さまざまな大学で、社会人の学び直しであるリカレント教育を推進しています。
しかし、学びたい意欲のある人が誰でも入学できるわけではありません。入学者選抜や社会人入試などの選考を経て、通過した人のみが入学できる仕組みが取り入れられています。
そこで、リカレント教育を推進する大学で実施する、入学者選考の方法をまとめました。これからリカレント教育で学び直しをしたい方、リカレント教育を運営したい、入学者を募集したい大学職員の方は、ぜひご一読ください。
なお、リカレント教育が注目されている背景や取り組み事例をまとめた記事も用意しています。リカレント教育を基礎から知りたい方は、併せてご覧ください。
リカレント教育の入学者選考方法
リカレント教育の入学者選考として行われている、主な方法は以下の5つです。
- 願書提出
- 面接・口述試験
- 論文
- 学科試験
- PCテスト
1つずつ紹介していきますので、参考にしてみてください。
なお、当記事でお伝えする内容は、2021年7月時点の情報です。最新の募集要項は各公式サイトにてご確認ください。
願書提出
リカレント教育で大学に入学するにあたり、必須となるのが願書の提出です。ほとんどの大学で、所定の用紙に必要事項を記入し、提出書類と共に郵送する流れになっています。
その中で、Web上のシステムを使って出願ができる大学もありました。
▼Webで出願できる大学
- 筑波大学 社会人大学院
- 早稲田大学 修士課程
- 金沢工業大学 虎ノ門大学院
- 日本女子大学 文学部・人間社会学部 など
受験者が専用サイトにアクセスし、必要な情報を入力して出願登録する流れです。しかし、できるのは登録のみで、必要書類は別途郵送するケースが多く見られました。
写真付きの履歴書や所属企業の部門長の推薦状など、原本の提出が必要になると、すべてオンラインで出願を完了させるのは、難しいのかもしれません。
面接・口述試験
書類での選考のほか、面接を実施する大学が多く見受けられました。受験会場での対面形式の面接が多いようですが、書類+短時間の面接で選考が行われる場合は、Web会議システムのZoomを利用するケースもあります。
▼Zoomを利用した面接を実施する大学
- 日本女子大学 リカレント教育課程(働く女性のためのライフロングキャリアコース)
- 明治大学 女性のためのスマートキャリアプログラム
- 関西学院大学 ハッピーキャリアプログラム(女性のキャリアアップ・起業コース)
- 東京女子大学 など
女性向けのリカレント教育を推進する大学で、Zoom面接が実施されているようです。
しかし、オンラインでの面接は、まだまだ少数に留まっているのが実情です。書類選考がメインで、面接が簡易なもので済むなら、オンライン化を推進しても良いのかもしれません。
また、大学院への入学選考は「口述試験」となっているところが多いです。たとえば、金沢工業大学の虎ノ門大学院イノベーションマネジメント研究科では、自己PRプレゼンテーションと対面での面接がそれぞれ15分実施されます。
論文
論文と言っても、簡単な作文や志望動機、小論文など、目指す大学やコースによって形式はさまざま。
その中でも、多くの人が書く可能性が高いのが、入学の志望動機です。志望動機書として用意されているか、願書の様式の中に記入する項目が含まれている場合もあります。
800字から2,000字程度で作成し、提出書類と一緒に郵送で提出するケースが多いようです。
調べていく中で、Web上で作文を提出する大学がありました。
▼Web上で作文を提出する大学
- 京都大学 技術イノベーション事業化コース
Googleフォーム上で、必要事項とともに志望動機や自己アピールなどを入力します。
また、大学院になると本格的な小論文試験になります。試験当日に口述試験もあるため、オンラインではなく対面での受験です。
さらに大学院の場合は、
- これまでの業務内容や研究内容をまとめた「経歴活動記録」
- これからの大学院での活動を記した「研究計画書」
といった文書の提出も求められます。
学科試験
リカレント教育で語学力が必要な場合や、学部に社会人入学をする場合は学科試験があります。学科試験を実施する大学と科目の例は以下のとおりです。
- 日本女子大学 リカレント教育課程 再就職のためのキャリアアップコース(英語)
- 日本女子大学 文学部・人間社会学部(英語)
- 法政大学文学部(古文・漢文・小論文を含む国語) など
日本女子大学のリカレント教育課程では、英語の学科試験が実施されますが、
TOEICのスコアや英検取得級によって試験免除も可能です。
PCテスト
入学後の授業がオンライン中心で行われる場合、パソコンスキルのチェックを実施する大学もあります。
- 日本女子大学 リカレント教育課程 再就職のためのキャリアアップコース(WordやExcelの基本操作)
- 京都女子大学 リカレント教育課程 キャリアアップコース(簡単なExcel表計算などのスキルチェック)
日本女子大学のリカレント教育過程におけるPCテストは、MOS WordおよびExcelスペシャリストに合格している場合は免除されます。
オンラインでの授業になりますし、将来のキャリアアップを目指すからには、基礎的なパソコンスキルは必須です。
選考方法のまとめ
ここまで、リカレント教育の入学者選考の方法を5つ紹介しました。お伝えしたことを一旦まとめます。
- リカレント教育の入学者選考は願書提出+面接のパターンが多い
- 大学院の専攻では、小論文や口述試験、研究計画書などの提出がある
- 論文の選考がなくても、志望動機で文章を書くケースも
- 必要に応じて、学科試験やPCテストを実施する大学もある
このように、大学によって選考方法はさまざまです。しかし、選考をオンライン化しているところは、ごく一部に留まっているのが現状です。
オンライン化の課題が山積する一方で、導入のメリットも!
すべての選考過程をオンライン化する、もしくはオンラインでできる選考を増やすには、まだまだ課題が多く残ります。たとえば、選考のオンライン化する際に、よくある課題を以下に洗い出してみました。
- 紙ベースの提出書類をペーパーレス化する方法がわからない
- 個人情報の管理面で不安が残る
- 対面できないため、カンニングや替え玉受験などの問題が発生する可能性がある
- 専用システムの開発にコストがかかる
これらの課題を1つ1つ解消していくには、時間と手間がかかり、大学側の選考担当者に大きな負担がかかるのではないでしょうか。
しかし、上記の課題を解決できた場合には、受験者と大学運営者の双方にさまざまなメリットが得られます。
【受験者のメリット】
- 提出書類を印刷したり、郵送したりする手間が省ける
- 画面上に提出すべきものが表示されていたら、抜け漏れも少なくなる
- 選考のために大学まで移動する時間と費用がかからない
- Web上で合否結果も確認できる
【大学運営者のメリット】
- 受験者から提出された書類の管理が楽になる
- ペーパーレス化により、試験当日の準備や書類選考を効率化できる
- 合否結果を知らせる郵送業務を減らせる
- 遠方に住む人でも受験しやすくなり、入学希望者を増やせる
受験者にも大学運営者にもメリットのある、理想的なオンライン環境で選考が可能です。
と言っても「どうやってオンライン化したらいいの?」「対面と同じように、制限時間の監視や、替え玉受験対策ができないと困る」と思う方もいるでしょう。そこで、リカレント教育のオンライン選考に最適なのがWisdomBase(ウィズダムベース)です。
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リカレント教育のオンライン選考をする際にWisdomBaseを導入すると、以下のように課題が解消されます。
- 受験者の情報を一箇所にまとめられる
- 試験問題の作成・合否判定
- Zoom面接の日時調整・管理
- 対面試験と同じように、制限時間の設定や替え玉受験防止、カンニング対策もできる
- 受験料の入金と管理
WisdomBaseを活用すると、これまで紙ベースで行っていた選考過程のオンライン化が可能です。
受験者の情報管理や入金管理などに別々のシステムを使う場合、かえって工数がかかるといったケースも……。しかし、WisdomBaseなら、あれこれ複数のシステムを導入することなく、選考に関わる業務の効率化が期待できます。
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