弁護士や検察官、裁判官を志すなら、必ず通過しなくてはならない司法試験。もし司法試験でカンニングして合格した場合は、合格の決定が取り消され、長い場合は5年間の再受験を許されません。
法曹三者を目指すならば、カンニングは許されない行為です。そこで今回は司法試験の概要や、カンニング対策を紹介します。
司法試験について
司法試験の概要について紹介します。
司法試験とは
司法試験とは弁護士や検察官、裁判官になろうとする人に、必要な学識や応用能力があるかどうかを判定するための国家試験のことです。
受験資格は次の2種類があります。
- 法科大学院課程の修了者
- 司法試験予備試験の合格者
司法試験予備試験とは法科大学院に通わなくても、法律家を目指す人に開かれた制度のことです。受験資格はありません。年齢や学歴は関係なく、だれでも受験できます。
試験日時と試験地
試験実施は毎年5月です。4日間に分けて行われます。
例年の試験内容は以下のように構成されています。
1日目 |
論文式試験 |
選択科目(3時間) 公法系科目第1問(2時間) 公法系科目第2問(2時間) |
2日目 |
民事系科目第1問(2時間) 民事系科目第2問(2時間) 民事系科目第3問(2時間) |
|
3日目 |
刑事系科目第1問(2時間) 刑事系科目第2問(2時間) |
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4日目 |
短答式試験 |
憲法(50分) 民法(75分) 刑法(50分) |
試験は以下の都市で行われます。
- 札幌市
- 仙台市
- 東京都
- 名古屋市
- 大阪市
- 広島市
- 福岡市
受験会場は年度によって変わるので、法務省のホームページで確認してください。
短答式と論文式による筆記方法
司法試験は短答式と論文式による、筆記方法にて行われます。短答式とはマークシートで解答する方法のこと。膨大な暗記量が必要であることが特徴で、、幅広い分野から基本的な問題が多く出題されます。
論文式では法的な分析力、構成や論述の能力があるかがチェックされますので、法知識に加え文章を理解する能力、論理的に説明できる能力が必要です。
司法試験でカンニングしたらどうなる?
もし司法試験でカンニングしたら、どうなるのでしょう?
法律の観点から見てみましょう。司法試験法では次のように定められています。
“司法試験法(昭和24年法律第140号)
(合格の取消し等)
第10条 司法試験委員会は、不正の手段によつて司法試験若しくは予備試験を受け、若しくは受けようとした者又はこの法律若しくはこの法律に基づく法務省令に違反した者に対しては、その試験を受けることを禁止し、合格の決定を取り消し、又は情状により5年以内の期間を定めて司法試験若しくは予備試験を受けることができないものとすることができる。”
カンニングすると、次のような処分を受けます。
- 不正(カンニング)して合格した場合、その年の受験は無効になる
- 合格していても、不合格になる
- 最長5年間は受験資格が得られない
このように、厳しい処分を受けることになります。
また、司法試験では試験会場を公募する際に、次のような環境を指定しています。
“試験室は,筆記試験実施に適した設備を有し,試験監督員からの死角がない状態で, 受験者を十分に監視できる環境にあること。”
司法試験は、常に試験監督員から見張られている状態で行われます。つまりカンニングは不可能に近い環境と言えるでしょう。
司法試験でのカンニング対策
司法試験でのカンニング対策を3つ紹介します。
試験中、机の上に出せるものは決まっている
試験中は机の上に出せるものが決まっています。受験票,時計(ストップウォッチを含む),鉛筆,消しゴム,ボールペン,万年筆,ラインマーカー,色ペン,色鉛筆,シャープペンシル,鉛筆削り以外はカバンの中にしまっておく必要があります。机の中に、所有物を入れることはできません。
ただし、身体に障害のある受験生には受験特別措置が適用され、司法試験委員会から認められたものは使用できます。受験特別措置を希望する場合は、事前に申請する必要があります。
サポーターやリストバンドは使用不可
手や腕に巻くサポーターやリストバンドは使用できません。カンニングペーパーを間に挟み込むなどの、カンニング行為を防ぐためです。汗などを拭きたい場合は、持ち込みを認められているハンカチを利用しましょう。
顔写真と本人の確認を行う
司法試験では替え玉受験防止のため、出願時の顔写真と受験者の顔が一致するかどうかをチェックします。仮に、受験願書の写真でメガネをかけていた場合でも、受験時にメガネを外しても差し支えはないようです。
しかし本人確認が取れない場合は、メガネをかけた状態で照合する場合もあるようなので、念のために持参しておくとよいでしょう。
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- 専用デスクトップアプリにより、受験者のデスクトップを監視する…試験ページからの離脱等の不正行為が行われた際には、デスクトップのスクリーンショットを撮影します。デスクトップの監視によって、受験者がカンニングしていないかをチェックできます。
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