近年社会人の学び直しである「リカレント教育」が注目を集めています。コロナ禍で先の見えない時代、「このままでいいのか」「もっと学びを深めて別の道を歩みたい」と、社会人人生を見直す人も増えてきているようです。
それにともない、リカレント教育に取り組む大学も増えてきています。WisdomBaseでも、これまで京都大学や金沢工業大学といった、リカレント教育に力を入れている大学をご紹介してきました。
今回は、こちらの記事でご紹介したリカレント教育を推進している私立大学8校の中から「早稲田大学」をピックアップし、内容を深掘りしていきます!
早稲田大学のリカレント教育
早稲田大学が初めて社会人教育をスタートしたのは、1882年に「東京専門学校」として創設されたわずか2年後、なんと1886年のことです。「早稲田大学講義録」を発行し、校外生制度(通信教育)を発足したのが初めです。
早稲田大学ではそれ以降、あらゆる世代の人が学ぶ生涯学習機関として機能してきました。今では目的にあったさまざまな学びのスタイルを提供し、選択できるようになっています。
本格的な学び直しなら「大学院」
早稲田大学では、社会人としてさらに成長するため、いったんキャリアをストップし、大学院で学位を取得する本格的なリカレント教育を実践することも可能です。以下の研究科では、社会人入試やAO入試を実施しています。
政治学研究科 / 経済学研究科 / 法学研究科(社会人向けコース) / 基幹理工学研究科 / 創造理工学研究科 / 先進理工学研究科 / 教育学研究科 / 人間科学研究科 / 社会科学研究科 / スポーツ科学研究科 / 国際コミュニケーション研究科 / アジア太平洋研究科 / 日本語教育研究科 / 情報生産システム研究科 / 法務研究科(3年標準課程) / 会計研究科 / 環境・エネルギー研究科 / 経営管理研究科
短期で学び直しを終えたい場合には、1年〜1年半で終了できる制度を設けている研究科もあります。以下の研究科では、短縮コースが設置されています。
政治学研究科 ジャーナリズムコース(修士課程1年制) / 法学研究科 先端法学専攻(現代アジア・リージョン法LL.M.コース1年制) / 創造理工学研究科 経営デザイン専攻(社会人特別履修プログラム1.5年制) / 教育学研究科 高度教職実践専攻(教職大学院1年制) / スポーツ科学研究科(修士課程1年制<エリートコーチングコース>) / 法務研究科(2年短縮課程・法学既修者) / 会計研究科 高度専門コース(1年制) / 経営管理研究科(1年制総合)
働きながらでも通える「学部の夜間課程」
社会人として仕事は続けたい、けれども本格的な学び直しもしたいなら、夜間開講を実施している研究科もあります。
法学研究科 先端法学専攻(知的財産法LL.M.コース1年制) / 創造理工学研究科 経営デザイン専攻(社会人特別履修プログラム1.5年制) / 人間科学研究科(修士課程1年制・教育臨床コース) / スポーツ科学研究科(修士課程1年制<エリートコーチングコース>を除く)
夜間過程でも、短期で学び直しを終えられる短縮コースを開講している研究科があります。
法学研究科 先端法学専攻(知的財産法LL.M.コース1年制) / 創造理工学研究科 経 /デザイン専攻(社会人特別履修プログラム1.5年制) / 人間科学研究科(修士課程1年制・教育臨床コース) / スポーツ科学研究科(修士課程1年制<エリートコーチングコース>を除く)
大学生として学び直すなら「学部入学」
以下の学部では、社会人入試を実施しているので1年次から入学が可能です。
政治経済学部 / スポーツ科学部
すでに大学で学士を取得している場合には、学士・3年次入学(編入)試験を受けることで昼間課程で徹底的に学び直すことも可能です。
学士入試は商学部・社会科学部・国際教養学部以外のすべての学部(一部の学科やコースなどを除く)で実施されています。3年次編入学入試は、基幹理工学部・先進理工学部で一部学科を除き行われています。
通学圏外でも学べる「eスクール(通信課程)」
早稲田大学では、通信教育課程も実施しています。主に大学や短大を卒業した人向けの2年次に編入するαコースと、高卒の人向けの1年次に入学するβコースがあります。
eスクールは、スクーリングを除くほとんどの課程をeラーニングで行うことが特徴です。講義の受講だけではなく、BBSでの質問や議論、レポート提出や小テストまで、すべてがインターネットを介して実施されるため、大学への通学が難しい場合でも自分のペースで卒業を目指せます。
eスクールで学べるのは、以下の3学科です。
人間環境科学科 / 健康福祉科学科 / 人間情報科学科
不足単位を取得できる「科目等履修生」
教員免許状や博物館学芸員資格取得に必要な単位を修得せずに大学を卒業したものの、「やはり教員を目指したい」「博物館学芸員になりたい」などと思ったときには科目等履修生となり不足単位を取得できます。科目等履修生を受け入れているのは、以下の学部です。
早稲田大学学部
政治経済学部 / 教育学部 / 創造理工学部 / 人間科学部 / 法学部 / 商学部 / 先進理工学部 / スポーツ科学部 / 文化構想学部 / 基幹理工学部 / 社会科学部 / 国際教養学部 / 文学部
同じ志を持った仲間と共創できる「WASEDA NEO」
WASEDA NEOは、早稲田大学社会人教育事業室WASEDA NEO事務局が運営している社会人向けプログラムです。早稲田大学の日本橋キャンパスで開講されていて、未来志向のパイオニアたちと学び、交流する場として機能しています。
現在行われているのは、以下の5つのプログラムです。
日本橋ブレックファストセミナー |
朝の時間(7:20〜8:20)を有効活用し、自分を伸ばすセミナー形式の朝活プログラム |
トレーニングプログラム |
最新のビジネスの知識やスキル、その他人生において重要な視座や価値観を共有するプログラム |
パイオニアセミナー |
各界でイノベーションを起こしてきたパイオニアの方々を講師に招いて月1回実施する特別講義 |
ミニワークショップ |
ビジネスに活かせるちょっとしたTipsを学べるミニワークショップ |
履修証明プログラム |
合計60時間以上の講義を受講し、履修証明書を取得できるプログラム。 |
現在ほとんどの講座がオンラインや対面+オンラインのハイブリッドで実施されています。
起業家精神を養うなら「WASEDA-EDGE」
WASEDA-EDGEは、「グローバルリーダー」「社会貢献」を目指し、失敗を恐れずに挑戦するアントプレナー人材育成を目的としたプログラムです。起業家精神・起業家を実践的に育成するカリキュラムを提供し、参加者の内的動機を育成するコーチングやプログラムを提供しています。社会人向けのセミナーやワークショップも不定期に開催されています。
幅広い教養を身に付けたい人向けの「オープンカレッジ」
早稲田大学の研究や教育機能を広く社会に開放するための機関、エクステンションセンターでは、「早稲田大学オープンカレッジ」としてなんと年間約1,900もの講座を開講しています!
ジャンルは日本文学を紐解く「文学の心」、日本史を通史として学ぶ「日本の歴史と文化」、演劇や芸能、日本を含む東洋美術や西洋美術を知る「芸術の世界」など幅広く、10分野にも及びます。
受講生の継続学習の励みとなるよう、独自の単位制度が設けられていて、年度末には単位の履修状況を一覧にした「早稲田大学オープンカレッジ講座履修表」を授与していることもポイントです。
早稲田大学のリカレント教育の特徴
早稲田大学のリカレント教育は種類が多く、本格的に大学でリカレント教育を実践したい人からちょっとセミナーを受けてみたい、といった人にまで幅広く対応していることが特徴です。
たとえばWASEDA-NEOでは、朝の7:20〜8:30までの1時間×5回という「朝活」を実施していますが、早朝の時間にもかかわらず多くの社会人が受講しています。実際に講座を開講した講師の方の感想として、参加者は学ぶことにポジティブで、且つ学ぶこと自体を楽しんでいることが印象的だったということです。
現在はオンラインでの開講となっている朝活ですが、満席になることもある人気ぶりです。本格的なリカレント教育の実践は難しくても、単発の公開講座やオンライン配信の形であれば、忙しいビジネスマンにも受講してもらえるのではないでしょうか?
早稲田大学の社会人向け講座のオンライン学習環境は?
早稲田大学の社会人向け講座に関しては、現在ほとんどがオンラインで開講されています。
ご紹介したとおり、本格的な通信課程のeスクールでは、講義はもちろんレポート提出や小テストまでがオンライン上で実践されているそうです。そのため在学生も、東京・関東がおよそ56%と過半数を占めるものの、近畿や北海道、沖縄まで日本全国に散らばっていて、なかには海外の学生も4.8%いるようです。
オープンカレッジの各種講座も現在ほとんどオンラインなので、これまで興味があっても参加できなかった地方在住者でも参加できるようになりました。オンライン環境でリカレント教育を提供できれば、受講者の幅を広げることが可能になります。
WisdomBaseなら理想的なオンライン学習環境をカスタマイズ構築できます
WisdomBaseは、動画コンテンツやセミナーの管理、一人ひとりの学習の進度管理といった、リカレント教育を適正に進めるうえでの課題を解決します。
早稲田大学が多くのプログラムで実践しているように、オンラインで講座を配信すれば、物理的距離や収容人数の課題をクリアして、多くの人に学びの場を提供できるようになります。日本全国から受講生を確保できれば、経営上の課題をクリアすることにもつながるのではないでしょうか。
WisdomBaseはSaaS型システムであるため、運用・導入コストを抑えてスモールスタートできることが特徴です。さらに一般的なクラウドサービスとは異なり、自校のWebサイトのドメイン配下にシステムを構築できるので、セキュリティ面でも安心です。オンライン試験にも対応しており、早稲田大学のeスクールのような、本格的なリカレント教育の実践もサポートします。
WisdomBaseについての具体的なご相談はこちらからお問い合わせください😀