オンライン試験マガジン

医療機関向けeラーニング導入ガイド|メリット・必要機能・研修例

医療機関向けeラーニング導入ガイド

医療機関では、医療安全や感染対策、接遇、個人情報保護など、職員が共通して身につけるべき知識を継続的に共有することが求められます。

しかし、日勤・夜勤、外来・病棟、常勤・非常勤など勤務形態や職種が異なるため、全職員を同じ日時に集めて研修することは簡単ではありません。

この記事では、医療機関でeラーニングを活用するメリットや研修例、必要な機能、システムの選び方、導入手順、失敗しないためのポイントまで分かりやすく紹介します。

【この記事の概要】

  • 医療機関でeラーニングが求められる理由が分かる
  • 医療機関向けeラーニングに必要な機能や研修例を理解できる
  • eラーニングシステムの選び方や導入手順、注意点が分かる

wisdombase

目次

医療機関でのeラーニング活用とは

医療機関でのeラーニング活用とは

医療機関でのeラーニングとは、医師や看護師、薬剤師、事務職員などが、パソコンやスマートフォンを使ってオンラインで研修を受講する仕組みです。院内感染対策や医療安全、個人情報保護、接遇、コンプライアンスなど、職員全体に周知が必要な研修に活用できます。

時間や場所を選ばず学習できるため、勤務時間が異なる職員にも研修機会を提供しやすい点が特徴です。また、受講状況やテスト結果を管理することで、研修の実施状況を把握しやすくなり、継続的な人材育成や教育業務の効率化にもつながります。

医療従事者向け研修をオンライン化する仕組み

医療機関でのeラーニングとは、動画、PDF、スライド、確認テスト、アンケートなどの教材をオンラインで配信し、職員がパソコンやスマートフォン、タブレットから学習する仕組みです。

教材を配信するだけでなく、誰がいつ受講したか、どこまで進んだか、テストに合格したかといった情報も管理できます。

例えば、入職時には院内ルールや個人情報保護を配信し、看護部には感染対策や医療安全、事務職員には接遇や情報セキュリティを割り当てる、といった運用が可能です。職員の所属や役割に応じて必要な教育を届けられるため、多職種が働く医療機関と相性のよい教育方法といえます。

関連記事:

eラーニングとは何なのか?導入前に知っておきたい基礎

集合研修・OJTとの違い

集合研修は、講師と受講者が同じ日時・場所に集まって学ぶ方法です。質疑応答やグループワークを行いやすい一方、シフト調整、会場確保、出欠確認などが必要になります。

OJTは、実際の業務を通じて先輩職員や上司が指導する方法です。患者対応や部門固有の業務を学びやすい反面、指導者によって説明の内容や深さに差が出ることがあります。

eラーニングは、時間や場所を選ばず、同じ教材を繰り返し学べる点が特徴です。制度、医療安全、感染対策、接遇などの知識教育や、研修前の予習、受講後の復習に向いています。

集合研修やOJTをすべて置き換えるのではなく、知識をeラーニングでそろえ、対面の時間を実技やケース検討に充てる方法が効果的です。

医療機関のeラーニングでできること・できないこと

eラーニングが得意なのは、全職員に共通する知識の提供、動画や資料を使った反復学習、確認テスト、アンケート、研修履歴の管理です。医療安全や情報セキュリティなど、全職員が同じ基準で理解すべきテーマの標準化にも役立ちます。

一方、採血、注射、個人防護具の着脱、急変時の初動など、身体の動きや状況判断を伴う教育は、オンラインだけでは完結できません。

動画で手順を予習したうえで、OJTやシミュレーション研修、実技評価を行う必要があります。受講完了を技術習得とみなさず、現場で実践できているかまで確認することが重要です。

医療機関でeラーニングが求められる背景

医療機関でeラーニングが求められる背景

医療現場では、人材不足や勤務形態の多様化に加え、医療安全、感染対策、個人情報保護など、継続的に教育すべきテーマが増えています。全職員を一度に集める方法だけでは、研修の実施や記録管理が追いつかないことがあります。

eラーニングを活用すれば、職員が学びやすい環境を整えながら、教育担当者は全体の進捗を確認できます。

夜勤・シフト勤務で職員を同じ時間に集めにくい

病棟の夜勤、外来、手術室、検査部門などでは勤務時間が異なります。夜勤明けの職員を研修のために再び呼び出したり、外来を止めて全員を集めたりすることは、職員の負担や診療への影響につながります。

オンデマンド型のeラーニングなら、決められた日時に集合する必要がありません。勤務形態に合わせて受講でき、欠席者のための補講も減らせます。院内の共有端末を使用する場合は、受講時間の確保、ログイン・ログアウト、個人情報の表示範囲をあらかじめ決めておきましょう。

関連記事:

企業に最適なオンデマンドeラーニング活用法

新人・中途入職者への教育負担が大きい

新人や中途入職者が加わるたびに、法人理念、院内ルール、電子カルテの使い方、医療安全などを先輩職員が一から説明していると、現場の教育負担が膨らみます。指導者によって説明の順序や内容が異なると、入職者が必要な知識を十分に得られないこともあります。

基礎教育を教材化しておけば、入職者は必要な情報を何度でも確認できます。指導者は一律の説明に時間を使うのではなく、個別の疑問への回答や現場での実践支援に集中できます。入職時期が異なる職員にも、共通した初期教育を提供しやすくなります。

多職種・多様な雇用形態の職員がいる

医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、リハビリ職、事務職員など、医療機関では異なる役割の職員が働いています。常勤・非常勤、派遣、短時間勤務など、勤務可能な時間もさまざまです。

全員向けの基礎研修に加えて、職種や部門ごとの教材を配信すれば、必要な教育を効率よく届けられます。職員が自分の都合に合わせて受講できるため、勤務時間の違いによる教育格差も抑えやすくなります。

研修の実施記録や教育証跡を管理する必要がある

医療機関では、誰がいつ、どの研修を受講し、どの程度理解したかを記録することが重要です。紙の名簿や複数のExcelファイルで管理していると、更新漏れや転記ミスが起こりやすく、部門をまたいだ確認にも時間がかかります。

eラーニングでは、受講日時、進捗、テスト結果、修了状況などを一元的に記録できます。研修の実施状況を把握しやすくなり、内部監査や教育報告に必要な情報も整理しやすくなります。記録を残すだけでなく、未受講者への案内や再教育につなげることが大切です。

医療機関でeラーニングを導入するメリット

医療機関でeラーニングを導入するメリット

医療機関でeラーニングを導入するメリットは、職員が勤務時間や場所に左右されず研修を受けやすくなることです。シフト勤務や夜勤がある医療現場でも、それぞれの都合に合わせて学習できるため、集合研修の日程調整にかかる負担を軽減できます。

また、同じ教材を配信することで研修内容を統一しやすく、職種や部署による知識のばらつきを抑えることにもつながります。受講履歴やテスト結果を管理できるシステムであれば、未受講者の把握や研修状況の確認もしやすくなり、教育担当者の業務効率化にも役立ちます。

部門や指導者による教育内容の差を減らせる

同じテーマでも、病棟や外来、指導者によって説明の方法や強調する点が異なることがあります。共通教材を配信すれば、医療機関として職員に伝えるべき基本事項を統一できます。

教材を基準にしたうえで、部門の業務特性や患者層に応じた補足を加えることも可能です。教育の標準化は、職員の不安を減らし、患者対応や安全管理の水準をそろえることにもつながります。

職員が勤務に合わせて受講できる

eラーニングは、勤務時間や空き時間に合わせて受講できます。夜勤職員や非常勤職員も、決められた日時に集合せずに学習できます。スマートフォンやタブレットに対応していれば、個人のパソコンを持たない職員も利用しやすくなります。

ただし、受講時間を勤務時間として扱うのか、院内端末をどこで使うのかなどは、事前にルール化しましょう。職員が業務外に自分で受けるものと受け止めると、受講が定着しにくくなります。

未受講者・未修了者を把握しやすい

管理画面で受講状況を一覧表示できれば、まだ受講していない職員、途中で止まっている職員、テストに合格していない職員を把握できます。部門別、職種別、研修別に絞り込めると、フォローの優先順位もつけやすくなります。

未受講者へのリマインドを自動化したり、所属長が個別に声をかけたりすることで、必須研修の抜け漏れを防ぎやすくなります。受講率だけで職員を評価せず、端末や時間など受講を妨げる要因を解消することも重要です。

テストやアンケートで理解度・現場の課題を確認できる

教材を最後まで視聴しただけでは、内容を理解しているか判断できません。研修後に確認テストを設ければ、重要事項の理解度を確認できます。合格点や再受験の条件を設定すれば、学び直しも促せます。

アンケートでは、職員が難しいと感じた内容、現場で困っていること、追加してほしいテーマを収集できます。テスト結果と現場の声を組み合わせることで、教材の改善や集合研修のテーマ設定に役立てられます。

研修担当者の会場準備・出欠管理を減らせる

集合研修では、会場確保、シフト調整、資料印刷、出欠確認、欠席者への連絡など、多くの準備が必要です。知識研修をeラーニングで行えば、こうした運営業務を減らせます。

削減できた時間を、教材の見直し、実技評価、現場の個別フォローに充てられる点もメリットです。オンラインで効率化できる部分と、対面で行う価値が高い部分を分けることで、教育の質を保ちやすくなります。

複数施設・部門の教育状況を一元管理できる

複数の病院や診療所を運営する法人では、施設や部門ごとの受講率、修了率、テスト結果を比較できると、支援が必要な組織を把握しやすくなります。全施設に共通する課題と、特定部門だけに見られる課題を切り分け、研修内容や運用方法を改善できます。

法人管理者には全体の閲覧権限を付与し、院内や部門の管理者には必要な範囲だけを見せるなど、役割に応じた権限設定も必要です。

医療機関で活用できるeラーニング研修

医療機関で活用できるeラーニング研修

医療機関では、さまざまなテーマの研修にeラーニングを活用できます。代表的なものとして、医療安全、院内感染対策、個人情報保護、コンプライアンス、ハラスメント防止、接遇などが挙げられます。また、看護師や医療従事者向けの専門知識、医療機器の取り扱い、緊急時対応、新人職員向け研修などにも活用可能です。

動画や確認テストを組み合わせることで、理解度を確認しながら学習を進めやすくなります。職種や経験年数に応じて教材を分ければ、必要な知識を効率的に身につけられる教育環境を整えやすくなります。

新人研修・入社時オリエンテーション

法人理念、院内ルール、患者対応の基本、情報管理、業務の流れなどは、入職時に全員が学ぶ内容です。動画や資料、確認テストにまとめておけば、入職時期が異なる職員にも同じ教育を提供できます。

受講後に「分からないこと」や「現場で確認したいこと」をアンケートで回答してもらうと、集合研修やOJTでのフォローにつなげやすくなります。

医療安全・インシデント報告・事故防止

患者誤認、転倒・転落、誤薬、チューブ類の管理など、医療現場で起こりやすい事例について、原因、予防策、発生時の初動、報告方法を学べます。実際のインシデントを扱う場合は、個人を責める内容ではなく、原因分析と再発防止に焦点を当てます。

受講後に、各職員が担当業務で確認すべきリスクを回答すると、学習内容を日々の行動に結びつけやすくなります。

感染対策・衛生管理・標準予防策

手指衛生、手袋やマスクの使い分け、個人防護具の着脱、感染症発生時の報告などは、職種を問わず共通理解が必要です。写真や動画を使うことで、文章だけでは伝わりにくい手順を確認できます。

感染対策の知識をeラーニングで学んだ後、個人防護具の着脱や手指衛生を対面で実演・確認すると、より確実に身につけられます。

個人情報保護・情報セキュリティ

患者の氏名、病歴、検査結果などを適切に取り扱うことは、すべての職員に求められます。電子カルテや共有端末のログイン管理、画面ののぞき見防止、USBメモリやメールの利用、SNS投稿など、現場で起こりやすい場面を例にすると、自分事として考えやすくなります。

教材には実在する患者情報を含めないことを原則とし、匿名化や閲覧権限のルールも明確にしておきましょう。

接遇・患者対応・医療倫理

患者・家族への言葉遣いだけでなく、説明時の配慮、プライバシーの尊重、意思決定支援、待ち時間への対応などを学べます。困った場面をケース形式で示し、望ましい対応を考えるテストにすると、実務との接点が生まれます。

医療従事者としての倫理や患者の権利を扱う際は、知識の暗記ではなく、患者の立場を尊重した判断を考える内容にすることが大切です。

急変時対応・災害時のBCP

患者の急変時に取るべき初期対応、応援要請、報告・連絡の流れ、災害発生時の避難や役割分担などは、事前学習に活用できます。災害時のBCPは、計画書を読むだけでなく、自分の役割、連絡先、集合場所、備蓄品を確認できる教材にすると実用性が高まります。

急変対応や災害対応は、eラーニング後に訓練やシミュレーションを行い、実際に行動できるか確認しましょう。

職種・診療科・部門ごとの専門研修

看護部、薬剤部、検査部、放射線部門、リハビリテーション部、医事課など、部門ごとに必要な専門知識は異なります。全職員向けの基礎研修と、職種・診療科・部門別の研修を組み合わせると、職員が自分に必要な学習を把握しやすくなります。

医療機関向けeラーニングに必要な機能

医療機関向けeラーニングに必要な機能

医療機関向けeラーニングでは、職員ごとの受講状況を管理できる機能が重要です。受講履歴や進捗率、テスト結果を確認できれば、未受講者への案内や研修実施状況の把握がしやすくなります。また、職種・部署・役職ごとに教材を配信できる機能があると、必要な研修を対象者に合わせて提供できます。

さらに、動画配信、確認テスト、アンケート、修了証発行などもあると便利です。スマートフォン対応や一括ID登録、権限設定にも対応していれば、多くの職員が勤務する医療機関でも効率的に運用しやすくなります。

動画・PDF・テスト・アンケートの教材配信

動画だけでなく、PDF、スライド、確認テスト、アンケートなどを組み合わせられることが重要です。短い動画で概要を説明し、PDFで手順を確認し、テストで理解度を確かめるなど、目的に応じて形式を使い分けられます。

部門・職種・雇用形態ごとのグループ管理

所属部門、職種、診療科、常勤・非常勤などで職員を分類し、必要な教材だけを配信できる機能が必要です。入職、異動、退職が発生した際に、所属情報を更新しやすいかも確認しましょう。

必須研修・受講期限・修了条件の設定

研修ごとに必須・任意を設定し、受講期限や修了条件を指定できることが重要です。「動画を最後まで見る」「テストで一定点以上を取る」など、何をもって修了とするかを明確にできます。

理解度テスト・合格点・再受講の設定

テストの合格点を設定し、不合格の場合に再学習や再受験を促せると、重要事項の理解を担保しやすくなります。解説を表示できるか、問題を更新できるかも確認しましょう。

未受講者へのリマインドと進捗確認

未受講者や期限が近い職員に通知を送れると、管理者の個別連絡を減らせます。全体の受講率だけでなく、施設別、部門別、職種別、研修別に進捗を確認できることが望ましいです。

スマホ・タブレット対応と共有端末への配慮

個人パソコンを持たない職員でも学べるよう、スマートフォンやタブレットに対応していることが重要です。共有端末を使う場合は、受講者の切り替え方、ログアウト忘れの防止、個人情報の表示範囲を確認します。

管理者権限・部門別の閲覧範囲設定

法人管理者、院内管理者、部門管理者、一般職員など、役割に応じて閲覧・操作権限を設定できる必要があります。複数施設を運営する法人では、各施設の管理者が他施設の職員情報を見られないようにするなど、情報管理の設計が欠かせません。

受講履歴・修了証・研修レポートの出力

受講日時、視聴状況、テスト結果、アンケート回答を検索・出力できると、研修実施後の報告や監査対応に活用できます。修了証を発行できるか、CSVなどでデータを扱えるかも確認しましょう。

既存マニュアル・研修動画の再利用

院内にあるPDFマニュアル、PowerPoint資料、研修動画をアップロードできれば、教材制作の負担を抑えられます。ただし、資料をそのまま載せるだけでは学びにくいこともあります。対象者、学習目標、確認テストを加え、内容を定期的に更新しましょう。

医療機関向けeラーニングシステムの選び方

医療機関向けeラーニングシステムの選び方

医療機関向けeラーニングシステムを選ぶ際は、必要な研修を無理なく運用できるか確認することが大切です。受講状況やテスト結果を管理できる機能に加え、職種・部署ごとの教材配信、スマートフォン対応、一括ID登録、修了証発行などを確認しましょう。また、医療安全や院内感染対策など、医療現場で必要な教材が用意されているかも重要です。

さらに、個人情報を扱うため、セキュリティ対策やサポート体制も比較する必要があります。費用だけで判断せず、自院の職員数や研修内容、管理方法に合ったシステムを選ぶことがポイントです。

学習管理機能とコンテンツの質で比較する

教材数だけでなく、受講者管理、グループ設定、期限、テスト、リマインド、履歴出力など、日々の運用に必要な機能を確認します。スマホでの操作性、動画の見やすさ、教材の更新頻度、医療分野の内容が自院に合うかも比較しましょう。

無料トライアルやデモがある場合は、管理者と職員の双方で操作することをおすすめします。ITが苦手な職員が迷わず使えるか、共有端末で安全に利用できるかを確認してください。

費用とサポート体制で比較する

料金は、利用人数、施設数、教材数、管理機能、初期費用、サポート費用などで変わります。システム料金だけでなく、会場費、資料印刷費、教育担当者の工数も含めて比較すると、導入効果を判断しやすくなります。

初期設定の支援、教材作成の相談、操作マニュアル、問い合わせ対応の時間帯なども確認しましょう。導入後に誰が運用し、教材をいつ見直すかまで決めておくと、利用を継続しやすくなります。

導入実績や医療機関への対応事例で比較する

医療機関での導入実績や、複数施設・多職種での運用事例があるかも確認しましょう。医療機関では、患者情報の扱い、権限管理、職員の勤務形態などに配慮が必要です。自院と近い規模・組織構成の事例を確認し、導入後の運用を具体的にイメージすることが大切です。

医療機関のeラーニング導入手順

医療機関のeラーニング導入手順

医療機関でeラーニングを導入する際は、まず研修の目的や対象者、必要な教材を整理します。

次に、受講管理やテスト、修了証発行など必要な機能を確認し、自院に合ったシステムを比較・選定します。導入後は、職員情報の登録や教材設定、受講ルールの整備を行い、操作方法や受講期限を周知しましょう。

いきなり全職員へ展開するのではなく、一部の部署で試験運用すると課題を把握しやすくなります。運用開始後も受講状況やアンケート結果を確認し、教材や運用方法を定期的に見直すことが大切です。

1.研修の目的と対象職員を整理する

まず、「誰に、何を身につけてもらうのか」を明確にします。新人研修、医療安全、感染対策、必須研修、管理職教育など、目的を分けて整理しましょう。すべてを一度にオンライン化せず、受講漏れが課題になっているテーマや共通化しやすい知識研修から始めると進めやすくなります。

あわせて、研修ごとに必須か任意か、受講期限、修了条件(動画の視聴完了やテストの合格点など)も決めておくと、運用開始後の受講漏れを防げます。

2.既存の研修資料・マニュアルを棚卸しする

現在使っている資料、動画、マニュアル、テストを一覧にし、そのまま使えるもの、修正が必要なもの、新たに作成するものに分類します。内容が古い資料や、部門ごとに手順が異なる資料は、導入を機に見直しましょう。

3.一つの部門・研修から試験導入する

最初から全院へ展開せず、一つの部門や研修テーマで試験運用します。ログインしやすいか、動画の長さは適切か、テストで理解度を確認できるか、管理者が進捗を見られるかを検証します。職員から意見を集め、教材と運用を改善しましょう。

4.受講データを分析し、全院へ展開する

受講率、修了率、テスト結果、アンケート、問い合わせ内容を確認します。受講が進まない理由が教材の長さなのか、端末不足なのか、勤務時間の設定なのかを切り分けましょう。課題を改善したうえで、対象部門や研修テーマを段階的に増やします。

関連記事:

LMS導入の進め方|手順・社内体制・失敗しないポイントを解説

医療機関のeラーニング導入で失敗しないための注意点

医療機関のeラーニング導入で失敗しないための注意点

医療機関でeラーニングを導入する際は、システムを導入すること自体を目的にしないことが重要です。まず、対象となる職員や研修内容、受講期限、管理方法を明確にしましょう。また、操作が複雑だと受講率が下がる可能性があるため、使いやすさやスマートフォン対応も確認が必要です。

導入前には職員へ目的や受講方法を周知し、問い合わせに対応できる体制を整えておくと安心です。さらに、受講状況や理解度を定期的に確認し、未受講者へのフォローや教材の見直しを行いながら継続的に改善していくことが大切です。

現場の負担にならない短時間・実務型教材にする

長時間の動画を一度に受講させると、勤務の合間に取り組みにくくなります。テーマを分割し、短時間で学べる教材にすると継続しやすくなります。患者誤認、転倒予防、患者への声かけなど、具体的な医療場面を想定した内容にすると、知識が行動につながります。

職種や経験年数に応じて教材を出し分ける

新人とベテラン、看護師と事務職員に同じ教材を一律配信すると、簡単すぎたり難しすぎたりします。全職員向けの基礎研修に加え、経験年数、職種、役職、診療科に応じた教材を設定しましょう。自分に必要な研修が明確になると、受講への納得感も高まります。

研修を受けただけで終わらせず、現場での実践を確認する

動画視聴やテスト合格は、学習の一つの区切りにすぎません。上司や指導担当者が、現場で患者確認、感染対策、記録、報告などを実践できているか確認しましょう。実技チェックリストや面談と組み合わせると、eラーニングの知識を現場の行動に結びつけやすくなります。

患者情報を教材に含めるルールを決める

実際のインシデントや症例を教材にする場合は、患者や職員が特定されないよう、氏名、顔、診療科、日時などを匿名化します。

写真や動画を使う場合の同意、保存場所、閲覧権限、ダウンロード可否も事前に決めておきましょう。教材作成者だけでなく、職員全体に情報管理のルールを周知することが必要です。

受講率・テスト結果・現場の声を改善に活用する

受講率が高くても、現場で実践されているとは限りません。テスト結果、アンケート、インシデントやヒヤリハットの傾向、管理者の観察を組み合わせて効果を確認します。受講しにくい教材は短く分け、理解が不足するテーマには補足教材や対面研修を追加しましょう。

ITが苦手な職員向けに操作研修・サポート窓口を用意しておく

システム選定時は、費用や機能だけでなく操作性も比較します。導入後は、ログイン方法や受講手順をまとめた簡単なマニュアルを配布し、必要に応じて操作説明会を行いましょう。院内に問い合わせ窓口や相談できる担当者を置くことも有効です。

共有端末を使う場合は、受講者の切り替え方を掲示し、ログアウト忘れを防ぐ運用を決めます。職員が困ったときに放置されない体制を整えることが、利用定着の鍵になります。

医療機関のeラーニングについてよくある質問

医療機関のeラーニングについてよくある質問

医療機関でeラーニングを導入する際は、「どのような研修に活用できるのか」「スマートフォンでも受講できるのか」「受講状況を管理できるのか」といった疑問がよくあります。システムによって異なりますが、医療安全や院内感染対策、個人情報保護など幅広い研修に対応できます。

また、受講履歴やテスト結果を確認できるサービスもあります。導入前には、対応端末や教材内容、管理機能、セキュリティ、サポート体制などを確認し、自院の運用方法に合っているか比較することが大切です。

Q.医療従事者向けにどのような研修を実施できますか?

A.新人教育、医療安全、感染対策、個人情報保護、情報セキュリティ、接遇、医療倫理、急変時対応、災害時のBCPなど、幅広いテーマに活用できます。動画、資料、テストを組み合わせ、職種や経験に応じて教材を出し分けることも可能です。

Q.夜勤や非常勤職員も受講できますか?

A.オンデマンド型であれば、決められた日時に集合する必要がないため、夜勤職員や非常勤職員も受講しやすくなります。ただし、勤務時間内に受講できるルールや、院内で利用できる端末を整えておくことが大切です。

Q.スマホやタブレットで受講できますか?

A.利用するシステムが対応していれば、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからも受講できます。導入前に、動画表示、テスト回答、資料閲覧、共有端末でのログイン切り替えなどを実際に確認しましょう。

Q.研修履歴やテスト結果を管理できますか?

A.受講管理機能を備えたLMSであれば、受講日時、進捗、修了状況、テスト結果、アンケート回答などを管理できます。研修レポートやCSV出力に対応しているかはシステムによって異なるため、必要な管理項目を事前に整理してください。

Q.集合研修やOJTと併用できますか?

A.併用できます。eラーニングで制度や知識を学び、集合研修でケース検討や実技を行い、OJTで実際の業務への適用を確認する方法が効果的です。すべてをオンラインに置き換えず、それぞれの強みを組み合わせましょう。

Q.既存の研修動画やマニュアルを教材にできますか?

A.システムが対応している形式であれば、既存の動画、PDF、PowerPointなどを教材として活用できます。新しくすべてを作り直す必要がないため、導入時の負担を抑えられます。内容の更新日、対象者、確認テストを加えると運用しやすくなります。

医療機関で活用できるeラーニングシステムをお探しならWisdomBase

wisdombase

WisdomBaseは、動画・資料・テスト・アンケートなどの教材配信から、受講者管理、部門別のグループ管理、進捗確認までを一元化できる学習管理プラットフォームです。複数施設を運営する法人でも、全体の教育状況と施設・部門ごとの進捗を確認しながら、職員に必要な研修を届けられます。

既存の研修資料や動画を活用した教材作成にも対応しやすく、新人教育、医療安全、感染対策、個人情報保護など、目的に応じた学習環境を構築できます。

多職種、多様な勤務形態の職員が働く医療機関で、継続的な教育体制を整えたい場合に活用できます。

訪問看護ステーション向けの研修サービスの提供事例

訪問看護ステーション向けクラウド型電子カルテを提供する株式会社eWeLLでは、法定研修のオンライン提供にWisdomBaseを活用し、受講証明書の発行業務をほぼゼロにするなど運用負担を軽減しています。

関連事例:

株式会社eWeLL - WisdomBase導入事例

医療機関に合ったeラーニングの活用についてご関心がありましたら、資料請求またはお問い合わせから、詳しい内容をご確認ください。

WisdomBase製品資料DL

お問い合わせ

まとめ

医療機関では、夜勤やシフト勤務、多職種連携などにより、全職員を集めた研修が難しい場合があります。eラーニングを活用すれば、時間や場所に左右されにくく、医療安全や感染対策などの教育を効率的に実施できます。

受講履歴やテスト結果を管理できるため、未受講者へのフォローにも役立ちます。一方、実技を伴う教育はOJTや集合研修との併用が必要です。導入時は目的や対象者を明確にし、試験運用やサポート体制を整えながら進めることが大切です。

気になる方は、こちらもフォローを。
X