SaaSと呼ばれる形態のサービスの増加に伴い、社内で利用するシステムの数は増加の一途をたどっています。
それぞれのシステムに別のIDとパスワードで逐一ログインするのは面倒なため、シングルサインオン(以下、SSO)機能を使ってログインできるサービスも増えています。
今回はLMSにSSOは必要かどうか、SSOに対応したLMSとしてどのようなサービスがあるかを紹介します。
これからのLMSに求められる機能については以下の記事を参照ください。
SSOとは?
SSOとは、1つID・パスワードで複数のサービスにログインできる仕組みです。
1度ログイン認証を行うと、SSOに対応しているサービスは、その都度のログイン作業が不要となります。
通常、ユーザーは複数のサービスやソフトウェアのID・パスワードをそれぞれ個別に管理しなければなりません。パスワードを忘れてしまい「アカウントのロックが掛かった…」という経験をした人や、情報漏えいのリスクのある「パスワードの使いまわし」に心当たりのある人もいるでしょう。
SSOは、煩雑なパスワード管理をなくし、ユーザーの利便性向上や情報漏えいリスクを回避できます。
SSOを実現する認証方式
SSOを実現するためにはいくつかの認証方式があります。特によく耳にするのがSAML認証です。
SSO対応クラウドサービスと、IdP(ユーザーの認証情報を管理するサービス)の間で認証情報を連携させることで、SSOを実現する方式です。
SaaSを含むクラウドサービスの多くがSAML認証のSSOに対応しています。
LMSにSSOは必要?
さて、社内の学習環境であるLMSにSSOは必須でしょうか?
結論から言うと、SSO対応のLMSにはたくさんのメリットがあるため、必須な機能といえます。LMSがSSOに対応しているとどんなメリットがあるかを紹介します。
SSOに対応したLMSが有するメリット
1. システム管理者のアカウント管理が楽になる
アカウントの数が増えると、パスワードの再発行やアカウントの新規追加・削除など、システム管理者の業務負担が大きくなります。
入社時にアカウントを発行し、部署異動があれば所属名の変更、退職時にはアカウントを削除する。ひとりに対して複数のアカウントがあれば、すべてのサービスに対してこのような作業が発生します。
ひとつのアカウントで、複数サービスのアカウント情報が一元管理できれば、システム管理者にとって大きなメリットとなるでしょう。
また、代理店教育やカスタマーサクセスによる顧客教育など、社内の従業員だけでなく、外部のステークホルダー向けの教育のためにLMSを利用する場合は、社内教育以上に複雑なアカウント管理が発生します。
LMSを外部向けに利用する場合、SSOの対応は必須機能の1つと言えるでしょう。
2. セキュリティを強化できる
複数のサービスを利用していると「簡単なパスワードを設定してしまう」「同じパスワードを使い回す」「忘れないようにメモに書いておく」などといった、セキュリティ上問題のある行動をとってしまう場合があります。
これらの行為は、個人情報の漏洩や不正アクセスの発生リスクを高めます。
SSOに対応していれば、セキュリティの高いID・パスワードをひとつ覚えておくだけで、安心してサービスを利用できます。
LMSを外部の顧客教育に利用する場合、万が一LMSを利用している顧客の情報が流出してしまうと、企業の信頼性が失われ、顧客離れにも繋がります。経営リスクを防ぐためにも、SSOに対応したLMSが必要です。
3. 企業や製品のブランディングとして必要である
SSOはブランディングの観点でもメリットがあると言えます。
例えば、SaaSなどの自社のWebサービスを導入いただいた顧客向けに、製品の操作方法などを学べる環境をEE-LMSで構築したとします。
SSOに対応していない場合、自社のWebサービスと学習環境のそれぞれで、ログインIDとパスワードの入力が必要になります。顧客は自社サービスとLMSを横断的に利用すると想定されるため、ログイン操作の煩雑さを感じたり、自社サービスに対して「利便性が悪い」と捉えられるかもしれません。
自社サービスのアカウントで、LMSへのログイン操作が不要になれば、学習環境の利用頻度も向上するでしょう。
SSOに対応しているLMSは、顧客の利便性の向上だけでなく、自社のサービスの統一感や一貫性が生まれ、ブランディングの観点からも必要と言えます。
SSOに対応しているLMS 3選
SSOの概要や、SSO対応のLMSを利用するメリットを解説いたしました。最後にSSOに対応しているLMSを3つご紹介します。
LearningWare
LearningWareは、全国各地の企業や教育機関、官公庁などで利用されているLMSです。数多くの導入実績から培ったノウハウや経験を活かし、講座の開発や集合研修、LSMの運用分析まで幅広くサポートしています。
SNSコミュニティ機能や集中度計測、ストレスチェックなどユニークな機能を有してます。
LOGOSWARE Platon
LOGOSWARE Platonは、多言語対応したLMSです。内部構造を変えることなく、外部ファイルの設定だけで、どのような言語でも対応が可能です。海外へLMSの利用を検討している企業にオススメです。
また価格体系が「月間ログイン人数」であることも他社と違う点です。他社の多くが「登録ユーザー人数」で計算されます。実際に利用した人数だけ費用が発生するため、無駄なコストがかかりません。
etudes
etudesは、20年以上のeラーニングに携わってきた知見をベースに開発されています。
マニュアルなしでも直感的に使える優れたUI/UXが魅力のひとつ。使いやすさは学習のモチベーション維持にもつながります。操作を覚える作業はユーザーにとって負担になるため、使いやすさ重視の企業にオススメです。
また数人〜数十万人規模の大企業でも一元管理が可能。日本企業特有の複雑な組織階層や頻繁な組織改編にも対応し、柔軟な社員管理が特徴です。
まとめ
SSOは複数のサービスのアカウント情報を一元管理できる仕組みです。
SSO対応のLMSを利用することで、アカウント管理業務の負担軽減やセキュリティの強化、ブランディングへの効果も期待できます。
社内の従業員の教育以外に、代理店教育やカスタマーサクセスによる顧客教育など、外部向けにも利用する場合、SSOの重要性はさらに高まります。
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