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【初心者向け】OJTとOff-JTの違い〜知らないと恥ずかしい~

【初心者向け】OJTとOff-JTの違い〜知らないと恥ずかしい~

「何となく現場任せにしていた人材育成。より効果的に社員のスキルアップを進めて定着してもらいたい。」と、お悩みではありませんか?

この記事では、社内教育の推進に悩む人事担当者の方に向けて、基本的な育成手法である”OJT”と”Off-JT”の特徴について徹底的に解説します。

両者の効果的な組み合わせ方や、OJT・Off-JTそれぞれの導入事例もご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。

OJTとOff-JTの違いとは? 

効率良く人材教育を進めるには、OJTとOff-JTの違いをしっかりと理解しておく必要があります。詳しく特徴を見ていきましょう!

OJTとは?|職場での実践を通じて行う教育法

OJTとは”On the Job Trainingの"の頭文字を取った略語のこと。職場での実務を通して、知識や技術を身につけさせる教育手法を意味します。

ビジネスパーソンなら、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。
OJTの基本的な指導方法は以下の手順でおこないます。

  1. OJT担当者が業務の手本をやってみせ、業務のイメージを掴んでもらう(Show)
  2. 業務の意味や背景を説明する(Tell)
  3. 研修生に実践してもらう(Do)
  4. 必要に応じて改善点をフィードバックする(Check)

この4段階からなる指導法がOJTの基本。多くの場合、先輩社員がマンツーマンで指導します。

Off-JTとは?|現場を離れて座学で行う研修方法を意味する 

対してOff-JTとは何か?
Off-JTは”Off the Job Trainingの"の頭文字を取った略語。職場を離れて、会議室やホールで一斉に行う研修を意味します。

研修を担当するのは、人事部の教育担当者や外部から呼び寄せた専門家など。研修内容は業務に必要な汎用的な知識を学ぶケースが多いですね。
例えば…

  • 新人教育の一環として、ビジネスマナー研修やコンプライアンス研修
  • スキルアップ向上の一環として、ロジカルシンキング研修、リーダーシップ研修
  • 管理職向けにマネジメントスキル研修 など。

体系的に知識を学ばせる点が特徴です。講義者(OJT担当者)1人に対して受講生は多人数。学校での授業を想像するとOff-JTのイメージがつくでしょう。

OJTとOff-JTのメリット・デメリットとは?

OJTにもOff-JTにも、メリット・デメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

OJTのメリットは? 

OJTのメリットは以下3点。

  • 個人に合わせて育成できる
  • 低コストで研修できる
  • 実践的な知識やスキルを習得できる

個人に合わせて育成できる

研修生の習熟度に合わせて、教え方や指導スピードを臨機応変に調整できます。
基本的にマンツーマンで行うため、指導者側は研修生の学習状況を把握しやすく、研修生側としても不安や疑問を即相談できるメリットがあります。

低コストで研修できる

コストを抑えて研修を実施できます。通常業務を通して社内の担当者が指導するため、外部から研修講師を招へいする費用などがかかりません。

実践的な知識やスキルを習得できる

現場で経験を積みながら学ぶため、実務に必要な知識やスキルを効率良く習得できます。より早い段階での即戦力化を期待できるでしょう。

OJTのデメリット

一方、OJTには以下3点のデメリットがあります。

  • 教える社員に負担がかかる
  • 知識を体系的に学べない
  • 教え方にばらつきがある

教える社員に負担がかかる

OJT担当者はOJTのみに集中できるわけではありません。通常業務と並行してOJTを行うため、担当者はその両立に頭を悩ませがちです。

指導力にばらつきがある

担当者によって教え方にバラつき出る点もデメリットポイントでしょう。指導が得意な担当者がいれば、不得意な担当者もいます。

現場の担当者に一任する教育方法であるため、教わる側の習得度は担当者の腕一つにかかる面があるのです。

知識を体系的に学べない

OJTの場合、業務の全体像を捉えづらい面があります。実務を少しずつこなしながらの研修であるため、業務同士の関連性を体系的に理解するには時間がかかることも。

Off-JTのメリットは?

ではOff-JTのメリットについて見ていきましょう。
Off-JTのメリットは下記の通りです。

  • 平等に教育を行える
  • 体系的に知識を学べる
  • 他部署との交流が生まれ、社内のコミュニケーションが活性化する

平等に教育を行える

Off-JTには研修生に平等に教育を施せるメリットがあります。多人数を集めて一斉に研修を行うため、研修生全体のスキルの底上げを着実に進められます。

汎用性の高い専門知識を体系的に習得できる

知識を体系的に学べます。現場から離れて行うからこそ、じっくり知識を落とし込めるのです。
携わる業務や身に着ける技術が本来どのような意味を持つのか。研修生により深い理解を促すことができるでしょう。

社内のコミュニケーションが活性化する

部署の垣根を超えて研修に集わせることで、社員同士の交流が生まれます。

社内のコミュニケーションが活性化すれば、社員自身の仕事に対するモチベーションもより一層高められますね。

Off-JTのデメリットは?

では、Off-JTにはどのようなデメリットがあるのでしょうか?
Off-JTのデメリットは下記の通りです。

  • 研修コストがかかる
  • 業務が止まる
  • 即時性を期待できない

コストがかかる

Off-JTのデメリットはなんと言ってもコストがかかってしまうこと。Off-JTを実施するには、外部から講師を招く費用、会場を借りる費用などが発生してしまいます。

業務が止まる

職場・ワークスペースを離れて研修を行うため、一時的に受講生は業務を止めざるを得ません。業務が止まる分、企業側に負担がかかってしまう面があります。

業務への即効性は期待できない

Off-JTは知識を体系的に学べる反面、業務にすぐ活かせる即効性は期待できません。日常業務に直結する内容を学ぶのではなく、スキルの底上げを目的とする傾向があるからです。参加者側にはある程度、学ぶ意欲が求められます。

たとえばリーダーシップ研修のように、立場に応じた仕事への姿勢を学ぶ研修であったり、コンプライアンス研修のように法令遵守の意識を向上させる研修であったり。
組織全体や社員それぞれの必要に応じて研修カリキュラムを準備します。

OJTとOff-JTを組み合わせて高い育成効果を 

OJTとOff-JTを組み合わせることで互いのデメリットを補完し合えます。

OJTで身につけたノウハウをOff-JTによる研修で理論的に裏づけて解釈できるからです。逆に、Off-JTによって学んだ知識を実務の中で実践することで、より深く業務を理解できます。

OJTとOff-JTの理想的な割合は? 

OJTとOff-JTを組み合わせる際に、意識したいのは「70:20:10の法則」です。

アメリカのコンサルティング会社・ロミンガー社が「リーダーシップをうまく発揮できている経営幹部」に”これまでに役立った出来事”を調査した結果、次のような結果が得られたと言います。

  • 経験(70%)…業務に携わった経験(OJT)
  • 薫陶(20%)…上司や先輩から受けた影響やアドバイス
  • 研修(10%)…研修や書籍などから得た情報(Off-JT)

人材育成の場面で最も比重を置くべきなのは経験(OJT)であり、100%に近づけるために、20%の薫陶と10%のOff-JTが必要だと結論づけているのです。

70:20:10の法則について、以下の動画で非常にわかりやすく解説されています。

ぜひご参考にしてみてください。

Off-JTの必要性 

とはいえ、
「Off-JTの割合が全体のわずか10%に過ぎないなら、OJTだけで十分なのでは?」
「Off-JTって必要?」
そう感じる方もいるでしょう。

”経験”に比重を置くのはもちろん大切です。しかし、だからと言って残りの30%を蔑ろにして良いものでもありません。
経験(OJT)と薫陶と研修(Off-JT)、これら3つの要素をセットで考えてこそ高い育成効果を期待できます。

なぜなら、さまざまな経験を自身の成長に繋げるには「気づき」が必要だから。「気づき」を得るには、残り20%の薫陶と10%の研修が不可欠です。

経験の反復ばかりでは問題の本質に気づけず悩むこともあるでしょう。

日頃の仕事ぶりや考え方について、先輩や上司から助言をもらう。研修を通して自身の強みや課題を把握し、成長の道筋を立てる。
そうした工夫が学びの効果をより一層、高めるのです。

具体的なやり方は?|OJTとOff-JTを絡めた育成事例 

OJTとOff-JTを組み合わせた事例を見てみましょう。

厚生労働省のホームページに企業の社内教育事例が多数掲載されていました。その中から2社をピックアップして、簡単にご紹介します。

M社(運輸業)

事業内容

大手小売流通チェーンの物流システムを担うトラック運送業者

具体的な取り組み

・中堅社員(ドライバー)を車に同乗させることによってOJT教育を実施
・定期的に社内講師によるOff-JTを実施。内容は交通法規や社内ルール、一般知識など。
・年1回運転シミュレーションを使用した技能教育を実施。

 

P社(情報通信業)

事業内容

コンピュータシステムの設計・開発・運用・保守

具体的な取り組み

新入社員に対する社外専門機関におけるOff-JTコンピュータ研修

受講後にOJT教育を実施。

 

OJTとOff-JT、それぞれに適した研修があります。

効果的に研修を行う鍵は、OJTとOff-JT、両者の特徴をよく理解して使い分けること。

上記の事例を参考に、自社ではどう進めるか検討してみてください。

さらに望ましいのは自己啓発(SD)を促すこと 

ここまでOJTとOff-JTについて学んできました。より効果的に人材育成を進める上で、もう一つ導入したいのがSDです。SDとは「Self Development」の略で「自己啓発」のこと。

社員自身が通信教育や講座を活用して、スキルアップに励むことを意味します。時間や場所を選ばず取り組めるため、運用次第ではOff-JTより低いコストで効果を期待できるかもしれません。

今増えているSDとしては、通信教育にかかる費用を会社が一部負担したり、まとまった学習期間を確保するために休暇制度を設けたり。社員のリカレント教育を推進する企業も増えてきましたね。

OJT、Off-JTと合わせて、社員の自己啓発・SDを支える制度の構築も検討してはいかがでしょう。

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