すれば繰り返し利用できるため、研修のたびに発生する講師費用や会場費、参加者の交通費・宿泊費などを大幅に削減できます。

第二に、教育の標準化です。講師によって内容や質にばらつきが出がちな集合研修と異なり、動画であれば全社員に均一な品質の教育を提供できます。

第三に、学習効果の向上です。視覚と聴覚に訴えかける動画は、テキストのみの教材に比べて記憶に残りやすいとされています。必要な時に必要な部分だけを繰り返し視聴できる点も、知識の定着を強力に後押しします。

主なeラーニング動画形式について

eラーニング動画と一言でいっても、その表現方法は多岐にわたります。目的に応じて最適な形式を選択することが重要です。

  • セミナー/講義形式
    • 講師がスライドを投影しながら解説する、最も一般的な形式です。
    • 既存の研修資料を流用しやすく、比較的低コストで制作できます。
  • マニュアル/デモンストレーション形式
    • ソフトウェアの操作方法や機器の取り扱い手順など、実際の画面や手元の動きを見せながら解説する形式です。
    • 言葉だけでは伝わりにくい具体的な操作を正確に伝えられます。
  • アニメーション形式
    • イラストや図形を動かして、複雑な概念や目に見えないメカニズムを視覚的に分かりやすく解説します。
    • 専門用語が多いコンプライアンス研修や、企業の理念浸透などに効果的です。
  • 対談/インタビュー形式
    • 専門家同士の対談や、トップメッセージ、成功事例のインタビューなど、臨場感や説得力を持たせたい場合に有効です。
    • 学習者の共感を呼び、エンゲージメントを高める効果が期待できます。
  • ドラマ/ドキュメンタリー形式
    • 実際の業務シーンを再現したドラマ仕立ての動画や、プロジェクトの軌跡を追ったドキュメンタリーは、ストーリーを通じて学習者の感情に訴えかけ、深い理解と共感を促します。

動画制作とプラットフォーム選び

質の高い動画を制作しても、それを学習者に届け、学習状況を管理する仕組みがなければ意味がありません。ここで重要になるのがLMS(Learning Management System:学習管理システム)です。LMSは、動画教材の配信、受講者の登録、学習進捗の管理、テストの実施、レポートの作成といった機能を一元的に提供するプラットフォームです。LMSを選ぶ際には、自社の既存システムとの連携が可能かなどを確認することが極めて重要です。

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効果的なeラーニング動画の特長

学習者が最後まで飽きずに視聴し、内容が記憶に残る「効果的な動画」には、いくつかの共通した特長があります。

  1. マイクロラーニング
    • 1つのテーマを5〜10分程度の短い動画にまとめる手法です。
    • 人間の集中力は長く続かないため、コンテンツを細分化することで、学習者は隙間時間を活用しやすくなり、学習の心理的ハードルも下がります。
  2. インタラクティブ性
    • 動画の途中にクイズやアンケート、クリックできるボタンなどを挿入し、学習者が単なる視聴者で終わらない「参加者」となる工夫です。
    • 能動的な関与を促すことで、集中力を維持し、理解度を深める効果があります。
  3. 明確な学習目標
    • 動画の冒頭で「この動画を見ることで、何ができるようになるのか」というゴールを明確に提示することが重要です。
    • これにより、学習者は目的意識を持って視聴することができ、学習効果が高まります。
  4. ストーリーテリング
    • 単なる情報の羅列ではなく、課題提起から解決策の提示、成功体験といった一連のストーリーとして構成することで、学習者の共感や興味を引き出し、記憶に定着しやすくなります。

動画作成のステップバイステップガイド

eラーニング動画作成の全体像が見えたところで、いよいよ実践編です。ここでは、企画立案から撮影、編集に至るまでの具体的な制作フローを、ステップごとに丁寧に解説していきます。この手順に沿って進めることで、動画制作が初めての方でも、体系立ててプロジェクトを管理し、一定の品質を担保した動画を完成させることができます。

各ステップでの「つまずきポイント」と、それを乗り越えるためのコツも合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

計画段階:学習目標とコンテンツ設計

すべての動画作成は、綿密な計画から始まります。まず最初に定義すべきは「学習目標」です。この動画を通じて、学習者に「何を知ってもらい(知識)」「何ができるようになってほしいのか(スキル)」「どのように考えてほしいのか(態度)」を具体的に言語化します。

例えば、「新製品Aの3つの主要な機能を、顧客に説明できるようになる」といった具体的な行動目標を設定します。次に、その目標を達成するために必要な情報を洗い出し、全体の構成案を作成します。導入(なぜ学ぶ必要があるのか)、本編(具体的な知識や手順)、まとめ(重要なポイントの振り返り)という基本的な流れを意識し、各パートにどの情報を盛り込むかを設計していきます。

この段階で、対象となる学習者の知識レベルや現在の課題を明確に把握しておくことが、的確なコンテンツ設計の鍵となります。

シナリオ作成のポイントとコツ

構成案が固まったら、動画の設計図となるシナリオ(台本)を作成します。シナリオには、ナレーションの原稿だけでなく、画面に表示するテロップ、使用するスライドや映像、BGMや効果音の指示なども書き込みます。

初心者が陥りがちなのが、情報を詰め込みすぎてしまうことです。話す言葉は、書き言葉よりもシンプルで分かりやすい表現を心がけましょう。専門用語は避け、どうしても必要な場合は注釈を入れるなどの配慮が重要です。

構成手法としては、PREP法(Point:結論 → Reason:理由 → Example:具体例 → Point:結論の再提示)を用いると、論理的で分かりやすい説明になります。声に出して読んでみて、リズムや長さを確認しながら推敲を重ねることで、シナリオの完成度は格段に上がります。

撮影と録音の注意点

内製化において最もハードルが高いと感じられるのが撮影と録音かもしれません。しかし、ポイントを押さえれば、会議室などの身近な環境でも十分な品質を確保できます。

  • 撮影
    • スマートフォンでも高画質な撮影が可能ですが、三脚で固定し、手ブレを防ぐことが最低限のルールです。
    • 背景は壁やロールスクリーンなど、情報量の少ないシンプルなものを選びましょう。
    • 照明は、顔に影ができないように、正面から柔らかい光を当てるのが基本です。リングライトなど安価な機材でも効果は絶大です。
  • 録音
    • 動画の品質は「映像よりも音声で決まる」と言われるほど、音声は重要です。PCやカメラの内蔵マイクは環境音を拾いやすいため、必ず外部マイク(ピンマイクやUSBマイク)を使用しましょう。
    • 数千円のものでも音質は劇的に改善します。静かで反響の少ない部屋を選び、エアコンやPCのファンといったノイズ源は可能な限り止めて収録に臨みましょう。

編集ソフトの選び方と基本的な編集手法

撮影した素材は、編集作業を経て一本の動画として完成します。編集ソフトは多種多様ですが、目的やスキルレベルに応じて選ぶことが大切です。

  • 初心者向け
    • Windowsに標準搭載の「Clipchamp」や、Macの「iMovie」は無料で利用でき、直感的な操作が可能です。
    • まずはこうしたツールで基本的なカット編集やテロップ挿入に慣れるのが良いでしょう。
  • 中級者向け
    • 「Camtasia」や「Vyond」などは、eラーニング作成に特化した機能(クイズ挿入、画面録画など)が豊富で、よりインタラクティブな動画を作成できます。
  • プロ向け
    • 「Adobe Premiere Pro」や「Final Cut Pro」は、高度な編集機能やエフェクトが利用できますが、操作習熟には時間が必要です。

基本的な編集手法は、「カット(不要な部分を削除)」「テロップ挿入(キーワードや補足情報を文字で表示)」「BGM・効果音の追加」「書き出し(動画ファイルとして出力)」の4つです。まずはこの基本操作をマスターすることを目指しましょう。

eラーニング動画作成の成功事例

理論や手順を学ぶことも重要ですが、他社がどのようにeラーニング動画を活用して成功を収めているのか、具体的な事例から学ぶことは、自社の戦略を立てる上で非常に有益です。ここでは、成功事例の分析を通じて、自社の取り組みに活かせるヒントや、陥りがちな失敗を避けるための知見を提供します。

また、気になる制作コストや費用対効果(ROI)の考え方についても踏み込んで解説し、経営層への説明責任を果たすための武器を提供します。

他社成功事例から学ぶ重要ポイント

業界でよく聞かれる成功事例には共通点があります。例えば、ある大手製造業では、全国の工場で働く従業員向けに、安全衛生に関するルールをアニメーション動画で作成しました。固い内容を親しみやすいキャラクターで解説した結果、従来のテキストマニュアルに比べて理解度が向上し、事故発生率の低下に繋がったといいます。

また、あるIT企業では、新入社員向けのオンボーディング研修をすべて動画化。体系立てられたカリキュラムをLMSで配信し、各動画の最後には理解度チェックのクイズを設けました。これにより、人事担当者の研修工数を大幅に削減しつつ、新入社員は自分のペースで繰り返し学習できるため、立ち上がりのスピードが向上したという事例もあります。

これらの事例から学べるのは、「学習者の視点に立ち、いかに分かりやすく、飽きさせないか」という工夫の重要性です。

成功する動画の条件と失敗例

成功するeラーニング動画には、いくつかの共通条件があります。

第一に「目的の明確化」です。誰に、何を学んでもらい、どうなってほしいのかが明確で、動画の内容がその目的に沿っています。

第二に「学習者中心の設計」です。専門用語を多用した作り手本位のコンテンツではなく、学習者のレベルや興味に合わせた内容・表現になっています。

第三に「継続的な改善」です。LMSのデータを分析し、視聴完了率が低い動画やテストの正答率が悪い問題などを特定し、常にコンテンツをアップデートしています。

一方、失敗例としてよくあるのが「作りっぱなし」です。一度公開したら、情報が古くなっても放置されているケースです。また、「長尺で退屈」な動画や、操作が複雑で「どこを見ればいいか分からない」動画も、学習意欲を削ぐ典型的な失敗例と言えるでしょう。

企業での導入事例とその効果

eラーニング動画の導入効果は、具体的な数値で示すことが可能です。前述の交通費や宿泊費といった直接的なコスト削減に加え、研修への移動時間や拘束時間を削減することで、従業員が本来の業務に集中できる時間を生み出し、生産性の向上という間接的な効果も期待できます。

また、営業担当者向けの製品知識研修を動画化した企業では、顧客への提案力が向上し、成約率が15%アップしたという報告もあります。こうした定量的な効果を示すことが、社内での予算獲得やプロジェクト推進の強力な後押しとなります。

初期制作のコストと効果的な予算活用法

eラーニング動画の制作コストは、内製するか外注するか、また動画のクオリティによって大きく変動します。

  • 内製の場合
    • 主なコストは人件費とツール利用料です。
    • 編集ソフトは無料のものから年間数万円のものまで様々です。マイクや照明などの初期機材投資も数万円程度から始められます。
  • 外注の場合
    • 専門の制作会社に依頼すると、10分程度の動画1本あたり30万円〜100万円以上が相場です。
    • 企画構成、シナリオ作成、撮影、編集、ナレーションまで一括で依頼できますが、コストは高くなります。

効果的な予算活用法としては、内製と外注のハイブリッド型がおすすめです。

例えば、全社的に展開するコンプライアンス研修や社長メッセージなど、クオリティが求められる重要な動画は外注し、頻繁に更新が必要な業務マニュアルや製品情報などは内製でスピーディーに作成するといった使い分けが考えられます。

また、一度作成した動画の構成やデザインをテンプレート化することで、2本目以降の制作コストを大幅に抑えることができます。

品質を高めるためのテクニック

基本的な動画が作成できるようになったら、次は学習効果と受講者の満足度をさらに高めるための応用テクニックに挑戦しましょう。プロが使う編集技法や、学習者を惹きつけるインタラクションの活用、直感的に操作できるデザインなど、少しの工夫で動画のクオリティは劇的に向上します。

ここでは、eラーニング動画を単なる「情報の伝達手段」から、「行動変容を促す学習体験」へと昇華させるための、一歩進んだテクニックを紹介します。

プロの編集技法でクオリティを向上

少しの工夫で、動画の「見やすさ」や「プロっぽさ」は格段に向上します。

例えば、インタビュー動画などで不要な「えーっと」「あのー」といった部分をカットすると、話の間が詰まって不自然に見えることがあります(ジャンプカット)。これを避けるために、話している人の映像の上に、関連する資料やイメージ映像(これをBロールと呼びます)を挿入するだけで、非常にスムーズな繋がりに見えます。

また、動画全体の色味を統一するカラーグレーディングや、重要なポイントで効果音(SE)を入れるといった演出も、視聴者の集中力を維持するのに効果的です。こうしたテクニックは、高度な編集ソフトでなくとも、基本的な機能の組み合わせで実現可能です。

視覚効果とインタラクションの活用法

人間の脳は、文字情報よりも視覚情報を効率的に処理します。複雑なデータや手順を説明する際には、単に話すだけでなく、インフォグラフィックやアニメーションを活用して視覚的に示すことで、理解度を飛躍的に高めることができます。

さらに、学習効果を高める上で強力なのがインタラクション(双方向性)の導入です。多くのLMSやオーサリングツールには、動画の途中に確認クイズを挿入したり、特定の箇所をクリックすると補足情報が表示されるといった機能が備わっています。学習者を「受け身」の視聴者から「能動的」な参加者に変えることで、エンゲージメントは大きく向上します。

モジュールとインターフェースデザイン

学習者がストレスなく学習を進められるよう、視聴画面のデザイン(インターフェース)にも配慮が必要です。

例えば、動画のカリキュラム全体像が分かり、今どの部分を学習しているのかが視覚的に把握できるデザインは、学習者のモチベーション維持に繋がります。動画プレイヤーには、倍速再生機能や字幕のオン/オフ機能、チャプター(目次)機能を必ず設けるべきです。

特にチャプター機能は、学習者が見たい部分にすぐにアクセスできるため、復習の際にも非常に役立ちます。一連の学習コンテンツを適切な長さの「モジュール」として構成し、それらを体系的に整理して提示することが、学習体験全体の質を決定づけます。

学習者エンゲージメントを高める方法

質の高い動画を用意しても、学習者に見てもらえなければ意味がありません。学習者のエンゲージメント(関与度)を高めるためには、コンテンツ以外の仕掛けも重要です。

ゲーミフィケーションはその代表例で、コースを完了するとバッジがもらえたり、テストのスコアでランキングが表示されたりといったゲーム要素を取り入れることで、学習者の意欲を刺激します。また、LMSの掲示板やコメント機能を活用し、学習者同士や講師とのコミュニケーションを活性化させることも有効です。他の人の質問や意見を見ることで、学びが深まったり、一人で学んでいるという孤独感が解消されたりする効果が期待できます。

評価とフィードバックの仕組み作り

eラーニングの大きな利点の一つが、学習効果をデータに基づいて評価し、改善に繋げられる点です。動画の最後には、必ず理解度を確認するためのテストを設けましょう。テストの結果が芳しくない受講者には、関連する動画の復習を促すといった個別フォローが可能になります。

また、コンテンツ自体を評価してもらうためのアンケートも重要です。「説明が分かりにくかった箇所」「もっと詳しく知りたい点」などを収集し、コンテンツの改善に役立てます。LMSの分析機能を活用すれば、動画のどの部分で離脱する人が多いか(視聴維持率)といったデータも取得できます。これらの定量的・定性的なフィードバックを収集し、改善サイクルを回す仕組みを構築することが、eラーニングの質を継続的に高めていく上で不可欠です。

コンプライアンスと法的注意点

企業として公式にコンテンツを配信する以上、コンプライアンスや法的な側面への配慮は避けて通れません。著作権の侵害や個人情報の漏洩は、企業の信頼を著しく損なう重大なリスクです。また、多様な従業員が誰でも利用できるよう、アクセシビリティへの配慮も現代の企業には求められます。

ここでは、eラーニング動画を作成・公開する上で必ず遵守すべきルールと、企業リスクを未然に防ぐための具体的な注意点について、法務や広報、情報システム部門の担当者向けに網羅的に解説します。

著作権と使用許諾に関する基礎知識

動画制作では、画像、イラスト、BGM、フォントなど、様々な素材を利用します。これらにはすべて著作権が存在することを念頭に置かなければなりません。

インターネット上で見つけた画像を安易に使用すると、著作権侵害にあたる可能性があります。必ず、商用利用が許可されたフリー素材サイトを利用するか、有料のストックフォトサービスと契約しましょう。その際も、各サイトの利用規約を熟読し、「クレジット表記の要不要」「加工の可否」といったライセンス条件を正確に理解しておく必要があります。社内の資料や他者が作成した文献を引用する場合は、著作権法で定められた引用のルール(主従関係の明確化、出典の明記など)を遵守することが絶対条件です。

また、従業員を撮影する場合は、その映像をeラーニング教材として利用することについて、事前に肖像権に関する同意を得ておくことが望ましいでしょう。

プライバシー保護とデータ管理

eラーニングでは、誰が、いつ、どのコースを受講し、テストで何点を取ったかといった詳細な学習履歴データがLMSに記録されます。これらのデータは個人情報保護法の対象となるため、厳重な管理が求められます。

情報システム部門は、LMSへのアクセス制限を適切に設定し、権限のない人物が学習データを閲覧できないようにしなければなりません。

また、動画内に顧客情報や機密情報、個人のプライベートが特定できるような情報が映り込んでいないか、公開前に複数人でチェックする体制を整えることが重要です。特に、実際の業務風景を撮影する際には、PCのモニターや背景のホワイトボードなどに機密情報が映り込まないよう、細心の注意を払いましょう。

多言語対応を考慮した制作ポイント

グローバルに事業を展開する企業にとって、eラーニング教材の多言語対応は重要な課題です。将来的に多言語展開を視野に入れる場合は、制作の初期段階からそれを考慮した設計をすることが効率化の鍵となります。

例えば、ナレーション原稿を翻訳しやすいように、文化的な背景に依存する表現やスラングを避け、シンプルで普遍的な言葉を選ぶことが重要です。テロップやアニメーション内のテキストも、翻訳後に文字数が変わることを想定し、レイアウトに余裕を持たせておくと手戻りが少なくなります。

翻訳手段としては、機械翻訳の活用も進んでいますが、専門用語や微妙なニュアンスを正確に伝えるためには、最終的にネイティブスピーカーによるチェックが不可欠です。

業界標準の遵守と必要な認証

eラーニングシステムやコンテンツの相互運用性を確保するため、SCORMやxAPIといった技術標準への準拠は極めて重要です。これにより、将来的にLMSを乗り換える際にも、作成した動画資産をスムーズに移行できます。情報システム部門は、導入するツールやプラットフォームがこれらの標準規格に対応しているかを必ず確認すべきです。

また、企業全体のセキュリティポリシーとして、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)/ISO27001などの認証を取得している場合、eラーニングシステムのデータ管理や運用手順もその基準に則る必要があります。学習データの保管場所、バックアップ体制、アクセス権限の管理など、認証基準を満たした運用フローを確立することが求められます。

eラーニングの導入にWisdomBase

wisdombase https://wisdombase.share-wis.com/

WisdomBase(ウィズダムベース)は、クラウド型のeラーニングシステムとして、教材の管理から学習状況の可視化までを一括で行える次世代型LMS(学習管理システム)です。
直感的なユーザーインターフェースと多彩な機能で、企業研修の効率化と成果向上を同時に実現。導入直後から社内教育をスムーズに運用できるよう設計されており、業務負担の軽減と学習効果の最大化を支援します。

1. わかりやすいUIと統合型の運用機能

コースの作成、進捗管理、成績の確認までをすべてWeb上で完結。受講者も管理者も迷わない画面設計で、初日からスムーズな運用が可能です。結果として、受講率の向上と管理業務の効率化が同時に叶います。

2. あらゆる教材形式に対応した柔軟性

動画、PDFなど、幅広いコンテンツ形式を簡単にアップロード可能。インタラクティブな教材作成もスムーズに行えるため、最新のトレンドに即した学習体験をスピーディーに提供できます。

3. カスタマイズとサポートで企業研修を強力に支援

導入後も、経験豊富な専任スタッフがオンラインで継続支援。トラブル対応はもちろん、権限の細かな設定もお任せいただけます。事業の成長に応じたスケールアップも柔軟に対応可能です。

4. 学習状況の可視化と継続的な改善

ダッシュボード上で受講データやテスト結果をリアルタイムに分析。得られた学習データをもとに教材の改善が行えるため、研修効果を継続的に向上させることができます。これにより、教育コストの最適化とスキル向上の両立が可能になります。

eラーニングシステムの導入をご検討中の方へ。
WisdomBaseなら、運用のしやすさと学習効果の両立を実現できます。
「社内教育をもっと効率的にしたい」「自社に合ったLMSを探している」とお考えの方は、ぜひ資料請求やお問い合わせフォームからご相談ください。 wisdombase.share-wis.com wisdombase.share-wis.com