
近年、英語能力を測る主要な試験の一つであるTOEICにおいて、不正行為が問題視されるケースが散見されます。
特に最近、中国人大学生らによる替え玉受験事件が報道され、TOEIC試験のあり方や不正対策に関心が集まっています。
この記事では、この事件の背景やTOEICの基本情報、そして不正行為がもたらす深刻な結果について解説します。
- TOEICの不正受験はなぜ起きたのか?
- なぜ日本が不正に狙われるのか?
- 今さら聞けないTOEICの基礎知識
- TOEICのカンニング(不正行為)対策
- TOEICでカンニング(不正行為)がバレたらどうなる?
- まとめ
- WisdomBaseなら、オンラインテストのカンニングを徹底防止!
TOEICの不正受験はなぜ起きたのか?

TOEIC試験で相次ぐ不正行為は、試験の信頼性を揺るがす大きな問題です。
特に近年、組織的な手口が明らかになり、その巧妙さと大胆さが社会に衝撃を与えています。
本章では、最近の逮捕事例や不正の手口、そしてなぜ日本が狙われるのか、その背景に迫ります。
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京都大学大学院生逮捕と巧妙化する不正の手口
2024年5月、英語能力テスト『TOEIC』の試験会場で、他人に成りすまして受験しようとしたなどとして、京都大学大学院生で中国籍の王立坤(おう・りつこん)容疑者(27歳)が建造物侵入などの容疑で逮捕されました。
王容疑者は、偽造した他人名義の学生証を提示した疑いがもたれています。
TOEICは「日常生活やビジネスにおける英語力を測定する世界共通テスト」として、日本では大学入試や就職など、幅広い場面で活用されています。外国人が日本へ留学・就職する際にも重要な指標の一つとされています。
今回の事件は、主催団体から警察へ「顔写真は同じだが違う名前で受験している人がいる」と相談があったことから発覚。
試験当日、捜査員が会場に張り込み、王容疑者を現行犯逮捕しました。王容疑者は「金が欲しくて、アルバイトを探していた」と供述していると報じられています。
不正に使用された機器と手口
押収された証拠品からは、巧妙な不正の手口が明らかになっています。
約3cmの小型マイクが仕込まれたマスクがその一つで、アンテナも付いていました。このマイクを通して王容容疑者が解答を別の受験者に伝え、受け手は「小型イヤホン」で解答を聞こうとした可能性があるとのことです。
集団不正と余罪の可能性
さらに、集団的犯行の可能性も浮上しています。試験前の教室内には約50人の受験者がいましたが、王容疑者が逮捕された後、実際に試験を受けたのは約35人で、約15人が欠席したと報じられており、王容疑者の逮捕を受けて欠席したと見られています。
王容疑者には余罪もあり、2024年6月および2025年3月の試験でも別人になりすましていたとみられています。特に2025年3月の試験では、990点満点中945点という高得点を取得していました。
暗躍する中国のカンニング業者と日本の現状
中国系カンニング業者がSNSで「48時間で高得点」と謳い、日本のTOEIC不正を後押ししています。
主な手口は2つあります。
1つ目の手口は腕時計型端末と極小イヤホンを使う電子機器カンニング(約40万円)。利用者は羽田到着後に早稲田駅のロッカーで機器を受領し、オンライン研修を経て試験に挑む流れです。料金は前金10万円、得点確定後に残額を払う仕組みになっています。
2つ目の手口は、替え玉受験(約80万円)で、個人情報を渡せば代理人が受験し本人は会場へ行く必要がありません。業者は「800点以上の替え玉を高報酬で募集」と呼びかけ、日本の緩い監視体制を巧みに突いているのが現状でしょう。
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なぜ日本が不正に狙われるのか?

TOEIC不正が日本で横行する背景には、一体どのような理由があるのでしょうか。
それは、日本の不正対策が他国に比べて「甘い」という指摘があります。
中国の大学入試「高考(ガオカオ)」では、顔写真だけでなく指紋・声帯認証なども導入しています。電子機器対策として外部との通信を遮断する装置を設置。「組織試験カンニング罪」は最高7年の懲役刑、教育法では替え玉受験などで受験資格を最高3年停止するなど厳罰化されています。
韓国の大学修学能力試験では電子機器の持ち込みが禁止され、全試験会場に金属探知機を配備。不正行為に対する受験資格停止は高等教育法で1年と定められています。
一方、日本では、2022年の大学入学共通テストで受験生が試験問題を撮影・流出させた事件がありましたが、偽計業務妨害の容疑で書類送検され、保護観察処分となりました(偽計業務妨害罪は3年以下の懲役または50万円以下の罰金)。
カンニングが発覚した場合でも、翌年の受験は可能とされています。
参考:TOEIC不正受験 中国カンニング業者に取材接触 替え玉は80万円 高得点保証も
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/900025737.html
参考:TOEIC「中国人の替え玉受験」日本で起きた背景 《学歴社会の中国》日本での大学院進学を狙ったか
https://toyokeizai.net/articles/-/880671
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今さら聞けないTOEICの基礎知識

これまで2025年5月に発生したTOEIC不正受検について触れてきましたが、ここで改めてTOEICとはどのような試験なのか、基本的な情報を確認しておきましょう。
TOEICって何?
TOEICとは、Test Of English for International Communicationの略で、「トーイック」と呼ばれています。日本語に訳すと「国際的なコミュニケーションのための英語のテスト」となります。
世界160カ国で実施されているグローバルな試験ですが、前述の通り、特に日本と韓国で多くの人が受験しています。
実は5種類あるTOEICテスト
一般的に「TOEIC」として広く認知されているのは「TOEIC Listening & Reading Test」ですが、実はTOEICプログラムには以下の5種類のテストが存在します。
- TOEIC Bridge Test Listening & Reading
- TOEIC Bridge Test Speaking & Writing
- TOEIC Listening & Reading Test
- TOEIC Speaking & Writing Test
- TOEIC Speaking Test
「TOEIC Bridge Test」は初級・中級者向けで、TOEICテストの入門編といった位置づけです。 この記事では、特に断りがない限り、最も一般的な「TOEIC Listening & Reading Test」について言及します。
TOEIC Listening & Reading Test の特徴
- 合格・不合格のないスコア制
- リスニング(495点満点)とリーディング(495点満点)の合計990点満点で英語能力が数値化されます。英検のような合否判定はありません。就職や昇進の際には、企業や団体が独自の基準スコアを設定していることが一般的です。
- 問題数と試験時間
- リスニング100問(約45分間)、リーディング100問(75分間)の合計200問、約2時間の試験です。
- マークシート形式
- 全てマークシート方式で、記述問題はありません。
- オールイングリッシュ
- 問題文も選択肢も全て英語で記載されており、日本語は一切出てきません。
英検との違い
日本の英語試験として有名な英検と比較すると、TOEICはよりビジネスや日常生活におけるコミュニケーション能力を測ることに特化していると言われます。
また、英検が4技能(読む・書く・話す・聞く)を総合的に、または級によって段階的に評価するのに対し、TOEIC Listening & Reading Testは「聞く・読む」の2技能に特化しています(スピーキングやライティング能力を測る別のTOEICテストも存在します)。
団体申込みならオンラインテストも可能
TOEICでは、企業や学校などの団体で申し込む場合に限り、24時間365日どこでも受験可能なオンラインテスト(IPテスト)の利用ができます。
オンラインテストは試験時間が約1時間、問題数も90問と短縮されていますが、スコアは会場受験と同様に990点満点で評価されます。ただし、公式認定証が発行されるのは公開テストのみです。
TOEICのカンニング(不正行為)対策

TOEICでは、試験の公正性を保つために様々な不正行為対策が講じられています。
会場試験での対策
- 問題用紙・解答用紙の管理
- 試験問題の持ち帰りや、問題用紙への書き込みは固く禁じられています。メモを取ることもできません。
- 試験監督による巡回・監視
- 所定の研修を受けた試験監督が試験会場を巡回し、不正行為がないか厳しく監視しています。
オンラインテスト(IPテスト)での対策
オンラインテストでは、なりすましやカンニングを防ぐために以下のような対策が取られています。
- Webカメラによる録画・監視
- 受験中の様子はWebカメラで常時撮影されます。
- AIによる解析
- 撮影された映像はAIによって解析され、受験者の入れ替わり、複数人の映り込み、不審な視線の動きなどがチェックされます。試験担当者はAIの解析結果と録画映像を確認し、不正の有無を判断します。
これらの対策により、試験中に不正が発覚しなくても、後日発覚する可能性は十分にあります。
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TOEICでカンニング(不正行為)がバレたらどうなる?
万が一、TOEICでカンニングなどの不正行為が発覚した場合、受験者には厳しいペナルティが科せられます。
今後のTOEIC受験が不可能に
不正行為が認定されると、その回の試験結果が無効になるだけでなく、今後のTOEICテストの受験が一切できなくなる可能性があります。就職活動、転職、昇進・昇格など、人生の様々な場面で英語力の証明として活用されるTOEICを受験できなくなることは、将来の選択肢を大きく狭めることになりかねません。
また、企業や学校からの指示で受験した場合、受験できなくなった理由を問われ、過去の不正行為が露見するリスクもあります。これにより、これまで築き上げてきた信頼が一瞬にして崩れ去る可能性も否定できません。
バレなかったとしても…その場しのぎのリスク
仮に運良く不正行為が見過ごされたとしても、決して安心はできません。TOEICスコアは一度提出して終わりではなく、入社後や進学後に再度受験を求められたり、英語研修のクラス分けに使われたりすることがあります。その際に、提出したスコアと実際の英語力に著しい乖離があれば、周囲に不信感を抱かせることになるでしょう。
結局のところ、不正行為によって得たスコアは真の実力を反映しておらず、いずれどこかでその矛盾が露呈する可能性が高いのです。
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まとめ
TOEICに限らず、あらゆる試験において不正行為は許されるものではありません。一時的に高いスコアを手に入れたとしても、それは砂上の楼閣であり、発覚した際の代償は計り知れません。
特にTOEICは、多くの企業や教育機関で信頼されている英語能力の指標です。その信頼を裏切る行為は、自身のキャリアや将来に深刻な影響を及ぼします。
困難に感じるかもしれませんが、地道な努力と学習によって得たスコアこそが、真にあなたの価値を高め、未来を切り開く力となるでしょう。不正行為に手を染めることなく、正々堂々と試験に臨むことが何よりも大切です。
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