
昇進試験や昇格試験は、長い社会人生活の中でもそうそうたくさん受けることがないもの。特に初めての機会には、試験に向けて何を準備するべきか分からず、困ってしまうこともあるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、昇進・昇格試験の面接で聞かれることの多い質問を紹介。更に試験を通してどんなポイントが面接官に見られているのかも解説します。昇進・昇格試験を控えた方の試験対策としてはもちろんのこと、試験でどんなことを聞こうかと考えている人事担当の方にも役立つこと間違いナシの内容となっておりますので、ぜひ最後までお読みください。
- 昇進・昇格試験で注意したいNG行動
- 昇進・昇格試験で見られるポイント
- 昇進・昇格試験で頻出の質問5選
- 面接前に準備しておくべきこと
- 昇進・昇格試験の面接で合格する5つのコツ
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昇進・昇格試験で注意したいNG行動
昇進・昇格試験は、単に実績があるだけでは通過できません。
実際に「実力はあるのに落ちてしまう」行動には、いくつかの共通点があります。
まずは失敗しやすいパターンを知り、同じ落とし穴を避けることが合格への第一歩です。
1. 自己評価が高すぎて客観性に欠ける
上司や同僚の評価とのギャップに気づかず、自分の強みばかりをアピールするケースです。
たとえば「自分がチームを引っ張ってきた」と主張しても、実際は他メンバーの協力で成果が出ているのに、その点を一切触れないと“自分本位”と見なされます。
面接官は「チームとしてどう貢献してきたか」を重視しており、自己中心的な姿勢はマイナスに映ります。
2. 質問に対して結論があいまい
長く話しても要点が伝わらないと、「判断力・説明力が弱い」と評価されます。
たとえば「部下の育成で心がけていることは?」と聞かれて「日々のコミュニケーションを大切にしています」とだけ答えると、具体性に欠けます。
「結論→理由→具体例」の順で、「信頼関係づくりを重視しています。たとえば〜」と展開する意識を持ちましょう。
3. 現場課題を自分事として語れない
部署の課題や改善策を他人事のように語ると、リーダーシップ不足と見なされます。
たとえば「部署として生産性が低いです」「上司が改善を進めています」といった話し方では、自分の主体性が伝わりません。
「自分ならこう動く」「自分が提案してこう変わった」という視点で語ることが大切です。
4. 企業理念や方針への理解が浅い
会社の方向性を理解していないと、昇進後に誤った判断をするリスクがあると判断されます。
たとえば「現場効率を上げるためにコストを削減すべき」と主張しても、会社全体が“品質重視”を掲げていれば、方針とのズレが生じます。
日頃から経営方針や業界動向にアンテナを張り、会社の価値観に沿った判断軸を持ちましょう。
5. 態度・言葉遣いが雑
どんなに優秀でも、言葉づかいや態度が悪いと印象が台無しです。
たとえば面接官に対して腕を組んだまま話したり、「〜っすね」といったカジュアルすぎる言葉を使うと、「この人に部下を任せられるか」と不安を持たれます。
落ち着いたトーンで、相手の目を見て丁寧に話すことを意識しましょう。
昇進・昇格試験で見られるポイント
具体的な質問を紹介する前に、まず昇進・昇格試験ではどのようなポイントを見られているのかを解説します。ここを押さえておくことで、予想していなかった質問をされた際にもどのように解答すればよいのか、落ち着いて素早く考えることができるでしょう。
現在の仕事での実績・取り組み
特に主任や係長クラスへの昇進・昇格試験では重視されるのが、現在の仕事での実績や取り組みについてです。主任・係長クラスでは、会社や部門を動かすような重要な決定をすることよりもチームをまとめて確実に業務を行っていく・管理していく役割が求められます。この役割を全うできるかという前提として、現在の仕事で実績を上げられているか、確実に業務を遂行していける能力があるのかという点が見られるのです。
リーダーシップがあるか
目指す役職の高さに関わらず、主任クラスでも部長クラスでも求められてくるのがリーダーシップ。具体的には、ビジョンを明確にしてチームや部署を引っ張っていける力や、チームメンバーをまとめる力などが挙げられます。
リーダーシップにも様々な種類があるため、自分はどのリーダーシップタイプに当てはまるか考えてみるのもよいでしょう。
リーダーシップの6タイプについてはこちらの動画で解説されていますので、併せてご参考ください。
決断力・判断力があるか
判断力は、特に部長クラスなど強い権限を持つ役職へ昇進・昇格する際に重視されることが多いです。現時点での状況や自部署の都合だけでなく、今後の見通しや他の部署や関係各所との折り合いなどを考えて適切な判断ができそうかという点が見られています。
また、部署全体を動かすことや、場合によっては会社を動かすような判断も求められるため、素早く正確な判断ができる決断力も求められるでしょう。
部下を育成・マネジメントできる力があるか
役職が上がれば上がるほど部下も増えるため、マネジメント能力が求められるようになります。適切な目標を与えたり目標までの進捗を管理したりと、自分が割り振られた業務を遂行していた一般社員の頃とは全く違う能力が必要となってくるため、その適性があるかを面接で判断されます。
人気ビジネス系YouTuber・マコなり社長のこちらの動画では上司としての部下の育て方が解説されています。ご興味のある方はご覧ください。
ストレス耐性があるか
役職が上がるにつれて責任が重くなれば、それだけストレスも大きくなります。特に昨今はメンタルヘルスの問題で休職・退職する人が増えているために企業側もこれまで以上に注意を払っています。
そのため、ストレスやプレッシャーに耐えられる人物であることは昇進・昇格を決定する上で重要度が増していると言えるでしょう。
メンタルヘルスのマネジメントに関してはこちらのブログもご参考ください。
昇進・昇格試験で頻出の質問5選
ここからは、これまでに解説してきたポイントを見極めるためによくされる質問について紹介します。
仕事をする上で大切にしていること
現在の仕事での数値的な実績はデータを見れば分かるもの。そのため、面接ではデータでは見えないあなたの仕事への価値観が問われることが多いです。職種や会社のフェーズや文化によって望ましい回答は異なりますので、自分の状況に応じて答えを用意しておきましょう。
自己PRと繋がるような内容を伝えられると、回答に一貫性が出てそれによる評価も期待できます。
自分の所属する部署の課題と解決策
リーダーに必要な全体を俯瞰して見る能力、問題解決能力を見極めるためにされる質問です。試験直前に考えるだけではなく、試験が決まった段階や昇進・昇格を目指すと決めた時から部署の課題は何かと考えるように思考する癖をつけておくとよいでしょう。また、解決策を説明する際には明確かつ論理的に話せるよう、しっかり事前準備をしておきましょう。
伝え方については、サラリーマンYouTuber・サラタメさんのこちらの動画でも解説がされています。プレゼン・商談でも役立つ内容ですのでご興味のある方はご参考ください。
会社の経営方針に対してどう思うか
部長クラスなどハイレイヤーな役職への昇進・昇格の場合は的確な判断力やその階層にふさわしい知識を試すために経営に関する質問がされることもあります。
慌てて見当違いなことを言ってしまわないよう、同業他社の情報や自社に影響を与えそうな政治・社会の動向を見逃さないためにニュースの日常的なチェックも必須といえます。
上司として大切なことは何か
マネジメントに適しているかを判断するために部下を指導・育成する上で大切なことを聞かれることも多いようです。
マネジメント経験がある人はその経験を活かした回答を、経験がない人はどんなマネジメントをしていきたいかのビジョンや後輩を指導した経験を交えた回答をすると良いでしょう。
仕事に行き詰まった時のリフレッシュ方法
先述の通り仕事のストレスを溜め込んで、心身の体調を崩してしまう人も多い現代。自社でそのようなケースを生まないためにも、管理職にはストレスとうまく付き合っていける人物が望ましいです。面接上ではリフレッシュ方法やストレス解消法が質問がされることもしばしば。
ギャンブルや過度の飲酒などマイナスイメージにならないような方法であればOK。ストレスを溜め込んでパフォーマンスを下げることがないか、面接官の不安を払拭できるように回答をしましょう。
面接前に準備しておくべきこと
昇進・昇格試験の面接で合格するためには、当日の受け答えだけでなく、事前の準備がとても重要です。
どれだけ実績や経験があっても、質問にうまく答えられなかったり、話の筋が通っていなかったりすると、本来の実力を十分に伝えられません。
ここでは、面接前にやっておきたい準備のポイントを紹介します。
想定質問に対する回答をまとめておく
まずは、想定される質問に対して自分ならどう答えるかを整理しておきましょう。
質問をリストアップし、簡単な原稿のような形でまとめておくことで、話す内容に一貫性が生まれます。
特に「結論→理由→具体例」という流れを意識すると、面接官にも伝わりやすくなります。
声に出して読み上げてみると、自分でも意外と話しづらい部分や言葉の癖に気づくことができるでしょう。
模擬面接で本番を想定した練習をする
実際に人に協力してもらい、模擬面接を行うのも効果的です。
本番を想定した形式で練習すると、緊張した状態で話す感覚をつかむことができ、当日の焦りを軽減できます。
録音や録画をして見返せば、姿勢や話すスピード、声のトーンなど、自分では気づきにくい改善点を確認することも可能です。
会社の方針や経営ビジョンを確認しておく
昇進後は、部門を超えて組織全体を見渡す視点が求められます。
そのため、自社の経営方針や中期的なビジョンを理解しているかどうかも評価対象のひとつです。
普段の業務では関わりが少ない分野でも、社内報や経営資料などを改めて確認し、会社の方向性を踏まえた発言ができるようにしておくと安心です。
自己評価と周囲からの評価を照らし合わせる
自分では「できている」と思っていることが、上司や同僚からは違う印象で見られていることもあります。
事前に過去の評価コメントや目標管理シートを振り返り、強み・課題を客観的に整理しておきましょう。
「課題を自覚して改善に取り組んでいる」という姿勢は、面接官に良い印象を与えます。
昇進・昇格試験の面接で合格する5つのコツ
面接では、単に模範解答を暗記して答えるだけでは評価されません。
大切なのは「自分の考えを、説得力のある形で伝えること」。
ここでは、実際の面接で評価を高めるための5つのコツを紹介します。
1. 面接官の意図を理解してから答える
質問の裏には、必ず「見たい能力」があります。
たとえば「部下を育成する上で大切にしていること」という質問なら、単に育成方針を聞いているのではなく、マネジメント適性や人材観を見ています。
焦って答えを並べるのではなく、まず「なぜこの質問をしているのか」を意識し、回答の方向性を整えましょう。
2. 具体的なエピソードで説得力を出す
抽象的な理想論では、面接官の印象に残りません。
過去の成功体験や失敗からの学びを交え、「自分がどう行動したか」を具体的に語りましょう。
「チームで課題に直面したが、◯◯の仕組みを導入して改善した」といった実例を交えることで、実行力・課題解決力が自然と伝わります。
3. 結論→理由→具体例の順で話す
面接では時間が限られているため、話の構成力も評価の対象になります。
「結論→理由→具体例(PREP法)」を意識すると、論理的かつわかりやすく伝えられます。
例えば、「私が上司として大切にしているのは信頼関係です。その理由は〜。具体的には〜」という流れを意識しましょう。
4. 自分らしい考えを言葉にする
「正解を言おう」と意識しすぎると、ありきたりな回答になりがちです。
大切なのは、自分の考えや価値観を素直に言葉にできるか。
他の候補者との差がつくポイントは、意外にもこの「自分らしさ」です。
会社の方針を踏まえつつも、自分の経験や信念を自分の言葉で表現することを意識しましょう。
5. 面接態度や話し方も評価対象と意識する
昇進・昇格試験の面接では、回答内容だけでなく姿勢・表情・話し方も見られています。
上司や部下から信頼されるリーダーとしてふさわしい態度かどうかは、言葉よりも立ち居振る舞いで伝わります。
ゆっくり、はっきりと話す。相手の目を見て話す。相槌や聞く姿勢にも気を配りましょう。
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