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操作マニュアルの作り方|初心者でも迷わない手順と実践ノウハウ【体験談つき】

操作マニュアルの作り方を解説

はじめに

「社内や顧客から操作マニュアルの要望が絶えない」
「分厚いマニュアルがあっても誰も読まない」
「新人や非IT担当がつまずくたびに同じ質問が…」

そんな悩みをお持ちではありませんか?

システムやツールの活用が進む今、「誰でも迷わず使える」操作マニュアルは業務効率や顧客満足に直結する重要ドキュメントです。

しかし、実際に作ろうとすると

  • 何から始めるべきか
  • どこまで細かく書けばいいのか
  • 作っても活用されない…

 など、現場では多くの壁に直面します。


本記事では、「ゼロから始める人」「分かりやすさにこだわりたい人」に向けて、

  • 操作マニュアル作成の基本手順
  • 現場で使えるプロのノウハウ
  • 実際のマニュアル作成の体験談

など、豊富な具体例とともに分かりやすく解説します。

操作マニュアルとは?

操作マニュアルは、システムやツールの操作方法やトラブルの対処方法などを確認するためのドキュメントです。

具体的には、

  • 日常業務での操作手順
  • トラブル時の対処法
  • システム利用時の注意点

などを、初心者でも再現できるレベルで整理・明記します。

操作マニュアルを整備するメリット

  • 業務の属人化を防げる:誰でも同じ手順で作業でき、引継ぎもスムーズ
  • 問い合わせ対応の削減:同じ質問・トラブルが減り、サポート効率が大幅UP
  • 新人教育やOJTにも最適:現場教育コストを大幅カット

重要なのは、初心者が迷わず行動できるレベルで手順や注意点を明確に書くことです。
不明点や曖昧さが残ると、「これで合っているのかな…」「どこを見ればいいのか分からない」など、逆にトラブルや手戻りの原因になります。

操作マニュアルの基本的な作成手順

操作マニュアルの基本的な作成手順をご紹介します。

1.対象者(読み手)を明確に設定する

まず「誰向けのマニュアルなのか」をはっきりさせましょう。

  • 新入社員/非IT担当/業務経験者 など
  • ITリテラシーやシステム利用経験はどの程度か?

対象者が変われば、用語や説明レベル、図解・動画の要不要も変わります。ここを明確にすることで「伝わるマニュアル」になります。

2. 記載する内容を洗い出す

説明が必要な操作項目をすべて書き出しましょう。後から記載する項目が増えると、構成や原稿の修正などの工数が膨らみます。
また経験のある社内スタッフやシステムのサポート担当者にヒアリングを行うことも重要です。

3.構成・フォーマットを設計する

記載内容を項目ごとに分けたり、掲載する順番を決めましょう。構成を決めないまま本文を作成してしまうと、内容の抜け漏れや重複が発生する原因となります。

またマニュアルのレイアウトも考えておきましょう。使用するフォントやサイズ、色、表記ルールなどを決めます。

大見出し、中見出し、本文など原稿のフォーマットを決めておくと、原稿作成の作業が効率的に進められます。

マニュアルに目次やQ&Aを載せるのもよいでしょう。

4. 原稿を作成する

原稿作成のポイントは以下の通りです。

  • 一つ一つの操作手順を省略せず、誰でも再現できるように書く
  • 目的や結果も併記(「この操作で何が変わるのか」まで明記)
  • 冗長な表現や接続詞など、文中に無くても意味が伝わる言葉は使わない
  • 表記ゆれ(例:「Webブラウザ」「ウェブブラウザ」等)は統一
  • スクリーンショット・動画も適宜組み合わせる

「文章+画像+動画」で、視覚的にも理解しやすい構成を目指しましょう。

わかりやすい操作マニュアルを作成するための5つのコツ

次は実際に作成する際に覚えておくと良い5つのコツをご紹介します。

1. 操作の目的を明確に伝える

操作マニュアルでは、単に手順を記載するだけでなく「なぜこの操作が必要なのか」「どんな場面で使うのか」といった操作の目的や背景を最初に示しましょう。

目的を知ることで、読者は手順を覚えるだけでなく、全体像や重要なポイントを理解しやすくなります。

たとえば、「顧客情報を最新の状態に保つためにこの操作を行います」と一言添えるだけでも、マニュアルの納得感が格段にアップします。

2. 図やイラスト・写真・動画など視覚的な要素を活用する

テキストだけでは伝わりにくい部分は、図解・イラスト・スクリーンショットや動画など、視覚情報を積極的に使いましょう。

操作画面やボタン、注意すべきポイントを目で見て確認できることで、初心者や不慣れな方でも迷わず操作できます。

また、色分けやアイコン、太字などの強調表現も使って、重要な部分を一目で把握できるよう工夫しましょう。

3. 操作説明は「操作前・操作中・操作後」の3ステップと結果までを記載する

分かりやすいマニュアルは、「操作前に準備すること」「操作中の具体的な手順」「操作後の確認ポイント」まで、一連の流れを漏れなく説明します。

さらに、「この操作で何が変わるのか」「操作後にどうなれば正しいのか」といった操作結果も必ず記載しましょう。

例えば、手順ごとに「次に〇〇の画面が表示されれば完了です」と書くことで、読者は正しく作業できているか確認しやすくなります。

4. 「当然」と思うことも省略せず丁寧に記載する

熟練者には当たり前の手順でも、初めての人にはすべてが新しい情報です。「誰でも迷わず操作できる」マニュアルにするためには、基本的な操作や注意点も省略せず丁寧に書くことが重要です。

専門用語の使用は最小限に抑え、もし使う場合は必ず注釈や補足説明を入れましょう。どんな人が読んでもつまずかない、親切なマニュアルを目指してください。

5. 更新しやすく、常に最新の状態を保つ

システムや業務フローは変化するため、マニュアルの更新しやすさも非常に重要です。ページ構成や見出しのルールを統一し、変更が生じたときにすぐ編集できるフォーマットで作成しましょう。

また、マニュアルは紙ではなく、GoogleドキュメントやMicrosoft OneDriveなどのクラウドサービスや社内ポータルなどでデータとして一元管理するのがおすすめです。これにより、修正や共同編集がしやすくなり、常に最新版を全員で共有できます。

さらに、履歴管理機能を活用すれば、いつ・どこが変更されたかを簡単に把握でき、必要に応じて過去のバージョンに戻すことも可能です。

【実録】操作マニュアル作成の体験談を大公開

ここでは、実際にシステム導入支援で操作マニュアルを作成したプロセスを紹介します。

手順は分かったけど、より実践的な内容を知りたいという方もいるはずです。
苦労した点や反省点など、これからマニュアル作成に関わる方の参考になれば幸いです。

マニュアル作成プロジェクトの背景

当社はeラーニングシステム「WisdomBase(ウィズダムベース)」を提供しています。

wisdombase.share-wis.com

WisdomBaseの導入支援として、カスタマーサクセスチームによる操作説明などのオンボーディングを行っています。

しかし、ミーティングですべての操作を把握することは難しいという課題や、簡易なマニュアルがほしいという声をお客さまからいただいていました。

そこで、導入支援のミーティング以外でも操作を確認できる環境を、WisdomBaseで構築しようというプロジェクトが立ち上がりました。

カスタマーサクセスチームからのヒアリング

マニュアルの対象者はオンボーディング中のお客さまです。オンボーディングで説明している内容をマニュアル化するという方向で決まりました。

まずはカスタマーサクセスチームやカスタマーサポートチームからオンボーディング内容についてヒアリングをしました。
何度かの聞き取りの中で以下のことが判明しました。

  • お客さまの利用目的によって複数のオンボーディングのパターンがある
  • 共通で説明している機能と、特定のユースケースのときだけ説明している機能がある

オンボーディング内容をそのままマニュアル化すると膨大な情報量になるため、マニュアル化する内容について項目の取捨選択が必要でした。

企画・構成を決める

企画・構成やフォーマットの作成、進行方法など決めることがたくさんあります。
プロジェクトを前に進めるために、方向性をチームの中ですり合わせるのが大変でした。

まずはヒアリング内容から構成について他のメンバーと打ち合わせをします。
オンボーディングのガイドラインはありましたが、具体的にどの機能や設定項目について説明しているかは不明瞭でした。
そこで、目的別に機能や設定項目に対して説明可否のチェックリストを作成し、カスタマーサクセスチームに確認をお願いしました。

チェックリスト

次にオンボーディングの流れに沿って構成を決めました。
WisdomBaseでは「コース」「セクション」「レクチャー」という単位でコンテンツを管理できますので、何を「コース」とするのか、またコースの中でどのように「セクション」や「レクチャー」に振り分けるのか決めます。
またテキストや動画など、何の形式でマニュアルを作成するのか決める必要がありました。

構成については原稿作成中も調整しましたが、最終的には利用目的別に6パターンの組み合わせになりました。
またそれぞれのパターンごとに構成を組み、テキストと動画の両方でマニュアルを作成する方向に決まりました。
以下は6パターンある中の内の1つの構成表です。

構成表

操作方法の確認

マニュアルの作成で苦労したことの1つとして、操作手順を理解することが挙げられます。
使用目的や機能の設定方法、操作を行った結果などを理解していないと、構成や原稿を考えることができません。
操作方法の確認は、原稿作成や動画作成などすべての工程で何度も行ないました。

原稿作成

構成やフォーマットについて社内の承認が得られましたら、原稿作成に取り掛かります。
原稿作成についてもいきなり本文を作成するのではなく、大見出しや中見出しなど文章の構成を決めました。

見出しの実例

  • 【大見出し】レクチャー設定の画面構成
    • 【中見出し】 セクションの作成方法
    • 【中見出し】レクチャーの順番を変更する方法
  • 【大見出し】レクチャーの新規作成
  • 【大見出し】レクチャー編集ページの設定項目
    • 【中見出し】受講可能条件を設定する方法
    • 【中見出し】レクチャーIDの確認方法

関係部署に見出しの順番は問題ないか、抜け漏れはないかを確認し、承認が得られれば本文を作成します。
原稿作成のツールはGoogleドキュメントを使用しました。原稿チェックの際に修正提案やコメントが残せるためです。

ここで気をつける点は、マニュアル全体で表記を統一させることです。
例えば、「Webブラウザ」「ウェブブラウザ」「WEBブラウザ」とさまざまな表記があります。
しかし表記がバラバラだと、内容を理解する上で読み手にストレスを与えますし、誤字に受け取られる場合もあります。
読み手が内容を理解をすることに集中できるように、余計なノイズは減らすことが大切です。

またシステムの操作を文章のみで内容を理解するのは至難の業です。
操作画面をスクリーンショットし、操作手順と画像をセットで作成しました。

操作画面

動画作成

構成テキストのマニュアルの中に動画のマニュアルも埋め込みました。
映像として操作手順を確認できる方が、実際の運用をイメージでき理解が早まるからです。
テキストは後で見直したり知りたい箇所だけ見るなど、用途に応じて使い分けられるようにしました。

動画

コンテンツ公開作業

原稿や動画がすべて完成しましたら、公開作業を行ないます。
Googleドキュメント上のテキストをシステムに反映させ完成です。

完成サイト

操作マニュアルを実際に作成してみて得た気づき

最後にマニュアルを作成する際に決めておいたほうが良いことや、気をつけるポイントについてお伝えいたします。

「わかりやすい操作マニュアルを作成するための5つのコツ」で解説している内容と一部重複するものもありますが、重要だと思いましたので改めてお伝えします。

誰がどの場面で、どのように使用するマニュアルであるか決めること

マニュアルを使用する対象者や使用するシーンを関わる人全員に共有しましょう。
関わる人の多さに比例して、さまざまな意見が出てきます。対象者や使用目的を基準として情報の取捨選択をしましょう。

表記ルールや原稿・動画作成のルールを作成すること

複数の人が原稿や動画作成を担当すると品質に差が生まれます。表記の仕方が違ったり、図表やイラストのテイストが違ったりすると仕上がりに影響があるため、ルールを明文化しておきましょう。

全体の構成や原稿の内容など、各関係者にこまめにチェックすること

後から構成の一部を入れ替えたり、原稿の修正があったりすると、指摘箇所は些細な内容だとしても、全体の整合性を保つために複数箇所を修正しなければならないという場合が多々あります。工数が膨らむ要因ですので、細かく方向性を確認しておくとスムーズに進行できます。

まとめ

本記事ではシステムの操作マニュアルの作り方と、マニュアル作成の体験談をご紹介しました。
実際に体験して言えることは、操作マニュアルの作成は時間と手間が想定以上にかかるということです。

しかし、間違った操作によるトラブルや問い合わせ対応にかかる時間などを鑑みると、マニュアルの整備は価値のある業務だと思います。
今回の記事が操作マニュアルの作成をする担当者の方のお役に立てれば幸いです。

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