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企業経営におけるリスキリングの必要性と進め方【最新データで解説】

はじめに

「このままの人材体制で、5年後も競争に勝てるのか?」
急速なDX化や生成AIの台頭により、経営層にはこれまで以上に“人材の変革”が求められています。今、リスキリングは単なる流行語ではなく、企業の成長・生き残りに不可欠な経営課題となりました。

本記事では、最新の調査データ※や事例を交え、なぜリスキリングが必要なのか、導入のポイント・注意点まで分かりやすく解説します。

※本記事はパーソルイノベーション株式会社の調査レポート「 [リスキリングレポート~リスキリングによる報酬変化と生成AI(ChatGPT等)活用の最新状況~【2025年3月版】](https://go.persol-group.co.jp/rs/602-KKO-475/images/orwp244_phd_dl.pdf)」の情報を参考にしています。

なぜ今、リスキリングが必要なのか?

近年、デジタル技術や生成AIの進化、グローバル競争の激化により、企業が求めるスキルや人材像は大きく変化しています。既存社員のスキルアップだけでなく、“新しい能力や知識を身につけ直す”リスキリングが、企業の競争力維持・強化のために急務となっています。
特にDXやイノベーションを加速させるためには、今までの経験や知識だけでは十分とはいえません。

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企業経営におけるリスキリングの定義と役割

リスキリングとは、「既存の従業員が新たな役割や業務を担うために、今までにない知識・スキルを身につけること」です。従来の「単なる教育・研修」とは異なり、事業戦略や中期経営計画と密接に結びついており、以下のような経営の根幹を支える役割として位置づけられています。

  • 新規事業の創出
  • DX推進・業務効率化
  • 人材再配置・適材適所

最新調査から読み解くリスキリングの実施状況とトレンド

リスキリングの重要性は増す一方ですが、実際に企業の現場ではどのような取り組みが主流となっているのでしょうか。

本章では、最新の調査データをもとに、日本企業のリスキリング実施状況や推進スタイル、業種や規模ごとの傾向を読み解きます。

実施率は4割超、経営主導(トップダウン)型が8割を占める

2025年3月のパーソルイノベーション調査によると、企業の約4割がすでに何らかの形でリスキリングに取り組んでいると報告されています。

さらに注目すべきは、その78.3%が「経営主導(トップダウン)」で推進されていること。 現場任せではなく、経営層がリーダーシップを発揮し、組織全体でリスキリングに取り組む流れが主流となっています。

業種では製造業、規模では大企業でリスキリングを実施している

※2025年3月パーソルイノベーション調査資料参照

リスキリングの実施率を業種別・規模別に見ると、大企業では63.3%、製造業では61.8%と、他の業種・企業規模よりも高い水準を示しています(2025年3月パーソルイノベーション調査)。
とくに製造業や大企業は、DX化やグローバル競争への対応、従業員数の多さといった背景から、組織的・戦略的にリスキリングを推進する必要性が強まっています。

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なぜリスキリングが経営課題となるのか

リスキリングは、今や人事や現場任せではなく、経営層が直面する「企業の生存戦略」の一つです。

技術革新や市場環境の変化が加速する中で、企業価値を持続的に高めていくには、従業員のスキルや役割も絶えず進化させる必要があります。

この章では、なぜリスキリングが“経営課題”として注目されるのか、その本質と実践メリットをデータとともに紐解きます。

デジタル化・DX推進に不可欠な人材戦略

※2025年3月パーソルイノベーション調査資料参照

DX(デジタルトランスフォーメーション)や生成AIの普及で、従来のビジネスモデルが急速に変化しています。

2025年3月パーソルイノベーション調査によれば、リスキリングの目的として「デジタル化・DX推進」を挙げる企業が61.2%と最も多いと報告しています。企業競争力を維持・強化するには、社員の新たなスキル習得が不可欠になっていると言えるでしょう。

新規事業開発・イノベーション創出への寄与

次いで、「新規事業開発・イノベーション促進」を目的に掲げる企業も34.9%に上ります(2025年3月パーソルイノベーション調査)。現状のスキルや知識にとらわれず、新しい分野・役割へ人材を適応させることが、事業の多角化やイノベーションの推進に直結しています。

報酬アップや従業員満足度向上など、実感される成果

リスキリングに取り組むことで、「実務でスキルを活用できた」「人材の再配置が可能になった」「従業員満足度が向上した」といった成果を実感した企業は全体の7割以上。また、従業員個人でも報酬アップ(月額2万円以上のアップがボリュームゾーン)という具体的な効果が確認されています(2025年3月パーソルイノベーション調査)。

リスキリング推進のための実践ステップ

リスキリングの推進には、戦略的な視点と実務的な工夫が欠かせません。単なる一過性の研修に終わらせず、経営層の意志を組織全体に浸透させ、持続的な人材変革を実現するには、どのようなステップが必要なのでしょうか。

この章では、リスキリングを社内で根付かせ、確かな成果につなげるための具体的な進め方を解説します。

経営主導で目的とゴールを明確化する

まず、リスキリングの目的やゴールを経営層自身が明確に示すことがスタートです。
「なぜ今リスキリングが必要なのか」「会社のどんな課題を解決したいのか」を経営戦略や事業計画と紐づけて言語化し、全社での共通認識をつくりましょう。

対象社員・スキル領域を選定する

次に、どの部門・どの職種・どんな社員を対象にするか、どんなスキルや知識を習得させるのかを決めます。

現場の課題や今後のビジネスモデルに必要な能力をもとに、リスキリングの優先順位や範囲を具体的に設定します。

実行体制・リソース配分を決める

リスキリングは一部門だけで完結できるものではありません。人事・事業部・現場マネジメントなど複数部署が連携し、プロジェクト体制を組みます。

必要な予算、外部パートナーや講師の確保、研修カリキュラムの設計・実施といった運用体制を固めましょう。

成果指標(KPI)と評価・フィードバックの仕組みを設計する

研修をやりっぱなしにしないために、どのような状態になれば「成功」といえるのか、明確な成果指標(KPI)やゴールを定めておくことが大切です。

学びの定着度や業務改善、キャリアシフトの進捗などを定期的にモニタリングし、必要に応じてプログラムの見直しや追加施策を実施しましょう。

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リスキリング導入・運用の課題と失敗しないポイント

リスキリングは導入後の運用でつまずく企業も多く、決して“やりっぱなし”で成果が出るものではありません。

本章では、よくある失敗例やつまずきポイント、経営層が注意すべき実務面のヒントを解説します。

よくある課題:「企画リソース不足」「現場任せによる失敗」

リスキリングを進める際には、実にさまざまな壁が立ちはだかります。

よくあるのは「施策を考える人手やノウハウが不足している」「現場任せで実行力が弱い」といった課題です。

また、せっかく研修を実施しても、現場で活かされず“やりっぱなし”で終わってしまうケースも少なくありません。

成功の秘訣は「経営層のコミットメント」と「実務直結のカリキュラム設計」

リスキリング成功の最大の鍵は、経営層が本気でコミットし、全社を巻き込むことです。

経営層の明確なメッセージや、推進リーダーの任命、現場マネージャーとの連携強化が不可欠です。また、研修内容が現場の実務課題や事業戦略に直結していないと、モチベーション低下や形骸化のリスクも高まります。

実務定着・成果創出のための社内OJTと外部研修の組み合わせ

集合研修やeラーニングだけでは、学んだスキルが業務で活用されにくいことも。

現場でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)や実務プロジェクトと組み合わせ、実際の業務課題に取り組む機会をつくることが重要です。

加えて、外部の専門家やサービスを活用し、最新のノウハウや事例を取り入れることも効果的です。

おすすめのリスキリング研修サービス3選

どの研修サービスを選ぶかは、リスキリングの成果を大きく左右します。特に近年は、AIやDX領域の最新スキルに特化したサービスや、現場の実践に役立つカリキュラムを提供する企業も増えています。

ここでは、経営層が選びやすい実績・評判の高いリスキリング研修サービスを厳選してご紹介します。

AI関連のトップインフルエンサー“チャエン”さん監修の生成AI研修:株式会社デジライズ「法人リスキリング」

AIや生成AI活用に特化した最新カリキュラムを、SNSでも著名なチャエンさんが監修。eラーニングで基礎知識をインプットし、ワークショップで実践力も身につけられるハイブリッド研修です。AI導入の現場に求められる思考法やマインドセットが学べ、業種問わず幅広い企業に選ばれています。

URL: https://digirise.ai/business/reskilling/

SNSマーケティング×生成AIを学ぶなら:株式会社Her’s「法人向けリスキリング研修サービス MADALIS(マダリス)」

ChatGPTやDALL-E3など最先端のAIツール活用法に加え、Instagram・X・TikTok・YouTubeといったSNS戦略まで学べる実践型コース。Udemyベストセラー講師が監修し、AI時代の集客・ブランディングを強化したい企業におすすめです。

URL: https://hers-net.co.jp/madalis/

サブスク型でDX・Webマーケティング・GX推進などのテーマが学び放題:株式会社ナレッジリスキリング

新規事業やDX人材育成を目指す企業向けに、短期集中型研修とサブスクリプション型の研修サービスを提供。DX、Webマーケ、生成AI、GX(グリーントランスフォーメーション)など幅広いテーマをカバーし、基礎から応用まで段階的に人材育成が進められます。

URL: https://k-reskilling.com/

経営層がリスキリングを成功させるための意思決定ポイント

リスキリングは単なる“人事施策”ではなく、経営の未来を左右する重要テーマです。経営層自らが意思決定する際に、押さえておきたい4つの視点を紹介します。

やらない場合のリスクを正しく評価する

現状維持を選ぶことは、将来的な競争力の低下や新規事業機会の逸失、人材流出リスクを高めます。リスキリングを実施しない場合、どんな損失やリスクが生じるのかを明確に認識することが重要です。

推進に最適なタイミングを見極める

市場やテクノロジーの変化は待ってくれません。中期経営計画や事業再編のタイミング、またはDX投資・新規事業開発のスタート時など、会社の“変化の節目”でリスキリングを本格的に推進するのが効果的です。

成果創出に向けた最適なスコープ・規模感の設計

一気に全社員を対象とする必要はありません。経営戦略と連動した“重点部門・層”に絞り、段階的に拡大していくことで、投資効率と現場定着のバランスが取れます。

トップダウンによる全社的コミットメントと現場巻き込み

成功のカギは、経営層からの強いメッセージと、現場マネジメント層との連携です。現場の“やらされ感”をなくし、リスキリングを「自分ごと」として取り組めるような仕組み・仕掛けづくりが不可欠です。

まとめ

企業を取り巻く環境が激変するなか、リスキリングは「人事部任せ」ではなく、経営層がリーダーシップを発揮して全社的に推進すべき最重要課題となっています。
本記事で紹介したように、デジタル化・DX推進や新規事業開発、組織の競争力強化のためにも、リスキリングは欠かせません。

実践にあたっては以下の点が不可欠と解説しました。

  • 経営層の明確なコミットメント
  • 目的・スコープ・対象の明確化
  • 成果指標の設計と現場定着

「やらない場合のリスク」も正しく評価し、適切なタイミング・体制でスピード感をもって進めることが、企業成長の未来を左右します。

経営課題としてのリスキリングに本気で取り組み、変革をチャンスに変えていきましょう。

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