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薬剤師国家試験のカンニング対策とは?【国家試験カンニング対策研究】

薬剤師国家試験のカンニング対策

病気の治療や日常の健康維持に欠かせない、「薬」を取り扱うスペシャリストが薬剤師です。薬剤師になるには、大学の薬学部で6年にも及ぶ教育課程を履修したあとに、薬剤師国家試験を受験して合格しなければなりません。

薬学部を卒業するには、私立の大学だと6年間で1,200万円ほどかかるといわれています。「これだけお金をかけたのだから、なんとしても合格したい!いっそカンニングしてでも…」と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、薬剤師国家試験でカンニングがバレたらどうなるのか、どんなカンニング対策が取られているのかを調べてみました!

薬剤師国家試験とは

薬剤師国家試験とは、厚生労働省が毎年実施する、薬剤師になるための国家試験です。

例年2月下旬の土日2日間かけて、北海道・宮城県・東京都・石川県・愛知県・大阪府・広島県・徳島県・福岡県の9都道府県内にある複数の会場で実施されます。毎年13,000〜14,000人前後が受験し、合格率は70%前後で推移しているようです。

試験は90問の「必須問題」と、255問の「一般問題」(薬学理論問題105問・薬学実践問題150問)で構成されています。内容は基本的に正しい答えを選択する正答肢選択問題で、2018年に実施された第104回薬剤師国家試験からは「禁忌肢」が導入されました。

禁忌肢とは?

禁忌肢とは、選択問題で選んだ時点で失格になるような選択肢のことです。薬剤師は患者に投与する薬剤を誤ってしまうと、人命に関わります。たとえば「この薬とこの薬を組み合わせて投与してはいけない」とされているのに、それを選んでしまうような人が薬剤師になっては困りますよね?

禁忌肢は、そういった患者に対して重大な障害を与える可能性のある内容や、法律に触れるような内容など、誤った知識を持った受験生を選別するために導入されました。

ただし、マークシートを間違えて塗りつぶしてしまった…といった偶発的要素を考慮するために、「1つでも禁忌肢を選ぶと不合格!」とはされていません。2020年に実施された第106回の薬剤師国家試験の合格基準によると、禁忌肢問題の選択数が2問以下までは認められているようです。

禁忌肢について詳しくは以下の記事をご覧ください!

薬剤師国家試験でカンニングするとどうなる!?

薬剤師国家試験でカンニングする人なんていないのでは、と思うのではないでしょうか?

確かに薬剤師国家試験でのカンニング事例は確認できませんでしたが、薬剤師を目指す薬学生が受験する、「薬学共用試験」で不正行為が報告されています。

薬学共用試験は、病院や薬局などで実務実習を行う前に、知識・技能・態度が一定レベルに到達しているかを確認するテストです。知識を評価するCBTと、実技を通して技能・態度を評価するOSCEの2種類があり、不正行為はOSCEで行われました。

不正行為が行われたのは2015年度で、受験生はOSCEで課題ごとに用意されたステーションと呼ばれる小部屋に関する情報を、試験終了後にツイッターに投稿したそうです。結果的にその受験生は不合格とされ、再試験の受験もできなくなってしまいました。

薬剤師国家試験においては、受験者留意事項に「不正行為が確認された場合には、受験を停止させ、無効とするとともに一定の期間受験を認めないなどの処分を行うことがある。」と明記されています。カンニングなどの不正行為がバレてしまうとその時点で残りの試験を受けられなくなるうえ、どの程度の期間かは不明ですが、おそらく数年は受験が認められなくなってしまうと考えられます…

中国の薬剤師試験では2,440人が集団カンニング!

これは日本の事例ではありませんが、中国では2014年の薬剤師国家試験で、2,440人の集団カンニング事件が勃発しています。会場に送り込まれたニセの受験生が問題を覚えて退出して試験問題を再現。その解答を約3万5,000円を払った受験生のイヤホンや電子消しゴムに、暗号で配信したそうです。

その回の受験生は全部で2万5,000人だったそうなので、全受験生のおよそ10%がカンニングに関与したことになります。当局によると不正が見つかった受験生は、2年間受験を禁じられたそうですが、日本では考えられない「カンニングビジネス」にはちょっと驚いてしまいますね!

薬剤師国家試験のカンニングの話は、こちらのYouTubeコンテンツでも語られていますので、興味がある方はどうぞ!

薬剤師国家試験のカンニング対策

薬剤師国家試験では、以下のようなカンニング対策が取られています。

出願書類に添付する写真の本人確認が必要!

薬剤師国家試験の募集要項によると、出願書類に添付する写真は、卒業または在籍している大学などで「その写真が本人である」との確認を受けなければならないとされています。第三者にあらかじめ確認させておくのは、かなり精度の高い替え玉受験防止になるのではないでしょうか。

電子機器の使用禁止!

薬剤師国家試験の「受験者留意事項」には、「携帯電話、スマートフォン、その他外部と通信が可能な機器類の使用は認めない」と記載されています。「使用を認めない」しか書かれていないので、持ち込み自体はどうなのかな?と思って調べたところ、受験した人のブログなどに「試験中は電源を切って机の上の封筒に入れておくよう指示が出る」との記載が複数見られました。

当然ながら試験中の使用はできませんが、試験直前までスマホアプリなどで復習するなどは問題なくできるようです。

上着や靴の着脱は許可制!?

上着や靴の着脱は認められていなかったり、挙手して許可を得たりする必要があるようです。これは会場によって指示が異なるようで、「禁止事項が休憩時間ごとに増えていく」といった声も見られました。現場の試験監督たちも、不正行為と紛らわしい行為をできるだけしてほしくない…とその場でいろいろ対応を考えているのでしょうか。

薬剤師国家試験が開催されるのは2月と1年でもっとも寒い時期です。会場は暖房が効いている場合もあるでしょうし、途中で衣類を着脱してカニングを疑われなくていいように、早めに会場について体温調整をしておくほうがよさそうですね!

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オンライン試験で問題になりがちな、「替え玉受験」や「オンラインを活用したカンニング行為」も、パソコンのインカメによる受験者の顔の監視、専用デスクトップアプリでの受験者のデスクトップ監視などでしっかり不正を防止します。

WisdomBaseは、動画問題・ファイル提出式などオンラインならではの形式から、択一式・論述式といった定番の問題形式まで幅広く対応できることもポイントです。薬剤師国家試験でも導入された「禁忌肢」を選択した人を失格にするような機能の実装もご相談ください。

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