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階層別研修のデメリットとは?ニューノーマル時代の育成戦略を解説

階層別研修のデメリットとは?|ニューノーマル時代の育成戦略を解説

近年、階層別研修の見直しを図る企業が増えてきました。人口減少に伴う深刻な人手不足、コロナ禍急速に普及したテレワーク、終身雇用制度の終焉など……

目まぐるしい変化の中で企業は生き残りをかけて、業務の生産性を高める必要に迫られています。

かつては会社から社員へ、画一的に教育を施すのが一般的でした。しかし昨今では、企業がキャリアアップの「メニュー」を提供する研修形態が広まりつつあります。社員は学びたい講座を選択して受講するわけです。

この記事では、ニューノーマル時代において、そもそも階層別研修は要るのか?その必要性について考察していきます。新しい研修形態の事例もご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。

従来の階層別研修とは?

階層別研修とは、勤続年数や役職別に行う研修のこと。各階層に上がる節目に研修を行います。新入社員研修や中堅社員研修、管理職研修などが例ですね。

新型コロナウィルス感染症の流行前までは、主に集合型で行われていました。社内の会議室や外部の多目的ホール、合宿所などを借りて、大人数で一斉に実施するのが一般的。

研修の目的は、会社が期待する役割を社員に自覚してもらい、必要なスキルやマインドを身につけさせること。

新入社員研修ではビジネスマナー研修、ビジネスマインド研修など、管理職クラスの研修ではマネジメント研修などを実施し、社員のスキル底上げに寄与してきました。

HR総研が発行する年次報告書「HR総研 人事白書2015」によると、階層別研修を実施していると答えた企業は全体の83%。一定規模以上の会社であれば、ほとんどの会社が実施している研修といえますね。

階層別研修のデメリット

研修を主催する人事部は階層別研修に関して以下のような課題を抱えていました。

  • 社員の積極性に欠ける
  • 研修内容がビジネス成果に繋がりにくい
  • 役職が上がるほど出席率が低くなる

階層別研修は人事部から社員への働きかけで行われます。研修の対象者も研修内容も人事部がすべて選定。

社員は指定された研修を受講するわけですが、受講に対してたちまち受け身になりがちでした。というのも現場の業務に直結しない研修内容に、意義を見いだせないことが多かったからです。

研修を主催する側としては受講生各々のニーズに応えるのは難しく、内容は広範的で目的が曖昧になる傾向も。受講した社員は「何となく良い話を聞けた」と満足するだけで終わってしまい、通常業務内での実践やビジネス上の成果に繋がらないネガティブな面があったようです。

また、役職が上がるほど出席率が低くなる問題もありました。管理職クラスを一斉に集めようとしても、スケジュールの調整が難しく思うように人を集められない点も課題でした。

時代の変化とともに研修のあり方が見直されるようになった

さまざまな課題を抱えつつも、慣例的に続いてきた階層別研修。

しかし、時代の変化とともに、研修のあり方が見直されるようになりました。見直しが進んだ背景には以下2点の変化が挙げられます。

  • 人口減少に伴う深刻な人手不足
  • テレワークの普及

人口減少に伴う深刻な働き手不足

近年続く働き手不足に伴い、企業は研修の見直しを図るようになりました。

パーソル総合研究所の推計結果によれば、2030年には、7,073万人の労働需要に対し、6,429万人の労働供給しか見込めず、「644万人の人手不足」となる、とも言われています。

働き手が不足する中、売り上げを向上させるには、社員の質を高め、業務の生産性を上げるほかありません。
階層別研修に効果がないわけではありません。ただ、生産性の面から見ると疑問が残る面がありました。

役職や勤続年数だけで一括りにして同じ研修を施しても、受講する社員の経験やスキルは個々に違うもの。各々の社員のニーズに、一つの研修が完全にマッチできるわけがないのです。

結果、社員としては必要性を感じない講義に招集されても、

「業務が忙しいのに、現場を離れて研修を受けなければならない……」
「全然興味がないのに時間の無駄……」
と、やむなしに研修に参加する、生産性も上がらない、そんな実情がありました。

テレワークの普及が急速に進んだ

研修制度の見直しが進んだ背景には、テレワークが急速に広まったことも挙げられます。コロナ禍三密回避のために、多くの企業が研修のオンライン化に踏み切りました。

オンライン研修の導入初期は、社員側も主催者側も急な対応に迫られ、戸惑いがあった様子でした。しかし次第に運用に慣れて来ると、オンラインでも全く問題がないと気づく結果に。

知識を習得するだけなら、eラーニングや動画コンテンツの視聴で十分。LMS(学習管理システム)を利用すれば、出欠や受講の確認、理解度テストの実施、講師やほかの受講者とのコミュニケーションも取れます。

従来の研修で実施してきたほとんどの内容をオンライン上で完結できるため、もはや、すべてを「集合研修」形式で行う必要はなくなりつつあるのです。

オンライン研修が浸透した今では、従来はオフライン7割:オンライン3割で行われていた研修も、今では3:7と逆転するまでになりました。

コロナという外圧がそれまで当たり前だった階層別研修を見直すきっかけとなったのです。

企業が学びの選択肢を提供する時代へ

こうした流れから、かつては当たり前だった集合型の階層別研修は大きく形を変えつつあります。社員が研修内容を選択して学べる仕組みを取り入れる企業が増えてきました。

以下2社の取り組みをご紹介します。

  • HONDA(本田技研工業株式会社)
  • 株式会社ネオキャリア

HONDA(本田技研工業株式会社)

自動車メーカーのHONDAは階層別研修を廃止。自主自立型の研修体系作りに大きく舵を切っています。

社員が研修動画を選択して視聴できる体制を整えました。

HONDAでは2020年から新入社員研修を全てオンラインで行ったそう。初めはコロナ禍の新入社員研修だけを対象にしていましたが、動画研修の効果をかなり感じられたため、その後は全社員に展開したそうです。

株式会社ネオキャリア

また、株式会社ネオキャリアでは企業内大学を設置し、社員に学びの場を提供しています。

企業内大学とは会社が複数の講座を用意し、社員に学びたい講座を選ばせて受講させる研修制度のこと。

ネオキャリアでは週に1回、講座を開催。講座の内容は社員にアンケートをとり、要望が高かったものを選んで企画しています。

内容は多岐にわたり、役員講座やExcel講座などの実務的な講座はもとより、生活を充実させる講座としてヨガやピラティス講座まであるそうです。人気の講座はキャンセル待ちが出るほどだといいます。

社員は学びたい内容を選択して受講できるので、モチベーションを高く保ちながら意欲的に学んでいるそうです。

受講する社員目線で研修計画を立てよう

ニューノーマル時代の階層別研修の必要性について解説しました。集合研修だろうとオンライン講座だろうと、学習する社員に役立つものでなければ期待する効果は得られません。

研修の方向性は提供する企業側の都合ばかりではなく、学ぶ側の社員が意欲的に取り組みやすいよう工夫が必要でしょう。

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