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【完全ガイド】研修報告書の書き方・テンプレ・効率化まで徹底解説

はじめに

「研修報告書ってどう書けばいいの?」 「どんな項目を入れたら評価されるの?」 「報告書を効率よくまとめる方法ってあるの?」

そんな疑問を持つ人事担当者・研修受講者の方のために、今回は研修報告書(研修レポート)の作り方を完全ガイドとしてまとめました。

基本の書き方から目的別のテンプレート、効果的に見せるコツ、そしてGoogleフォームやLMSを使った効率化方法まで、これ1本で全てがわかります。 「読みやすく、伝わる報告書を作りたい」「研修の成果をしっかり形にしたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読めば、すぐに“使える”研修報告書を作成できるようになります。

研修報告書(研修レポート)とは?

研修報告書(研修レポート)とは、研修で得た学びや成果、課題を整理し、社内で共有するための文書です。 受講者が自らの学びを振り返り、今後の業務への活用方法をまとめる「受講報告書」と、主催側が研修の実施内容や改善点をまとめる「実施報告書」に分かれます。

これらを統一フォーマットで作成することで、報告内容の質を均一化し、比較・分析が容易になります。

また、助成金申請や人事評価などの公的手続きにも活用できるため、企業としての教育投資効果を明確にし、次回の研修企画にも生かすことが可能です。

研修報告書を作成する目的

研修報告書を作成する目的は、大きく3つあります。これは「学んで終わり」にしないための大切なステップです。

① 研修内容を社内で共有するため

研修報告書は、参加した人が何を学び、どんな気づきを得たのかを社内に伝えるためのものです。報告書があれば、研修に参加していない人にも内容を共有できます。

例えば、他の部署の社員が「その考え方、うちの仕事にも使えそう」と感じることもあります。つまり、報告書を作ることで学びを「個人のもの」から「会社全体の財産」に広げることができるのです。

② 効果測定・人事評価・助成金対応に活用するため

研修を行うとき、会社は「どれくらい効果があったのか?」を知りたいものです。報告書に学んだ内容や実践の予定を書いておくと、上司や人事部が成長の様子を確認しやすくなります。

また、研修を実施した証明として、助成金の申請にも活用できます。つまり、研修報告書は社員の努力を「見える化」する大切な資料なのです。

③ 次回研修企画へのフィードバックとして活かすため

研修を重ねることで、どんな内容が役に立ったのか、どこが難しかったのかが見えてきます。 報告書には「もっとこうしてほしい」「この部分が特に良かった」といった意見も書けます。これが次の研修をより良くするヒントになります。つまり、報告書は「終わり」ではなく、「次につながる始まり」なのです。

研修報告書に含めるべき項目一覧

研修報告書には、いくつかの基本的な項目を入れる必要があります。これらをきちんと整理することで、読む人にとってわかりやすく、会社全体で学びを共有しやすくなります。

受講者が書くべき基本項目(目的・学び・今後の活用)

まず受講者が書く内容として、「研修の目的」「学んだこと」「今後どう活かすか」の3点が大切です。研修に参加した理由を明確にし、印象に残った内容や得たスキルを整理します。

そして、「明日からどのように実践するか」を具体的に書くことで、学びが自分の仕事に結びつきやすくなります。

講師・主催者が記載すべき内容(実施概要・課題・成果)

講師や主催者側は、「研修の実施概要(日時・場所・参加人数・内容)」をまとめ、どのような流れで進めたのかを記録します。

さらに、研修中に見つかった課題や、達成できた成果を整理することで、次の改善点が見えてきます。これにより、会社全体の教育活動がより効果的に進められるようになるでしょう。

人事・上長コメント欄を設けるべき理由

人事担当者や上司のコメント欄を設けることも重要です。これは、研修内容を本人だけで終わらせず、上司が成長を認めたり、今後の課題を一緒に考えたりするためです。 社員一人ひとりの成長を見守り、必要なサポートを行うきっかけにもなります。

【評価される】研修報告書作成の6つのポイント

効果的な研修報告書を作成するには、単に学んだ内容をまとめるだけではなく、読む人に伝わり、業務改善につながる構成が求められます。

上司や人事が知りたいのは「研修の成果」と「業務への活用」です。ここでは、評価される報告書に仕上げるための6つのポイントを紹介します。

1. 目的を明確にしてから書き始める

まずは、「この報告書は何のために書くのか?」を明確にしましょう。

自分の学びを整理するのか、上司に成果を報告するのか、助成金申請や評価に使うのかによって、内容の重点が変わります。

  • 自己成長のためなら、学んだ内容や気づきを中心に
  • 社内共有のためなら、他の社員にも役立つポイントを
  • 助成金や監査対応のためなら、形式的な情報や成果を明確に

目的を定めることで、書くべき内容がブレず、読み手にも伝わる報告書になります。

2. 読み手(上司・人事・経営層)を意識する

研修報告書は「自分のため」ではなく、「読む人のため」に書くものです。上司や人事は、「研修の目的」「成果」「業務への影響」を知りたいと考えています。そのため、専門用語を避け、誰が読んでも理解できる簡単な言葉を使いましょう。

たとえば、「部下に共有するなら具体例で説明する」「経営層に伝えるなら数字で効果を示す」など、相手の立場を意識した表現を選ぶことが重要です。

3. 結論を先に述べ、数字や事実で裏付ける

報告書では、最初に「今回の研修で得た成果」を簡潔に伝えることが効果的です。

たとえば、

「業務効率化の手法を学び、作業時間を3割短縮できる見通しです。」

といったように、結論を冒頭で述べると、読み手がすぐに理解できます。

その後、「実際にチームで共有した」「改善結果が見られた」など、事実や数字で裏付けを行うと、説得力が増します。

4. 結果と効果を定量・定性の両面で伝える

成果は、数字(定量)と感想・変化(定性)の両面から伝えると、より深みが出ます。

  • 定量的効果(数字):

 「顧客対応の時間を30%短縮」「チームのミスが半分に減少」など、具体的な数値で成果を示す。

  • 定性的効果(変化):

 「自信を持って提案できるようになった」「チーム内の雰囲気が良くなった」など、人の成長を伝える。

この2つを組み合わせることで、「結果」だけでなく「成長の過程」まで表現できます。

5. 所感で終わらせず、業務活用まで書く

「楽しかった」「勉強になった」で終わる報告書は評価されにくいです。 学んだ内容をどのように仕事に活かすか、具体的な行動計画まで記載しましょう。

たとえば、

  • 「学んだプレゼン技術を来月の社内発表で活用する」
  • 「チーム会議で共有し、他メンバーにも展開する」

このように明確な行動を示すと、「研修が実務にどう影響するのか」が伝わり、評価や昇進にもつながります。

6. 内容を簡潔にまとめ、見やすく整理する

報告書は長ければ良いというわけではありません。読む側の負担を考え、A4用紙1枚で要点をまとめるのが理想です。

おすすめの構成は、 「目的 → 学んだこと → 今後の活用 → 所感」

箇条書きや短文を使うと読みやすく、次のような書き方が効果的です。

  • 学んだこと:相手の意見を聞く姿勢の大切さ
  • 活用方法:チーム会議で意識的に実践する

また、枠線や表で項目を整理すると、視覚的にも分かりやすい報告書になります。

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研修報告書テンプレート一覧(Word・Excel対応)

研修報告書を効率よく作成するには、目的に合ったテンプレートを使うのが一番です。ここでは、受講者・講師・人事それぞれが使いやすいテンプレートを紹介します。

Word・Excelどちらにも対応しているので、自社の環境に合わせてすぐに活用できます。さらに、Googleフォームを使えばオンラインでの回収も簡単に行えます。

受講報告書テンプレート(受講者用)

受講者が自分の学びを整理し、次に活かすためのテンプレートです。Word形式で使いやすく、A4サイズ1枚で完結できます。

【研修報告書(受講者用)】

氏名:_______________   所属部署:_______________
研修名:_______________   受講日:__年_月_日

① 研修の目的・参加理由
(例)営業スキルを高め、顧客対応の質を上げるため。

② 学んだ内容・印象に残ったこと
(例)ヒアリング力の大切さを学び、相手の本音を引き出す質問法を理解できた。

③ 今後の業務への活用方法
(例)次回の商談で質問テンプレートを使い、提案の精度を高める。

④ 感想・改善点(任意)
(例)グループワークの時間をもう少し長くすると、より意見交換が深まる。

実施報告書テンプレート(講師・主催者用)

講師や研修担当者が「どんな研修を実施したか」を記録するためのテンプレートです。次回の改善や助成金申請にも役立ちます。

【研修実施報告書(主催者・講師用)】

研修名:_______________   実施日:__年_月_日
実施場所:_______________   講師名:_______________
参加人数:__名

① 実施概要
(例)営業部向けに「交渉力強化研修」を実施。グループ討議とロールプレイ中心。

② 目的と到達目標
(例)自信をもって提案できる営業スキルの習得を目指す。

③ 成果・課題
(例)理解度は高かったが、実践トレーニング時間がやや不足。次回は時間配分を調整。

④ 今後への提案
(例)動画教材との組み合わせで復習効果を高める。

人事集計用テンプレート(Excel自動集計型)

複数の研修報告書をまとめて管理したいときに便利なExcelテンプレートです。 自動で平均スコアや参加率を算出でき、人事評価や助成金の申請にも活用できます。

氏名 部署 研修名 満足度(1~5) 学びの要約 業務活用予定 コメント
佐藤太郎 営業部 営業力強化研修 5 傾聴スキルの重要性 顧客ヒアリングで実践予定 有意義だった
平均値 =AVERAGE(D2:D10)

Googleフォームでオンライン回収する方法

紙での提出が手間に感じる場合は、Googleフォームを使うのが便利です。 作り方の手順は、以下の通りです。

  1. Googleフォームを開き、「研修報告書」というタイトルを入力。
  2. 設問項目として「氏名」「部署」「研修名」「学んだこと」「今後の活用方法」などを設定。
  3. 回答先をGoogleスプレッドシートにリンクすれば、自動でデータが集計されます。
  4. フォームのURLを社内メールやチャットで共有すれば、スマホからでも提出可能。

オンライン化することで、提出忘れの防止やデータ分析の効率化にもつながります。

研修報告書の例文

ここでは、実際に使える研修報告書の例文を紹介します。 新人研修・管理職研修・コンプライアンス研修など、目的に応じた書き方を知ることで、報告書作成のイメージがぐっとつかみやすくなります。また最後に、人事が評価する「良い報告」と「悪い報告」の違いも解説します。

新人研修(ビジネスマナー・社内制度)の例文

今回の新人研修では、社会人としての基本的なマナーや、社内制度の理解を深めることができました。特に印象に残ったのは「報連相(報告・連絡・相談)」の重要性です。これまで自分だけで解決しようとしていたことも、早めに相談することでミスを防げると学びました。今後は、上司への報告をこまめに行い、チーム内の連携を意識して業務を進めたいと思います。また、就業規則や福利厚生制度を改めて確認し、自分の働き方に活かしていきたいです。

管理職研修(リーダーシップ・部下育成)の例文

管理職研修では、「部下を動かすのではなく、導く」というリーダーシップの考え方を学びました。特に印象的だったのは、成果を上げるチームづくりには「信頼」と「傾聴」が欠かせないという点です。

これまで私は指示を中心にマネジメントしていましたが、今後は一人ひとりの意見を聞き、強みを引き出す関わり方を意識したいと思います。研修で学んだ「1on1ミーティング」の手法を取り入れ、定期的に部下と対話する時間を設けます。チーム全体のモチベーション向上につなげたいです。

コンプライアンス・ハラスメント研修の例文

今回のコンプライアンス研修では、会社の信用を守るために、一人ひとりの意識がどれほど重要かを学びました。特にハラスメントに関しては、「本人がどう感じるか」が基準になるという説明が印象的でした。

これまで何気なくしていた発言や態度が、相手に不快感を与える可能性があると知り、日常の言葉づかいや態度を改めて見直そうと思いました。今後は、周囲の人が安心して働ける職場づくりを意識し、自分自身が模範となる行動を心がけます。

人事視点で「良い報告・悪い報告」を比較

良い報告と悪い報告は、以下の形で記載するようにしましょう。

観点 良い報告の例 悪い報告の例
内容の具体性 「研修で学んだヒアリング手法を来週の商談で実践する」など、行動に落とし込まれている 「勉強になりました」「参考になりました」で終わっている
学びの深さ 自分の課題を認識し、改善策を明確にしている 感想中心で、何を得たかが曖昧
文章構成 「目的→学び→今後の活用」の順で整理され、読みやすい 項目がバラバラで、伝わりにくい
態度・姿勢 前向きに学びを活かす意欲が伝わる 受け身で「やらされた感」がある
上司・人事の印象 「成長意欲が高い」「研修の目的を理解している」と評価されやすい 「形式的に書いただけ」と感じられる

研修報告業務を効率化する方法

研修報告書の作成や回収は、意外と時間がかかる業務です。担当者が一枚ずつチェックしたり、手作業で集計したりすると大変ですよね。

しかし、今はデジタルツールを活用すれば、報告書作成から集計・分析までを自動化することができます。ここでは、研修報告業務をスムーズに進めるための4つの方法を紹介します。

Googleフォーム・スプレッドシート連携で自動化

もっとも手軽な方法は、Googleフォームを使って研修報告をオンラインで回収する方法です。 受講者がフォームに入力すると、その内容が自動的にGoogleスプレッドシートに記録されます。

これにより、紙の報告書を集める手間や、転記ミスを防げます。

さらに、スプレッドシートで集計やグラフ化をすれば、「満足度の平均」や「参加率の推移」などをすぐに確認できます。 パソコンだけでなくスマホからも提出できるので、受講者の負担も軽減できるのがポイントです。

テンプレートを統一してミスと工数を削減

報告書のフォーマットがバラバラだと、集計がとても大変になります。

そこで、会社全体でテンプレートを統一するのがおすすめです。Word・Excel・Googleフォームなど、どの形式でも構いませんが、「研修名」「目的」「学び」「今後の活用」といった基本項目を統一しておくことが大切です。

誰が書いても同じ構成になることで、内容を比較しやすくなり、入力漏れや記載ミスも減ります。結果として、報告作業のスピードと精度が大きく向上します。

LMS・社内システムへのデータ連携で一元管理

LMS(Learning Management System)や社内システムを導入している企業なら、研修報告データを自動で連携させるのが効果的です。

受講履歴やテスト結果、アンケート回答などを一つのシステムで管理できるため、研修ごとの成果が一目で分かります。

また、人事評価システムとつなげることで、社員一人ひとりの学習履歴をもとに昇進や配置転換の参考にすることも可能です。紙ベースの管理では難しい「データ活用」が簡単になります。

研修評価シート(アンケート)との連動で効果測定

研修後にアンケートを実施し、その結果を報告書データと合わせて分析すると、研修の効果を数値で見える化できます。 たとえば、「理解度」「満足度」「実践意欲」といった項目をスコア化し、平均点を自動集計する仕組みをつくれば、どの研修が効果的だったかがすぐに分かります。

また、受講者の自由記述欄を活用すれば、次回の改善ポイントも把握しやすくなります。

社内研修を効率化するならWisdomBase

wisdombase https://wisdombase.share-wis.com/

WisdomBaseは、報告書作成が必要な研修の実施や管理をスムーズに行えるLMS(学習管理システム)です。

オンライン研修やeラーニングなど、さまざまな形式での研修運用をサポートし、以下のような機能を備えています。

  • 研修の内容に応じて、動画・音声・テキスト・PDFなど多様な形式でコンテンツを配信できる
  • 研修後のアンケートやレポート提出、理解度テストなどもオンラインで実施できる
  • 受講状況や学習進捗、スコアなどを自動で集計し、受講履歴として管理できる
  • 社内の人事評価システムともAPI連携が可能

WisdomBaseがあれば、研修実施から受講データの収集・管理までを一元化できます。 研修のオンライン化をスムーズに進めたい企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。 wisdombase.share-wis.com wisdombase.share-wis.com

まとめ

研修報告書は「書くこと」が目的ではなく、「学びを共有し、次につなげること」が本当の目的です。

目的を明確にし、数字や行動を交えて具体的に書くことで、評価される報告書になります。

また、テンプレートを統一し、GoogleフォームやLMS(学習管理システム)を活用すれば、提出・管理・集計までを自動化でき、担当者の負担を大幅に減らすことができます。

これから研修報告書を整備する企業や担当者の方は、まずはテンプレート化・オンライン化から始めてみてください。研修の学びを「形」にして残すことで、組織全体の成長サイクルが確実に回り始めます。